2010年5月17日月曜日

月刊スピリッツ07号(2010年04月号)

今月号の『ミル』は、ミルの昔の飼い主である女性の泣き声を擬音でさえも入れなかった所が良かった。 『ハコソラ』は、月スピ創刊号に載っていた『死神のわけまえ』と同じ漫画家の短編で、前回よりも少女漫画っぽい絵柄になってた。 今回の話は、醒めた所のある青年が、職場でのトラブルから別の職場へ飛ばされて、奇病を観察する仕事をさせられるうちに成年の内面が変化していくって作品で、面白くはあるんだけど、観察対象になった少女も含めて回り全てが、この青年を引き立てる道具にしかなっていないように思えた。 物語の焦点が当たってる所以外にも世界が広がってるような気配を感じないっていうのかな。 前回の短編の双子の男の子の扱いも他の二人の引き立て役って感じがしたし。 

『Dの魔王』は魔都編が今回で終わったけど、このエピソードはスパイがただの脇役でしかなかったのが、これでいいんだろうかなとか思った。 1つの作品を読んでいる最中の沢山のエピソードのうちの1つとしてはありと思うけど、連作短編として他の連載と一緒に読むと、うん?と思う。 『淀川ベルトコンベア・ガール』は、今回も那子メインの話で、相変わらず月並みな展開ではあるんだけど、かよが工場での自分の大人との関係性を理解する所は良かった。 大人といる方が楽な理由については、自分よりも大人とよく接してる人にとっては誰もが考える事なのではないだろうか。 かよの作ったおいなりさんは、予想通り那子は食べたけど、他の面子が食べたか捨てたかは省略されてたなあ。

『ふわり!』は相変わらず人間関係やリアクションがピンと来なかった。 無理から盛り上げようとしてる感があるような。 『氷山』は、月スピ02号で美容師見習いが、顔にアザのあるお客さんの髪を切る『Black Bird』を描いた人の短編だったけど、『Black Bird』よりは面白かった。 でもこの漫画家は、黒い鳥とか、氷山とか、象徴的なものを作品内で出したい人なのだろうか。 台詞などで簡単に説明出来てることを象徴として出すから、安易な駄洒落のように薄く感じるし、同じ話をくり返し聞かされるのと同じに思える。


月スピを読んでいると、昔購読してたスピリッツやヤンサンを読んでいまいちだった時の、疲れてイライラするような気持ちが思い出された。

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