2010年5月17日月曜日

改めて月刊スピリッツ創刊号を読む。(2009年10月号)

月スピ創刊号の感想は、一年くらい前に、
大まかに書いたものを記事にしてて、

月刊スピリッツ買ってきた。
http://loa-fer.blogspot.com/2009/08/blog-post_30.html

いまさら改めて書くのはって感じが凄くするけど、部屋を圧迫している雑誌を心残りなく片付けるためにも、今回はゲッサンみたいに全作品の感想はしないけど、前よりももう少しだけ突っ込んで書いてみようと思う。

そもそも月スピは、北崎拓の『逆襲のオレ×ヨメ』が連載されると知って、クピドシリーズが好きだったのもあったし軽い気持ちで購入したんだけども、現在その連載が終わった後もなんとなしに購入を続けてしまっている。 最新号の2010年6月号はまだ買うか決めてないけども、この創刊号に載っている漫画はほとんどが面白いし買って損はなかったと言える。 『Rolly婚』、『新ダイナマ伊藤!』、『そんなんだからおまえらは。』、『路上力』(エッセイ)、『ピペドン』以外はだいたい全部面白かった。

『新ダイナマ伊藤!』の作者はゲッサンで『権力の犬 ポリスワン!』も連載してたけど、それと同じような、取材したり資料を用意せずに自分の想像と思いつきだけで描いたようなゆるい漫画で残念な感じだった。 『そんなんだから~』はオタクや腐女子の一般的?なイメージを説明的に描いたような漫画にしか思えなかったし、『ピペドン』はつまらないんじゃなくて、下品過ぎて自分にはダメだった。 『路上力』はタイトルが老人力に似てる事からも分かるように、赤瀬川原平(達)のやっていた路上観察やトマソンの縮小再生産のようなエッセイだ。 ただ赤瀬川のようなとぼけた味わいのある文章というわけでもなく面白味に欠けるかなあ。

特に面白かった作品として、またタイトルの羅列になってしまうけども『古代ローマ格闘暗獄譚 SIN』、『逆襲のオレ×ヨメ』、『summer seminar』、『今日のあすかショー』、『淀川ベルトコンベア・ガール』、『ミル』が凄く良くて、『死神のわけまえ』も良いんだけど、全然出てこない成人した弟の扱い方が、最初はヒロインの孤独が感じられる演出として良いと思えたんだけど、終わりまで読むと、結局ヒロインと死神のカップリングを押し進めるために都合良く排除されてただけのようにも思えたのが自分には引っかかってしまった。 でもこの作者の次回作を読みたくなるクオリティはあった。 あと、双子が片方が行動してる間に片方が眠っている設定はゲームっぽいと思った。 『SIN』は、この漫画の前作らしい『ヴィルトゥス』が気になって仕方ない。 『淀川』はタイトル以外は全部面白い。 村上かつらはちょっとした人間の齟齬を描かせるとほんと上手いなあ。 『ミル』も、絵がちょっと固い感じだったり、おかずの描き分けがいまいちなんだけども、ミルが、猫の時も人間の時も妙に可愛いし、おかしみと悲しみのバランスが良い感じ。 ただ、主人公の青年のギャグ漫画的なリアクション表現は静かな空気っぽい作中で浮いてるように思えたけど、1話以降は悲しみ要素が減ってギャグ要素が増えるのかな? 『逆襲のオレ×ヨメ』は面白いんだけど、メカの造形があざといなあと思った。 さくらんぼシンドロームのクライマックスでも島谷部長が妙にマッドサイエンティスト化してたり、れなが縛られてた手術台や縛られ方が変だったりして、どうなっちゃったの?とか思ったけども、多分どうもなってないんだろうな。 『Dの魔王』は、スパイ物のようなんだけど、いきなりバレて捕まるからビックリした。 取り調べなどの密室劇を描くのかな?

月スピは、それぞれの連載作品の最後のページの次にその漫画の次号予告が載ってるのがちょっと面白い。

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