2010年5月17日月曜日

月刊スピリッツ02号(2009年11月号)

2号目もおおむね面白かったけど、キャラが『The カボチャワイン』みたいな絵柄の『サラダぼ。』は、外国人寮というひねりはあるけどよくあるハーレム物でいまいちだったし、『淀川ベルトコンベア・ガール』は、パートに来た女の子とヒロインの交流がもっとじっくり描かれると思っていたら、かなり省略して既にそれなりに親しくなっていて拍子抜けした。 描きたい事がもっと先にあって、二人の出会いとかはそのネタ振りに過ぎないなのかなあ。 若い女の子が一生この工場でだけ働くのは普通ありえないので、工場が閉鎖するか辞める時にこの作品も終わるのだろうか。 あと、1話では大目に見れた作中の変な関西弁が、すごく目立って違和感があった。 上手く使えないならなぜ関西に設定したのだろう。

『かばやし』は好きだけどギャグ漫画としては特に面白いと思わない。 思ったんだけど、最近のギャグ漫画って芸人の漫才やコント風なものが多いのでは? 本来はギャグ漫画やお笑い、コメディ映画、などは笑いの表現が、それぞれ相互の影響がありつつも違う表現形式のものなのだと思うけど、『かばやし』とか、『権力の犬、ポリスワン!』とか、漫才やコントっぽくなりすぎてないだろうか。 『新ダイナマ伊藤!』はどうやらゲッサンの『権力の犬 ポリスワン!』よりは面白いようだけど、設定の緩さに発想の緩さが助けられてるのかも知れない。 

『路上力』は既に路上観察ってよりもホームレスの生活の知恵を書いてるだけに思える。 『今日のあすかショー』は全部下ネタで通すのかなあ? このエッチの緩さはいわゆるオタ向け雑誌じゃないから成立してるようなもんだよなあ。 『ミル』は順調に面白い。 もうちょっとミルの猫状態を見たいってのはあるけども。 ミルの顔って、キャラ表を見て描いてるのかってくらいどのコマの顔の描き方も似てるんだけど、でもハンコで押したような単調な表情には見えないのが不思議。 あと、こういう味わいのある漫画はコミックリュウでも読みたかったりして。

『Dの魔王』は、悪くはないんだけど、主人公が有能なスパイにはまるで見えないって事と、何かで学んだスパイの知識をただなぞって作劇してるだけに思えるような展開なのが引っかかる。 原作物だからかだろうか。 最初の数ページは面白かったけど、最終的には次回の展開にあまり興味が持てなくなった。 『ピペドン』はヒロイン?の二重の裏側が分かって面白くなってきたけど相変わらず下品で苦手だった。


ゲッサンは、自分の中ではサンデーとコロコロの中間+時々スピリッツ、みたいな印象なんだけど、月スピを読むことでゲッサンの立ち位置が自分の中で分かりやすくなって良い感じ。 やっぱり他の雑誌も平行して読んだ方が、それらの雑誌自体について考えやすいと思った。 しかも同じ出版社の別雑誌を読むのがいいかも。 ゲッサンの連載作品に足りないのはおそらくケレンなんだけど、そういうケレン味溢れる少年漫画をゲッサンは目指してないのかも知れないなあ。 藤子不二雄(二人とも)ならどんな漫画をゲッサンで連載するだろうか、とか意味のないことを思った。

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