2010年5月4日火曜日

ゲッサン12号(2010年05月号)

  • 『妹先生 渚』 (1話)もめ事の解決方法が古風だけど、一種のオールド漫画ファンタジーとして読めばよいのだろうか。 シリアスな描写は気恥ずかしいけどこれからもこんな感じのノリなのかな。 2話目は再来月号に載るとのこと。 村枝賢一って何か読んだことがあると思うんだけどなんだっけかな。
  • 『とある飛空士への追憶』 (8話)山とか海とか林とか、ちょっとした風景に魅力がないのだよなあ。 風景の描き込みに執着心を感じないというか。 新人の連載で大変なのかも知れないけども。 最期のコマなどのちょっとデザインチックで上手い背景などは、本人が描いたのかアシスタントが描いたのかどっちなんだろう。
  • 『ここが噂のエル・パラシオ』 (12話)他団体に殴り込みをかけて抗争勃発か?っていう話。 今回は桜花にフォーカスを当ててプロレスメインに話が進んでいた。 やたらキャラがデフォルメで描かれるようになったり、そうでなくてもなんとなしにキャラの表情がいつもより豊かな感じがした。 いつもはもっとカッチリ固い感じっていうか。 今回のはこの作品の今までの連載の中では悪くはなかったように思う。
  • 『マコトの王者』 (12話)天堂の財産を使わずに一から復帰を目指すマコトと、大地の家族を蔑ろにしてマイペースで試合に臨もうとするマコトの話。 マコトが天堂のフィアンセにキスされて腰砕けになる描写が今までにない描き方で、少し面食らったけど、フィアンセが鬼の形相をした絵を見て、忍びの国のような現代が舞台じゃない漫画を描いたらどんな感じなのかなとか思ったりした。 恩田会長や坪原会長が人情的に良い味を出していた。
  • 『QあんどA』 (12話)前回初登場した女の子が遊歩の部屋に来ると、ベッドで庵堂弟が寝ていて2人が付き合っていると誤解する話。 今回も楽屋落ち的なネタが多かったけど、「女の子は驚かすだけなんですね。 男は何の怨みも理由もなく手当たり次第殺すのに…」という台詞はあだちがファンか雑誌の編集など誰かに言われた言葉なのかなあ。 これは庵堂弟の遊歩の兄の小説を読んだ感想なんだけど、lそこだけが妙に生々しい感じの台詞だった。 前に何かのインタビューで言ってたっけかな? QあんどAは、あだち充のその時々の気分をリアルタイムに出している漫画なのだろうか。
  • 『まねこい』 (23、24話)ハルが積極的にホンチーに対して行動していこうとする話。 なのだけど、ハルが積極的に何をしたいのかが分からなかった。 クラブの部長に対して対抗してはいるけど、やってることに中身がないっていう感じ。 ハルの気づいたホンチーの表情の翳りの理由は何か?って所で次号に続くに。 猫太郎達は依頼者の願いをかなえないとまねきワールドへ帰れないので、ハルとホンチーと奈波は三角関係だから猫太郎とリアのどちらかの願いが叶うと片方が帰れなくなるっていうシビアな話が出てきたけど、この設定だと恋愛成就で呼び出されたら帰れない確立が高くて恋愛で呼ばれたくないんじゃないだろうか。 そもそも猫太郎は得意分野関係なく呼び出されているし、ハイリスク過ぎるのでは。
  • 『よしとおさま!』 (12話)犬飼グループとサビ丸の身柄をか賭けて、義妹とよしとおがゲームで競うのだけど、ゲームやる前によしとおがキッパリいらないと言えば済む話だったのでは。 あと、犬飼の遺産を狙う刺客の前で堂々と妹に遺産の話をさせておくサビ丸に違和感を感じた。 しかも刺客側も妹がいるならよしとおだけ狙っても意味ないし、子供で女だからいつでも取り込める、で片付けるのは簡単すぎるって思うし。 作中の妹の扱い方とか設定がかなり粗いように思えた。 伏線があったにしては破綻しているような。
  • 『忍びの国』 (12話)信雄達が攻めようとしている間に伊賀勢の下人の半分は逃げてしまっていて、それに上の忍がやっと気づいた、という話。 天膳をやたら持ち上げてたのが気になったなあ。 現状伊賀から逃げているし、お国が殺されでもしないと無門は参戦しなさそうな気配。
  • 『ハレルヤオーバードライブ!』 (11話)小雨の歌の才能を冬夜が知る話。 話数が出る見開きのページがちょっとこれ見よがしで、読んでいて恥ずかしかったし、歌ってる時の小雨の内面の葛藤に説得力も感じなかったけのだけれども、それなりに面白かった。 主人公の小雨は本当に悩んでるようには見えないのだよな。 それは登場人物全体にも言えるけど。 あと、いつのまにか、ハルの顔の表情がハンコっぽく単調ではなくなってるなあと思った。 
  • 『Waltz』 (7話)長髪が生きてたのもチクタクの計算のウチだったとは! てっきりターゲットの死んだ確認もしないまぬけな集団だと思ってしまった。 でも4話の長髪が犬に喉笛?を噛み切られた時、チクタクのリーダーみたいな女は懐中時計を一度閉じたし、最初はそこで死亡のつもりで作劇してて、長髪が生きてたり生きてたのをチクタク側も知ってたりっていうのは後付けなんじゃないかって気もしなくはないんだけど。 前回岩西に見捨てられた蝉が、今回、文句を言いに事務所へ戻ってきた所で終わったけど、蝉は西崎に対して嫌いだとか言い過ぎると思う。 好き嫌いの話じゃないだろうと。 あと殺し屋なのに寸止めで話を聞いてるのには、ありがちな展開なのは分かるけどどうかと思った。
  • 『ぼくらのカプトン』 (4~6話)4、5話が面白かった。 モテてると思いきや実は告白して振られただけだったっていうひねりのある4話や、それに続く5話の落ちは良かった。 でも6話の主将の逸話は話が飛躍し過ぎて良くないと思った。
  • 『アサギロ』 (12話)今回も山南の内面の独白は気持ち良いし、井上源三郎も解説役として良い感じだった。 話の筋は、山南に天然心理流の道場を乗っ取られた後、山南の北辰一刀流を学びに門下生が集まり出した所へ天然心理流の大先生と島崎勝太が帰ってきて、山南と、勝太改め近藤勇が試合を始める所で終わるのだけど、沖田のいらだちや勝太への過小評価、勝太を待ちながら緊張する山南、など滅茶苦茶盛り上がって面白かった。
  • 『いつかお前とジルバを』 (19、20話)猫耳の変わった女の子再登場の2編。 1つめの方はオチがいまいちと思った。 ジルバが飼い猫になるエピソードとかも読みたいかも。
  • 『ガールズトーク』 (読切)話はほんとに誰でも思いつくようなものなのだけど、女子高生が可愛かった。 だから、これは漫画家が今時の女の子も可愛く描けますよという一種のプレゼンのような短編なのかなとか思った。
  • 『アオイホノオ』 (24話)ホノオが脳内で葛藤して出た結論や、トンコさんのノリと隣の男友達のギャップが面白かった。 山賀はいつも同じことしか言わないキャラになってるな。 島本和彦ってもしかして山賀の思い出がないんじゃないだろうか。

    あと漫画自体とは関係ないけど初期のウォークマンが出てきたのが懐かしかった。 オレンジ色の耳当てのを幼なじみの女の人が持ってて聴かせてもらったっけなあ。 ちなみに自分が持っていたウォークマンを調べたらWM-30だった。 当時これを買う時には既に型が古くなっていたのだけど、デザインが好きで、あと値段も安かったので選んだのだった。 今でも持っていて大好きだ。
  • 『月の蛇』 (12話)飛虎と虎殺しの武松の対決回。 これまでも何度か書いたけど、所々気合いの入ってない絵のコマやコミカルな表現が入っていて、話として盛り上がるはずなのに、所々で盛り上がりかけた気持ちが削がれてしまった。 アップ以外の、翠華の飛虎を見つめる表情が流して描いてるように感じられるのがあった。 コミックスで見るとどうかは知らないけど雑誌の大判で見たら緩い絵は本当に緩く見えるので、盛り上がってるだけにほんと勿体ない。 時間が足りなくてアップアップしてるのだろうか。
  • 『ザ・ビーチスターズ!!』 (12話(最終話))これまでの続編の匂いを醸してるとはいえ、俺たちの戦いはこれからだ、的な、途中で終わることをせずに単行本2巻で完結させるって凄くないかな。 かなり盛り上がったけど、でもやっぱもう数話欲しかった。 試合や因縁に余韻も何もないんだもの。 BJ魂で連載してた漫画はいまいちだと思ったけど、この作品はなんだかんだで面白かったのでこの漫画家はゲッサンでまた連載しないかなあ。
  • 『がんばれ貧血先生』 (読切)先月号に読み切りを描いた新人の短編。 熱血にするための処置のいい加減さや、「別に近づいてないだろ?」はくだらなくて面白かったけど、それ以外はいまいちだったかなあ。 脇役の生徒が本当に月並みなリアクションをするだけの脇役になっていて、コマがなんかもったいない気がした。
  • 『イボンヌと遊ぼう!』 (13話)イボンヌ先生が持ってる絆創膏を、他の人に使いすぎて自分が怪我した時に使えなくなってしまう話。 オチが弱いけどギャグ漫画じゃなくほのぼの漫画としてはまあまあ悪くはなかったと思う。 相変わらず学校でアルパカの飼育とか、おかしみ要素のセンスが面白いと思えずよく分からなかったけども。
  • 『リンドバーグ』 (12話)大会当日の飛ぶ瞬間までのエピソード。 ニットはシャークにあんな簡単に懐いてて良いのだろうか。 葛藤がないというか、回りに対する感情的な反発が一瞬でしかないのだよな。 所々いつになく背景とか白っぽいコマとかが散見されたけどもモブが多くて時間が足りなかったのかな。 ニットとロメロの視線が交差してないのが気になった。 ティルダは可愛いけど、今回は手癖でザッと描いてるのかデザインがちょっと緩い感じだった。 内容はありがちな展開だけど普通に面白かったと思う。 背景とか、見開きの大ページなど風景が生き生きしてるなあ。
  • 『タイムメール』 (12話(最終話))最後の話は、狂言回しをしていた無量小路裕子の物語だった。 まあ予想通り。 最終回だけに、今までの登場人物が話しに絡んできていてそれが面白かった。 面白かったんだけど、今までの登場人物の名前を良く覚えていないので、よく分からない人も結構いた。 で、小路裕子の乗った旅客機が事故を免れるまでは切迫していて面白かったんだけど、その後のオチとか、再登場した人達を投げっぱなしにしたりとか、特に教祖になった主婦へのテロリスト疑惑とか、が投げっぱなしにされたのが凄く物足りなかった。 この最後のエピソードをもう少し膨らまして書籍化したりしないのだろうか。 この連続短編小説はいまいちな話もあったけど、漫画の中に短編小説が混じってる雑誌形態はこれからも続けて欲しいと思った。
  • 『楽神王』 (12話)兄弟対決の中で、オルケストラを自分の力で諫めつつ、弟の、兄へのコンプレックスや自分の性格が招いた疎外感を見せるのは良いんだけど、受けて立つ兄が緊迫した状況で脳天気すぎるって言うか幼稚にしか見えないのが兄弟対決をとてもつまらないものにしてると思う。 自分的にかなり盛り下がった感じ。
  • 『神サマのオーダー』 (読切)喧嘩してる恋人の仲裁を天使がするっていう話だけど、設定として無くしたものと探した場所が本当にそれでいいのか疑問だなあ。 短編だからか分からないけど、どうってことのない話をどうってことのない漫画として読まされたような読後感。
  • 『No.1海堂』 (10話(最終話))最後は恋愛パワーで勝った、みたいな話。 結局主人公は騒がしいばかりで最後まで魅力なかったなあ。 そもそもヤマンバのギャル男みたいな主人公って、今時受けるのだろうか。 この漫画家は、連載前の読み切りもいまいちだったし、この連載もトータルでいまいちだったし、次に連載があるとしてもちょっと自分には期待できないなあ。
  • 『信長協奏曲』 (12話)今回の話は、史実に合わせるために無理に物語を作ったような違和感があった。 信長のひらめきが史実にそって説明的すぎるって言うか。 それと、信長が農民の子供を兵士として集めていたけど、死ぬリスクが高い兵士にするのに躊躇がないのが、現代人がやってきた設定にしては引っかかるなあ。 美濃を奪るっていう発言にしても、戦を安易に考えてるって言うか、人の生き死にが漫画の中で省略してるせいもあってか薄っぺらいなと思う。 ちょっと今回の信長はキャラクターとして安っぽかったなあ。 これを契機につまらなくなっていったりして。


今号でゲッサンが創刊されて1年、12冊。 なんとか予定通り?1年購読できたけど、これからどうしようかなあ。 これが300円台の雑誌なら迷わず購読継続になるんだけど、まあこの厚さで500円は安い方と思うけど、連載漫画的に引きの強い連載があるかというと、そんなにないっていうか。

アサギロ、マコトの王者、まねこい、は読み続けたいけど、アオイホノオはコミックスを買うか立ち読みできれば良いかって感じだし、それなりに面白い漫画はあるんだけど、読んでいて切実にそれを読み続けたいと感じさせる作品がないって言うか、相変わらずほとんどが粒が小さい作品ばかりなのだよなあ。

まあでも、そう言う物足りないって感覚は、基本的には自分がゲッサンの想定読者層とかなり離れてるからだと思うようにしてるし、自分がいまいちでも小学生から高校生くらいの層が面白いと思うのならそれで良いと思ってる。 実際にそう言う層にゲッサンが受けてるかは知らないのだけど。

そういえば次号予告の武論尊原作の漫画家って、『ヤニ少女、月夜を翔る』の漫画家なのだな。 絵が白っぽくなかったので気づかなかった。

今月号も「ゲッサンしてみる。」の扉絵が無くて、「ちょっと腹ごしらえ。」のコーナーもなかった。 まさか漫画家レシピのコーナーは1回で終了してしまったのだろうか。 2回目を期待したい。

0 件のコメント: