2010年5月29日土曜日

月刊スピリッツ10号(2010年07月号)

月スピの6月号を読み終えた後しばらくして、気づくと別にもう買わなくて良いかなって気になってたんだけども、他の雑誌をまとめて読んだり他のことをやったことで、習慣的にやってた月スピを読むリズムが変わり、続けて読みたいっていう意欲も減ったってことなのかなあと考えた。 で、もう買わなくても良いなっていう感じで書店へ行ったら、月スピの表紙が『ミル』だったので買ってしまった。 『ミル』を面白いと書いてきたので何となく買わないといけない気がして。 ただ今回の連載全部を読み終えての感想はいまいちって感じだった。


『ミル』は、アキの大学が学園祭で、新キャラが一気に増え、ミルとは別の化け猫らしき存在もも登場したのだけど、ミルとアキのこじんまりした世界が魅力と思っていたので、話の広がりがちょっと自分には引っかかるものがあった。 漫画が長編になりそうな予感。 でも自分にとってのこの漫画への興味は一段落ついたかな。

『ドラゴンジャム』新連載のバスケ漫画だけどヒラマツ・ミノルみたいな絵柄だった。 主人公はただバスケが上手いってだけで、物語は悪漢物でもなさそうなのに、お金を賭けたバスケで大人を騙して儲けても何とも思ってないようだし、そういう人物像を魅力的には思えなかった。 一応警察にお灸を据えられるシーンがあるけど反省したようには思えないし。 漫画は1点1000円にする所までは面白いと思った。

『淀川ベルトコンベア・ガール』数度書いたけど完全に工場の話ではなくなってるし、那子が主役でかよが脇役に格下げになってるような展開。 視点がかよに戻るにしても那子視点が長すぎると思う。 二人とも主人公ってことなんだろうけど、2人を描くバランスがおかしくなってるのでは。

『爆発!人ずきんちゃん』 二度目の登場で、前回の読み切りの続きの話。 前回の読み切りもおもしろいと思えなかったのでなぜ二度目があったのかよく分からなかった。

『ふわり!』は、星野大が壊れた飛行機を自分で直してみるエピソードだけど、相変わらず読んでいてノリについて行けないというか、自分には熱が伝わってこない感じ。

『ウシハル』はスピリッツに連載決定との事。 この漫画も自分は苦手だったので月スピからいなくなるのはいい話と思うけど、スピリッツ本誌は連載漫画を誌面のページ数以上に抱え過ぎだと思う。

『森山中教習所』 謎の自動車教習所が閉鎖される事が分かって夏休みの終わりのような展開。 車の免許を取る前日に、清高が父親にすきやきの鍋をひっかけられたので火傷してるだろうし、轟木も、試験を受けないのかヤクザから逃げる気なのか不穏な動きを見せてるしで、話的にすごく盛り上がってきた。 今回はどことなく線のタッチが荒い絵が多い気がした。

『Dの魔王』XX編終了であり連載自体も終了。 月スピでの『Dの魔王』の連載の中では一番面白からずな回だった。 XXに出てくるD機関のスパイ(の卵)は、ほとんど何もせずただの傍観者にしか思えないのに突然感極まって泣かれるシーンが出てきても共感も出来ないし困った。 


というわけで、読んでいてとても疲れる号だった。 文句ばかり書いてしまった感があるけど、もちろん読んでる時の体調や精神状態によっても感想は変わるので、面白くない=雑誌のせい、というわけでもないと思います。 ただ、巻末の月スピアンケートはいつも3人くらいにしか聞いてないし、回答も無理に答えたようなものばかりでつまらないので本当にやめたらいいのにと思う。 正直、個人的にはこの号の『ものものじま』以降のページの掲載漫画は『森山中教習所』と『ピペドン』意外全部連載終わらせても問題ないと思う。 

2010年5月22日土曜日

月刊スピリッツ09号(2010年06月号)

というわけで、月刊スピリッツ2010年06月号も買ってきた。 表紙の誌名ロゴすぐ上に「宇仁田ゆみ最新作、青みゆく雪掲載!!」と大きめに書いてあるのは、この作品が不定期連載で人気漫画だからだろうか。 宇仁田の名前で購読者を引っ張れてるってことかな。

で、今月号の表紙にもなっている『新・逃亡弁護士 成田誠』が連載開始なのだけど、落ちの付け方がご都合主義というか、本当の放火犯が弟で、弟に濡れ衣を被せられた兄が、寝たきりの父や自分を騙した弟と和解してクリーニング店を再開するって話に無理を感じた。 解決の難しい親子の葛藤の安易な解決や、成田を警察に通報した弟が、成田が逃げるのをあっさり見逃したことなどか、ページの関係上省略されたのか知らないけど気になってしまった。 でも裏切りや復讐物が好きなので、面白いかと言えば面白かった。 こういうのはラーメンとか食べながらざっと読むには良い感じの大味加減なのだろうか。 絵柄は顔がリアル寄りだけど、正面顔が多くて妙に平板に見えるコマがあったのがちょっと気になったかな。 "新"になる前の『逃亡弁護士 成田誠』は別の人が作画を担当していたようで、そっちの方も面白いのかなあ。

『花もて語れ』の1話目。 前回は0話ってことでヒロインの幼少時代を描いていたけど、その前回よりは今回の方が面白かった。 朗読の持ち上げ方に多少違和感があるけど。

『ふるえる』は、『SIN』のの漫画家が、『SIN』を一回お休みしての読み切り。 昔関係があった女が子連れでやってきて、主人公の男が、女がお前の子供だというその幼児をホテルで一日だけ預かる話。 面白かったけど、結局事なかれ主義で過ぎてったような話だったなあ。 何もトラブルが起きずに終わってしまった。 問題の種火が付いた話であって、事が起きるのはその前後って事なんだろうけど物足りなかった。

『ミル』は、今回絵に妙に違和感があったんだけど、線が細くなってないかなあ。 特にミルの線が、線がかすれてしまってるかのような、画像を縮小して貼り付けられてるような変な感じがした。 で、前からこんなタッチだったっけかと月スピを遡って調べてみたけど、ハッキリとここからだ、っていうのは分からなかった。 もしかしたらミルの目の斜線が薄くなってるだけかも知れない。 漫画自体は相変わらずほのぼのさせられて面白かった。

『淀川ベルトコンベア・ガール』 かよが完全に脇役になってるけど、那子達の揉め事をかよがサポートするみたいな展開になるんだろうか。 どっちにしろ工場とは全然関係ない話になってしまってる。

『路上力』は、強調されたゴシック体の文字がやたら増えすぎて読みづらくなってる。

『Dの魔王』は、スパイなのに女優との対面シーンが目立ちすぎるのでは。 広い劇場で会うなんて第三者に見られる可能性があり過ぎると思うんだけど。

『Rolly婚』 新婚の男が老婆のおっぱいを吸ったのをギャグとして軽く流してるけど、この男が未成年の妻に操を立ててた意味が無くなってしまうんではと思った。

『ピペドン』は、とうとう人を殺してしまったけど、瞼と足立は作者に無理に動かされてる感があるような。 登場人物がみんな道具以上には見えないなあ。

『森山中教習所』 轟木の暴力の省略の仕方がいまいちだった。 話は轟木の立場が危うくなってきて盛り上がってる。


買ってから読み始めが早かったので一気に読めるかと思ったら、3日間くらいかかってしまった。 時間的な都合ももちろんあるけど、今の自分には600ページ弱の月刊誌を一気に読める体力は無いようだ。 まあ全作品読んでるからだろうけど。

2010年5月18日火曜日

月刊スピリッツ08号(2010年05月号)

月刊スピリッツの良い所は色んな連載漫画を表紙にする所だ。 ゲッサンは同じ漫画家をくり返し使うので物足りないんだけど、その違いは、月スピには話題作や人気を取りうる作品が多く連載されてるからっていうのもあるんだろう。 ゲッサンの表紙は、どうせ表紙で売り上げが大きく上下しないだろうしもっと冒険しても良いのに。

『今日のあすかショー』 あすかは結局物事を他人事としてしか捉えてないんだよな。 だから今回みたいに自分への告白を、自分から切り離した一般論とすり替えたり、前にあった話の、混浴風呂へ入る人の気持ちのありようと自分の感覚の違いを自分が混浴風呂入ろうとするまで気づかなかったりするわけだ。 これからも自分の本当の気持ちと自分の考えとのずれの話が続くのだろうか。

『SIN』は今回妙にジョジョっぽい絵柄になってたけど、今までそんな似て見えたことってあったっけかなあ。 やたら顔のアップで感情表現をするのが自分的に飽き気味なのと、結局『SIN』って内容的にはゴシップ雑誌のようなスキャンダリズムしかない気がしてきた。

『淀川ベルトコンベア・ガール』は、ここの所視点が那子になったり、今回は那子の友人の新キャラのヒロキになったりしてるけど、かよ目線で話を作るのに行き詰まりでも感じたんだろうか。 内容は可も不可もなくってかんじだけど、やってることは普通の学園物になってしまってて、ヒロインのかよの、中卒の子の設定が無意味化してると思った。

『森山中教習所』 やくざになった轟木の置かれた立場のシビアな面が出た話。 こういうのはいいなあ。 教習所の設定が大ざっぱ過ぎて一種のファンタジーめいてなければもっと良かったのに。

『かばやし』 新キャラのギャル王ってキャラが面白かった。 でもこの新キャラもテコ入れに見えてしまう。

『イン・ザ・ブース』 新人コミック大賞入選作。 大学生の主人公がサラリーマンに見えるのは変な感じがしたし、、初恋相手が性同一性障害だったっていうのは話を捻りすぎと思ったけど、おおむね面白かった。 でも背景が下手ってよりもいい加減過ぎるのでは。

『路上力』は、路上観察的な始まり方をしたけど途中からお金の儲け方マニュアルみたいになってしまったなあ。 ここ何回かのエッセイ面白くないとは言わないけど。

『ゼブラーマン2』は最終回だったけど、まるで急に打ち切りにあったような変な終わり方だった。 変って言うか、話の大筋はちゃんと違和感なく終わってるんだけど、話の運び方って言うか、漫画としてやっつけに見えて仕方ない。 同じ筋でも別の描き方があったような気がする、そんな最終話だった。 そもそも1話からして急ぎ足の粗筋みたいな漫画だったけど。


毎回月スピの表紙裏に女性のイラストが描かれていて、それは「非日常な彼女」っていう連載イラストで、毎月別の人が描いていて、巻末の方には描いた人の紹介とコメントが載っていて、正直そのイラストもコメントも一切面白いとか良いと思ったことがないんだけど、今回の綾村切人って人のコメントだけはちょっと面白かった。 

とりあえず今持ってる月スピは全部読んだけど、続きが気になる連載があるので一応既に発売されてる号も買っとくかな。

2010年5月17日月曜日

月刊スピリッツ07号(2010年04月号)

今月号の『ミル』は、ミルの昔の飼い主である女性の泣き声を擬音でさえも入れなかった所が良かった。 『ハコソラ』は、月スピ創刊号に載っていた『死神のわけまえ』と同じ漫画家の短編で、前回よりも少女漫画っぽい絵柄になってた。 今回の話は、醒めた所のある青年が、職場でのトラブルから別の職場へ飛ばされて、奇病を観察する仕事をさせられるうちに成年の内面が変化していくって作品で、面白くはあるんだけど、観察対象になった少女も含めて回り全てが、この青年を引き立てる道具にしかなっていないように思えた。 物語の焦点が当たってる所以外にも世界が広がってるような気配を感じないっていうのかな。 前回の短編の双子の男の子の扱いも他の二人の引き立て役って感じがしたし。 

『Dの魔王』は魔都編が今回で終わったけど、このエピソードはスパイがただの脇役でしかなかったのが、これでいいんだろうかなとか思った。 1つの作品を読んでいる最中の沢山のエピソードのうちの1つとしてはありと思うけど、連作短編として他の連載と一緒に読むと、うん?と思う。 『淀川ベルトコンベア・ガール』は、今回も那子メインの話で、相変わらず月並みな展開ではあるんだけど、かよが工場での自分の大人との関係性を理解する所は良かった。 大人といる方が楽な理由については、自分よりも大人とよく接してる人にとっては誰もが考える事なのではないだろうか。 かよの作ったおいなりさんは、予想通り那子は食べたけど、他の面子が食べたか捨てたかは省略されてたなあ。

『ふわり!』は相変わらず人間関係やリアクションがピンと来なかった。 無理から盛り上げようとしてる感があるような。 『氷山』は、月スピ02号で美容師見習いが、顔にアザのあるお客さんの髪を切る『Black Bird』を描いた人の短編だったけど、『Black Bird』よりは面白かった。 でもこの漫画家は、黒い鳥とか、氷山とか、象徴的なものを作品内で出したい人なのだろうか。 台詞などで簡単に説明出来てることを象徴として出すから、安易な駄洒落のように薄く感じるし、同じ話をくり返し聞かされるのと同じに思える。


月スピを読んでいると、昔購読してたスピリッツやヤンサンを読んでいまいちだった時の、疲れてイライラするような気持ちが思い出された。

月刊スピリッツ06号(2010年03月号)

『SIN』は相変わらず適度におもしろいけど、人間を描いてるって感じがしない。 なんか劇画のパロディ読んでるような感覚。 『ふわり!』は、登場人物達を、他人の気持ちを考えず、空気を読まない行動をさせることで関係の軋みを作ってるって感じで登場人物全員にイライラさせられる。 ホラー映画で、視聴者が気づいている危険に簡単にはまって死んでしまう登場人物を見てるみたいな、登場人物が愚かに見える感覚。

『淀川ベルトコンベア・ガール』は那子の内面の話だけど、ありがちな話を本当にありがちにあっさり描くので不満が残った。 新連載の『花もて語れ』は人見知りの子が朗読を学ぶ話なんだけど、才能のある子供が我が儘な実習生に英才教育されてるようにしか思えなかったなあ。 『Rolly婚』は今回最低に下品すぎる。 あと特に面白くもない時事ネタやネットで既視感溢れるオタクネタを毎回入れるけど、面白いとは思えないなあ。

『黒×羊』は前回出てきた売名タレントは替え玉だったというひねりは面白かった。 『ゼブラーマン2』は、前回の早足の展開と違い2話目の今回は普通の漫画のリズムになってた。 そして特に何も言いたいことはない漫画になった。 『ピペドン』は、前回くらいから、瞼が足立を意識してるような描写が入り出したけど、これは、ただの恋愛漫画をややっこしく描いてるだけなんじゃないの?という疑問が。 研究説明関連のシーンや台詞が恋愛の本筋を引き伸ばすための要素にしか思えなくなってきた。 

『ミル』で、ミルが人間しか好きにならないって言ったのが、ゲッサンの、『いつかおまえとジルバを』の人間の女の人しか好きにならない猫のジルバを思い出させたけど、ミルの「化け猫は人間しか好きにならない」っていう言葉が妙に説得力があったなあ。 昔話で人間の女に化けた動物はことごとく人間と恋愛したり出産したりするからだろうか。

月刊スピリッツ05号(2010年02月号)

この号は、『ザワさん』が表紙で、その読み切りも載せつつ、作者の三島衛里子とあだち充の対談も掲載されていた。 この号を買った当時にこの対談だけ先にざっと読んでたんだけど、今回も改めて読んで面白いと思った。 ゲッサンで若手漫画家連載陣が、あだち充のスタジオへ見学に行ったレポ漫画での口調もそうだったけど、この対談でのあだちの口調も、ざっくばらんでちょっと怖いというか、サバサバしてて独特の空気を醸し出していて、この怖いんだかただサバサバしてるだけなんだかよく分からない感じが、昔よく出会った大人って感じがした。 小津安二郎監督の『お早う』で、子供に向かって「おい」「おい」 って声をかける大人の男が出てくるんだけど、その声のトーンもまた怒ってるんだか普通なのかよく分からないんだけど、とにかく怖い感じの声で、あだちの口調を読んでいると、なんとなく『お早う』のその声を思い出した。 あと、前にも書いたかも知れないけど、『ザワさん』に出てくる男の子って、佐藤宏之を思い出させるような所がある。

そういえば、月スピには創刊号からずっと対談企画のようなものが毎号続いてるけど、これはレギュラー企画ってことかな?、だったらいいなあ。 ただ、先月号の信濃川日出雄とすえのぶけいこの対談は、漫画家同士の馴れ合いを読まされてるようで自分には面白いと思えなかったけど。

『ゼブラーマン2』は、あらすじをコマ割りしただけのような急ぎ足の漫画で、面白くはないんだけど、最近の漫画に長くなりそうな話運びが多い気がする事や、自分がじっくり話が進むのを読みたいこととか色々考えさせられた。 初期の漫画って、絵巻が漫画化したような、簡単な童話に絵がついたようなものがあったけど、ああいう漫画ってなんていうんだっけかな、この1話を読んでそれを思い出したけど、こういう風に話がさっさと進む漫画もありではあるなと思えた。 『ゼブラーマン』の三池監督のコメントは面白かった。

『ミル』は相変わらず猫も人間化した状態もいいなあ。 猫の可愛さと女キャラの可愛さが混ざり合って妙な魅力になってる。 今月号から移籍?してきた『スキエンティア』はいきなり6話から始まって、予告で「次週、堂々完結」とか書かれても、そんなの知らないってのと思った。 月スピ読者をスピリッツ本誌も読んでること前提にし過ぎなんじゃないのかなあ。 表紙の「涙が溢れるSFシリーズ」って紹介コメントもあざとくて読む前に変にハードルを上げてしまうので、涙なんて書かない方が良いと思う。 内容的にはつまらなくないけど可も不可もない感じ。 設定的には田中ユタカの『愛人 AI-REN』と似ていて、違いは性処理用ロボットかどうかと、世界が終わりそうかどうかなどなど。

『ウシハル』は、っていうかゴトウユキコはニヒリズムと暗さの無くなった山本直樹みたいな漫画だなあ。 牛が擬人化して見える少年という設定が特にどうということのない展開をする漫画でおもしろさがよく分からない。 『ふわり!』は、一種の熱血物だと思うけど、昔良くあったような既視感のある漫画を再生産してやってるだけにしか自分には思えなくて、それプラス何かの新しさみたいなものを感じられなかった。

『強制ヒーロー』は、青野が昔好きだった女性の結婚式に出てヘマをやらかす話だったのだけど、その憧れてた女性が全然魅力的に見えないので、青野が式に出るか迷ったり、出て迷惑かけてショックを受けたりする心の機微が伝わってこなかったのが残念だった。 もちろんそういう関係性は頭では分かるけども。 それと、結婚式の二次会のシーンで、引きで全体を見せるコマが1コマくらいしかなくて、モブもそんなきっちり描かれてないせいか、青田が騒いだり吐いたり、他の出席者が殴ったりした時の場の空気が全然分からなかったのも気になった。

『淀川ベルトコンベア・ガール』 今回は、かよが那子の友達の誕生日に手作りのおいなりさんを持ってくんだけど、ネットでしばしば話題になる、暑い日のハイキングか何かでおはぎを持って行ってみんなに引かれる女の人の話みたいな展開で、既にかよは場の空気に耐えきれずに飛び出してはいるけど、この後おはぎが手を付けられずに捨てられそう(那子だけ食べる可能性もあり)だし、既視感ありまくりの展開でもったいないと思った。

今回は『路上力』や『名門女子大生妄想文学』の文章物が巻末に纏められてたけど、こういうのは今までみたいに漫画の途中に配置して欲しい。 漫画を読み続けて少し疲れた時の箸休めに読みたいものだから。 まあ最初から順に読みがちな自分自身の都合だけども。 でも『名門女子大生妄想文学』は、スピリッツ編集部の邪な目的でやってる企画にしか思えないし、あと、色んな人に月スピを読ませて感想を聞くアンケート企画は毎回無理に答えてもらってる感があるし、特に面白くもないので無くなっても良いと思う。


気づくと5号目で既にゲッサンよりちょっとおもしろいかも?程度な雑誌になってしまってる。 ゲッサンの連載漫画には思い入れがまだあるけど、月スピの連載漫画にはそこまでの気持ちは持てないかな。 それは月スピに長期連載が少ないのとゲッサンよりも雑誌を数ヶ月分一気読みして印象が薄いからかも知れない。 雑誌全体の印象を比較すれば、ゲッサンの方が読み通しやすいように思う。 月スピの連載はおもしろいのとそうでないのの差が激しくて、ゲッサンは差はそんなに大きくはなくおもしろさの中間層が多いって感じかな。

月刊スピリッツ04号(2010年01月号)

今月号に石塚真一の短編が載ったのは分かる気がする。 先月、ベテランで、今油が乗っていると言っても良い北崎拓の短期連載が終了したので、その穴を埋めるにはそれなりの作家を引っ張ってこなきゃいけないだろうと思うからだ。 自分もこの月スピを買うか迷ったし、『岳』を読んでなければこの作家の短編にも興味は持たなかったとも思う。 あー、また北崎拓がどこか月刊誌で短めの連載しないかなあ。

その石塚の短編『STRAIGHT NO CHAISER』は乗りの良いフリーターがトランペットに目覚める話で、絵的には流して描いてるのか結構荒いんだけど読後に気持ちが暖まって良かった。 『淀川ベルトコンベア・ガール』は、元クラスメイトの男友達の連れにやられそうになって逃げるみたいな話。 展開はまだいいとしても、話の妙なまとめ方や台詞回しやナレーションとか、どことなく上手くいってない感じがする。 なんか大味っていうのかなあ。

『黒×羊』は主人公が完璧すぎてサスペンスも何もないのが物足りない。 今回若い刑事に正体がバレるかも知れない可能性が出てきたり、自分のマネージャーに裏の仕事で関わった人間が就いたりと、裏の仕事がバレるリスクが高くなってはいるけども、最終的に上手く切り抜けて主人公の悲しい過去話が出てくるだけなんじゃないだろうか。 『ものものじま』はほのぼの微グロ漫画だけど、ギャグ漫画ではないように思う。

『森山中教習所』は絵柄は高野文子っぽいけど内容はさそうあきらみたい。 いや絵もさそうあきらにちょっと似てるとこあるけども。 この漫画は面白そうなんだけど、面白い、と言い切れる所まで行ってくれないっていうか、ある種の繊細な人間関係を描いてるのだと思うけど、描き方がザックリし過ぎてて、登場人物達が何考えてるのか分かりづらい人だらけに思えるって言うか。 まあ今回の友達の仕返し的な話は分かりやすい方だったけども。 登場人物達を突き放して描いてるのか気持ちを込めて描いてるのかがあやふやな感じ。

『Dの魔王』はロビンソンっていう副題が付いてるのに初めて気づいた。 後半は怒濤の説明台詞で、このエピソードの主人公は、最後まで、上司でありスパイ組織を作り上げた結城の描いた作戦をなぞってるだけという、魅力の感じられないキャラクターのまま終わってしまった。 面白かったのは1話だけだったなあ。 こういうエピソードが連作されるなら自分にはこれからも期待はできないかな。

月刊スピリッツ03号(2009年12月号)

『今日のあすかショー』は今までと違い、あすかの家庭や内面を描くことであすかの不思議な感じが失われてしまった。 『SIN』は子供の頃のシンの笑顔が山本英夫の漫画みたいだったけどアシ経験とか何か関係あるのかなあ。 『8はち』は今まで可も不可もなくって印象だったけど、ドラゴンソウルは面白かった。 あと、眼鏡クラブは、千原Jr.とサバンナ高橋が昔メガネ部ってコントをやっていたので、学生とサラリーマンの設定の違いがあるとはいえ既視感がぬぐえなかったんだけど、後半、オヤジ狩りをする青年が良いキャラでなかなか面白かった。

『淀川ベルトコンベア・ガール』は、かよには友達いないんじゃなかったんかい!って思ったけど、同じ部のクラスメイトは親しいうちには入らないのかな。 かよの関西弁のおかしさもヒロインが福井出身ということでフォローされてしまった感があった。 今後は中学のクラスメイトが、かよに迷惑をかけて那子が助けるって展開を予想。 『青みゆく雪』は恋愛物として面白いけど、宇仁田ゆみや日本橋ヨヲコなどの太めの線って苦手なんだよなあ。 そういいつつ宇仁田のコミックス何冊か持ってるけど。

『ピペドン』はいまいちだった。 二重の一人勝ち状態が延々と語られるだけなので、一種の自慢話をずっと聞かされてるような疲れを感じる。 足立が二重の態度を何でも自分への好意として解釈するのも単純な人って感じでうんざりしてしまうなあ。 『逆襲のオレ×ヨメ』は最終話。 予定調和的にハッピーエンドかと思いきや、最後にもう一ひねりあって、今後も話が続けられるような終わり方をしていた。 もっと長い尺で読みたかったなとも思う。 これで月スピ購読の一番の動機が失われてしまった。 『強制ヒーロー』って判断の付けにくい案件を扱う漫画なのだなあ。 『黒い羊』は、漫画だから大味な展開や演出も分からなくはないんだけど、でも人の前で顔だけじゃなく髪の色も次のコマですぐに変わったりするのにはなんだ釈然としない。


今回あったギャグ漫画を1コマづつリレーして描く企画は面白いと思うけど、参加してる漫画家が自分的にはギャグ漫画家って印象のない人だらけなのにギャグ漫画家扱いだったのが変な感じがした。 でもオチは上手く付けたと思った。

あと、連載漫画の表紙のQRコードが目障りって言うかうっとうしくて仕方なかった。 確認したら先月号からついてるんだな。 ゲッサンには無かったけど、他の雑誌でもこういうの頻繁にやってるのかなあ。 去年何冊か買ったスピリッツには無かったはずだけども。

月刊スピリッツ02号(2009年11月号)

2号目もおおむね面白かったけど、キャラが『The カボチャワイン』みたいな絵柄の『サラダぼ。』は、外国人寮というひねりはあるけどよくあるハーレム物でいまいちだったし、『淀川ベルトコンベア・ガール』は、パートに来た女の子とヒロインの交流がもっとじっくり描かれると思っていたら、かなり省略して既にそれなりに親しくなっていて拍子抜けした。 描きたい事がもっと先にあって、二人の出会いとかはそのネタ振りに過ぎないなのかなあ。 若い女の子が一生この工場でだけ働くのは普通ありえないので、工場が閉鎖するか辞める時にこの作品も終わるのだろうか。 あと、1話では大目に見れた作中の変な関西弁が、すごく目立って違和感があった。 上手く使えないならなぜ関西に設定したのだろう。

『かばやし』は好きだけどギャグ漫画としては特に面白いと思わない。 思ったんだけど、最近のギャグ漫画って芸人の漫才やコント風なものが多いのでは? 本来はギャグ漫画やお笑い、コメディ映画、などは笑いの表現が、それぞれ相互の影響がありつつも違う表現形式のものなのだと思うけど、『かばやし』とか、『権力の犬、ポリスワン!』とか、漫才やコントっぽくなりすぎてないだろうか。 『新ダイナマ伊藤!』はどうやらゲッサンの『権力の犬 ポリスワン!』よりは面白いようだけど、設定の緩さに発想の緩さが助けられてるのかも知れない。 

『路上力』は既に路上観察ってよりもホームレスの生活の知恵を書いてるだけに思える。 『今日のあすかショー』は全部下ネタで通すのかなあ? このエッチの緩さはいわゆるオタ向け雑誌じゃないから成立してるようなもんだよなあ。 『ミル』は順調に面白い。 もうちょっとミルの猫状態を見たいってのはあるけども。 ミルの顔って、キャラ表を見て描いてるのかってくらいどのコマの顔の描き方も似てるんだけど、でもハンコで押したような単調な表情には見えないのが不思議。 あと、こういう味わいのある漫画はコミックリュウでも読みたかったりして。

『Dの魔王』は、悪くはないんだけど、主人公が有能なスパイにはまるで見えないって事と、何かで学んだスパイの知識をただなぞって作劇してるだけに思えるような展開なのが引っかかる。 原作物だからかだろうか。 最初の数ページは面白かったけど、最終的には次回の展開にあまり興味が持てなくなった。 『ピペドン』はヒロイン?の二重の裏側が分かって面白くなってきたけど相変わらず下品で苦手だった。


ゲッサンは、自分の中ではサンデーとコロコロの中間+時々スピリッツ、みたいな印象なんだけど、月スピを読むことでゲッサンの立ち位置が自分の中で分かりやすくなって良い感じ。 やっぱり他の雑誌も平行して読んだ方が、それらの雑誌自体について考えやすいと思った。 しかも同じ出版社の別雑誌を読むのがいいかも。 ゲッサンの連載作品に足りないのはおそらくケレンなんだけど、そういうケレン味溢れる少年漫画をゲッサンは目指してないのかも知れないなあ。 藤子不二雄(二人とも)ならどんな漫画をゲッサンで連載するだろうか、とか意味のないことを思った。

改めて月刊スピリッツ創刊号を読む。(2009年10月号)

月スピ創刊号の感想は、一年くらい前に、
大まかに書いたものを記事にしてて、

月刊スピリッツ買ってきた。
http://loa-fer.blogspot.com/2009/08/blog-post_30.html

いまさら改めて書くのはって感じが凄くするけど、部屋を圧迫している雑誌を心残りなく片付けるためにも、今回はゲッサンみたいに全作品の感想はしないけど、前よりももう少しだけ突っ込んで書いてみようと思う。

そもそも月スピは、北崎拓の『逆襲のオレ×ヨメ』が連載されると知って、クピドシリーズが好きだったのもあったし軽い気持ちで購入したんだけども、現在その連載が終わった後もなんとなしに購入を続けてしまっている。 最新号の2010年6月号はまだ買うか決めてないけども、この創刊号に載っている漫画はほとんどが面白いし買って損はなかったと言える。 『Rolly婚』、『新ダイナマ伊藤!』、『そんなんだからおまえらは。』、『路上力』(エッセイ)、『ピペドン』以外はだいたい全部面白かった。

『新ダイナマ伊藤!』の作者はゲッサンで『権力の犬 ポリスワン!』も連載してたけど、それと同じような、取材したり資料を用意せずに自分の想像と思いつきだけで描いたようなゆるい漫画で残念な感じだった。 『そんなんだから~』はオタクや腐女子の一般的?なイメージを説明的に描いたような漫画にしか思えなかったし、『ピペドン』はつまらないんじゃなくて、下品過ぎて自分にはダメだった。 『路上力』はタイトルが老人力に似てる事からも分かるように、赤瀬川原平(達)のやっていた路上観察やトマソンの縮小再生産のようなエッセイだ。 ただ赤瀬川のようなとぼけた味わいのある文章というわけでもなく面白味に欠けるかなあ。

特に面白かった作品として、またタイトルの羅列になってしまうけども『古代ローマ格闘暗獄譚 SIN』、『逆襲のオレ×ヨメ』、『summer seminar』、『今日のあすかショー』、『淀川ベルトコンベア・ガール』、『ミル』が凄く良くて、『死神のわけまえ』も良いんだけど、全然出てこない成人した弟の扱い方が、最初はヒロインの孤独が感じられる演出として良いと思えたんだけど、終わりまで読むと、結局ヒロインと死神のカップリングを押し進めるために都合良く排除されてただけのようにも思えたのが自分には引っかかってしまった。 でもこの作者の次回作を読みたくなるクオリティはあった。 あと、双子が片方が行動してる間に片方が眠っている設定はゲームっぽいと思った。 『SIN』は、この漫画の前作らしい『ヴィルトゥス』が気になって仕方ない。 『淀川』はタイトル以外は全部面白い。 村上かつらはちょっとした人間の齟齬を描かせるとほんと上手いなあ。 『ミル』も、絵がちょっと固い感じだったり、おかずの描き分けがいまいちなんだけども、ミルが、猫の時も人間の時も妙に可愛いし、おかしみと悲しみのバランスが良い感じ。 ただ、主人公の青年のギャグ漫画的なリアクション表現は静かな空気っぽい作中で浮いてるように思えたけど、1話以降は悲しみ要素が減ってギャグ要素が増えるのかな? 『逆襲のオレ×ヨメ』は面白いんだけど、メカの造形があざといなあと思った。 さくらんぼシンドロームのクライマックスでも島谷部長が妙にマッドサイエンティスト化してたり、れなが縛られてた手術台や縛られ方が変だったりして、どうなっちゃったの?とか思ったけども、多分どうもなってないんだろうな。 『Dの魔王』は、スパイ物のようなんだけど、いきなりバレて捕まるからビックリした。 取り調べなどの密室劇を描くのかな?

月スピは、それぞれの連載作品の最後のページの次にその漫画の次号予告が載ってるのがちょっと面白い。

2010年5月16日日曜日

oeditで任意のキーワードのある行をまとめて削除する。

タイトルのまんまだけど、特定のキーワードを連続でまとめて置換できるエディタは色々があるけど、キーワード単体ではなく、そのキーワードのある行全部を削除できるエディタがフリーソフトで無いかなと探していたら、oeditというエディタで出来たので、その事を書いた記事です。

指定した文字列が含まれている行(1文)を削除するに便利なものは無いですか?(人力検索はてな)
http://q.hatena.ne.jp/1112507323
oedit を使用した具体的手順ですが、
目的のファイルを oedit で開いて、置換機能を実行、
検索文字列 → .*指定したい文字列.*¥n
置換後の文字列 → (空欄)
とし、「正規表現」チェックボックスにチェックを入れ置換実行することで、目的のことが達成できます。

oeditでこの回答に書かれてある通りにやってみたら、作業が終わるまでに時間がかかってエディタが固まったような状態になるけどちゃんと出来た。 自分はブラウザがよく落ちることもあって、ブラウザの閲覧履歴やタブのリストをhtml化したものを使って、消失したURLを探したり調べ物をするんだけども、そんな時に、GoogleやYahooの検索URLがやたらあってうっとおしいので、そういうURLを削除してリストをスリム化、見やすくするためにこの行をまとめて消す機能はとてもありがたい。 ちなみに"*¥n"は改行の意味です。

2010年5月8日土曜日

料理の腕について。

よく自炊するわけでもなく
料理が上手くもない自分が言うのは
すごくおこがましいことではあるんだけど

料理って、剥いたり、切ったり
炒めたり、茹でたりっていうのは
何度もやってるとそれなりに上手くなる

けど、味付けは作り続けるだけでは
なかなか上手くはならないんだよなあ
それが不思議っていうか、謎なんだな

味って、色んな材料を混ぜて
調和するってことなわけだから
その調和が難しいんだろうな
味って簡単に変わるのに
簡単に美味しくはなんない
気を遣うとただの薄味になるし

見た目だけでは分からないってのも
味付けが上手くなりにくい原因なんだと思う
本を読んでも、それを読んで作った料理が
本に書いてあるものと同じ味付けになってるかは
分からないんだもの

親とか、上手い知り合いなどに
直接教わったりするのが早道なのかなあ

2010年5月4日火曜日

ゲッサン12号(2010年05月号)

  • 『妹先生 渚』 (1話)もめ事の解決方法が古風だけど、一種のオールド漫画ファンタジーとして読めばよいのだろうか。 シリアスな描写は気恥ずかしいけどこれからもこんな感じのノリなのかな。 2話目は再来月号に載るとのこと。 村枝賢一って何か読んだことがあると思うんだけどなんだっけかな。
  • 『とある飛空士への追憶』 (8話)山とか海とか林とか、ちょっとした風景に魅力がないのだよなあ。 風景の描き込みに執着心を感じないというか。 新人の連載で大変なのかも知れないけども。 最期のコマなどのちょっとデザインチックで上手い背景などは、本人が描いたのかアシスタントが描いたのかどっちなんだろう。
  • 『ここが噂のエル・パラシオ』 (12話)他団体に殴り込みをかけて抗争勃発か?っていう話。 今回は桜花にフォーカスを当ててプロレスメインに話が進んでいた。 やたらキャラがデフォルメで描かれるようになったり、そうでなくてもなんとなしにキャラの表情がいつもより豊かな感じがした。 いつもはもっとカッチリ固い感じっていうか。 今回のはこの作品の今までの連載の中では悪くはなかったように思う。
  • 『マコトの王者』 (12話)天堂の財産を使わずに一から復帰を目指すマコトと、大地の家族を蔑ろにしてマイペースで試合に臨もうとするマコトの話。 マコトが天堂のフィアンセにキスされて腰砕けになる描写が今までにない描き方で、少し面食らったけど、フィアンセが鬼の形相をした絵を見て、忍びの国のような現代が舞台じゃない漫画を描いたらどんな感じなのかなとか思ったりした。 恩田会長や坪原会長が人情的に良い味を出していた。
  • 『QあんどA』 (12話)前回初登場した女の子が遊歩の部屋に来ると、ベッドで庵堂弟が寝ていて2人が付き合っていると誤解する話。 今回も楽屋落ち的なネタが多かったけど、「女の子は驚かすだけなんですね。 男は何の怨みも理由もなく手当たり次第殺すのに…」という台詞はあだちがファンか雑誌の編集など誰かに言われた言葉なのかなあ。 これは庵堂弟の遊歩の兄の小説を読んだ感想なんだけど、lそこだけが妙に生々しい感じの台詞だった。 前に何かのインタビューで言ってたっけかな? QあんどAは、あだち充のその時々の気分をリアルタイムに出している漫画なのだろうか。
  • 『まねこい』 (23、24話)ハルが積極的にホンチーに対して行動していこうとする話。 なのだけど、ハルが積極的に何をしたいのかが分からなかった。 クラブの部長に対して対抗してはいるけど、やってることに中身がないっていう感じ。 ハルの気づいたホンチーの表情の翳りの理由は何か?って所で次号に続くに。 猫太郎達は依頼者の願いをかなえないとまねきワールドへ帰れないので、ハルとホンチーと奈波は三角関係だから猫太郎とリアのどちらかの願いが叶うと片方が帰れなくなるっていうシビアな話が出てきたけど、この設定だと恋愛成就で呼び出されたら帰れない確立が高くて恋愛で呼ばれたくないんじゃないだろうか。 そもそも猫太郎は得意分野関係なく呼び出されているし、ハイリスク過ぎるのでは。
  • 『よしとおさま!』 (12話)犬飼グループとサビ丸の身柄をか賭けて、義妹とよしとおがゲームで競うのだけど、ゲームやる前によしとおがキッパリいらないと言えば済む話だったのでは。 あと、犬飼の遺産を狙う刺客の前で堂々と妹に遺産の話をさせておくサビ丸に違和感を感じた。 しかも刺客側も妹がいるならよしとおだけ狙っても意味ないし、子供で女だからいつでも取り込める、で片付けるのは簡単すぎるって思うし。 作中の妹の扱い方とか設定がかなり粗いように思えた。 伏線があったにしては破綻しているような。
  • 『忍びの国』 (12話)信雄達が攻めようとしている間に伊賀勢の下人の半分は逃げてしまっていて、それに上の忍がやっと気づいた、という話。 天膳をやたら持ち上げてたのが気になったなあ。 現状伊賀から逃げているし、お国が殺されでもしないと無門は参戦しなさそうな気配。
  • 『ハレルヤオーバードライブ!』 (11話)小雨の歌の才能を冬夜が知る話。 話数が出る見開きのページがちょっとこれ見よがしで、読んでいて恥ずかしかったし、歌ってる時の小雨の内面の葛藤に説得力も感じなかったけのだけれども、それなりに面白かった。 主人公の小雨は本当に悩んでるようには見えないのだよな。 それは登場人物全体にも言えるけど。 あと、いつのまにか、ハルの顔の表情がハンコっぽく単調ではなくなってるなあと思った。 
  • 『Waltz』 (7話)長髪が生きてたのもチクタクの計算のウチだったとは! てっきりターゲットの死んだ確認もしないまぬけな集団だと思ってしまった。 でも4話の長髪が犬に喉笛?を噛み切られた時、チクタクのリーダーみたいな女は懐中時計を一度閉じたし、最初はそこで死亡のつもりで作劇してて、長髪が生きてたり生きてたのをチクタク側も知ってたりっていうのは後付けなんじゃないかって気もしなくはないんだけど。 前回岩西に見捨てられた蝉が、今回、文句を言いに事務所へ戻ってきた所で終わったけど、蝉は西崎に対して嫌いだとか言い過ぎると思う。 好き嫌いの話じゃないだろうと。 あと殺し屋なのに寸止めで話を聞いてるのには、ありがちな展開なのは分かるけどどうかと思った。
  • 『ぼくらのカプトン』 (4~6話)4、5話が面白かった。 モテてると思いきや実は告白して振られただけだったっていうひねりのある4話や、それに続く5話の落ちは良かった。 でも6話の主将の逸話は話が飛躍し過ぎて良くないと思った。
  • 『アサギロ』 (12話)今回も山南の内面の独白は気持ち良いし、井上源三郎も解説役として良い感じだった。 話の筋は、山南に天然心理流の道場を乗っ取られた後、山南の北辰一刀流を学びに門下生が集まり出した所へ天然心理流の大先生と島崎勝太が帰ってきて、山南と、勝太改め近藤勇が試合を始める所で終わるのだけど、沖田のいらだちや勝太への過小評価、勝太を待ちながら緊張する山南、など滅茶苦茶盛り上がって面白かった。
  • 『いつかお前とジルバを』 (19、20話)猫耳の変わった女の子再登場の2編。 1つめの方はオチがいまいちと思った。 ジルバが飼い猫になるエピソードとかも読みたいかも。
  • 『ガールズトーク』 (読切)話はほんとに誰でも思いつくようなものなのだけど、女子高生が可愛かった。 だから、これは漫画家が今時の女の子も可愛く描けますよという一種のプレゼンのような短編なのかなとか思った。
  • 『アオイホノオ』 (24話)ホノオが脳内で葛藤して出た結論や、トンコさんのノリと隣の男友達のギャップが面白かった。 山賀はいつも同じことしか言わないキャラになってるな。 島本和彦ってもしかして山賀の思い出がないんじゃないだろうか。

    あと漫画自体とは関係ないけど初期のウォークマンが出てきたのが懐かしかった。 オレンジ色の耳当てのを幼なじみの女の人が持ってて聴かせてもらったっけなあ。 ちなみに自分が持っていたウォークマンを調べたらWM-30だった。 当時これを買う時には既に型が古くなっていたのだけど、デザインが好きで、あと値段も安かったので選んだのだった。 今でも持っていて大好きだ。
  • 『月の蛇』 (12話)飛虎と虎殺しの武松の対決回。 これまでも何度か書いたけど、所々気合いの入ってない絵のコマやコミカルな表現が入っていて、話として盛り上がるはずなのに、所々で盛り上がりかけた気持ちが削がれてしまった。 アップ以外の、翠華の飛虎を見つめる表情が流して描いてるように感じられるのがあった。 コミックスで見るとどうかは知らないけど雑誌の大判で見たら緩い絵は本当に緩く見えるので、盛り上がってるだけにほんと勿体ない。 時間が足りなくてアップアップしてるのだろうか。
  • 『ザ・ビーチスターズ!!』 (12話(最終話))これまでの続編の匂いを醸してるとはいえ、俺たちの戦いはこれからだ、的な、途中で終わることをせずに単行本2巻で完結させるって凄くないかな。 かなり盛り上がったけど、でもやっぱもう数話欲しかった。 試合や因縁に余韻も何もないんだもの。 BJ魂で連載してた漫画はいまいちだと思ったけど、この作品はなんだかんだで面白かったのでこの漫画家はゲッサンでまた連載しないかなあ。
  • 『がんばれ貧血先生』 (読切)先月号に読み切りを描いた新人の短編。 熱血にするための処置のいい加減さや、「別に近づいてないだろ?」はくだらなくて面白かったけど、それ以外はいまいちだったかなあ。 脇役の生徒が本当に月並みなリアクションをするだけの脇役になっていて、コマがなんかもったいない気がした。
  • 『イボンヌと遊ぼう!』 (13話)イボンヌ先生が持ってる絆創膏を、他の人に使いすぎて自分が怪我した時に使えなくなってしまう話。 オチが弱いけどギャグ漫画じゃなくほのぼの漫画としてはまあまあ悪くはなかったと思う。 相変わらず学校でアルパカの飼育とか、おかしみ要素のセンスが面白いと思えずよく分からなかったけども。
  • 『リンドバーグ』 (12話)大会当日の飛ぶ瞬間までのエピソード。 ニットはシャークにあんな簡単に懐いてて良いのだろうか。 葛藤がないというか、回りに対する感情的な反発が一瞬でしかないのだよな。 所々いつになく背景とか白っぽいコマとかが散見されたけどもモブが多くて時間が足りなかったのかな。 ニットとロメロの視線が交差してないのが気になった。 ティルダは可愛いけど、今回は手癖でザッと描いてるのかデザインがちょっと緩い感じだった。 内容はありがちな展開だけど普通に面白かったと思う。 背景とか、見開きの大ページなど風景が生き生きしてるなあ。
  • 『タイムメール』 (12話(最終話))最後の話は、狂言回しをしていた無量小路裕子の物語だった。 まあ予想通り。 最終回だけに、今までの登場人物が話しに絡んできていてそれが面白かった。 面白かったんだけど、今までの登場人物の名前を良く覚えていないので、よく分からない人も結構いた。 で、小路裕子の乗った旅客機が事故を免れるまでは切迫していて面白かったんだけど、その後のオチとか、再登場した人達を投げっぱなしにしたりとか、特に教祖になった主婦へのテロリスト疑惑とか、が投げっぱなしにされたのが凄く物足りなかった。 この最後のエピソードをもう少し膨らまして書籍化したりしないのだろうか。 この連続短編小説はいまいちな話もあったけど、漫画の中に短編小説が混じってる雑誌形態はこれからも続けて欲しいと思った。
  • 『楽神王』 (12話)兄弟対決の中で、オルケストラを自分の力で諫めつつ、弟の、兄へのコンプレックスや自分の性格が招いた疎外感を見せるのは良いんだけど、受けて立つ兄が緊迫した状況で脳天気すぎるって言うか幼稚にしか見えないのが兄弟対決をとてもつまらないものにしてると思う。 自分的にかなり盛り下がった感じ。
  • 『神サマのオーダー』 (読切)喧嘩してる恋人の仲裁を天使がするっていう話だけど、設定として無くしたものと探した場所が本当にそれでいいのか疑問だなあ。 短編だからか分からないけど、どうってことのない話をどうってことのない漫画として読まされたような読後感。
  • 『No.1海堂』 (10話(最終話))最後は恋愛パワーで勝った、みたいな話。 結局主人公は騒がしいばかりで最後まで魅力なかったなあ。 そもそもヤマンバのギャル男みたいな主人公って、今時受けるのだろうか。 この漫画家は、連載前の読み切りもいまいちだったし、この連載もトータルでいまいちだったし、次に連載があるとしてもちょっと自分には期待できないなあ。
  • 『信長協奏曲』 (12話)今回の話は、史実に合わせるために無理に物語を作ったような違和感があった。 信長のひらめきが史実にそって説明的すぎるって言うか。 それと、信長が農民の子供を兵士として集めていたけど、死ぬリスクが高い兵士にするのに躊躇がないのが、現代人がやってきた設定にしては引っかかるなあ。 美濃を奪るっていう発言にしても、戦を安易に考えてるって言うか、人の生き死にが漫画の中で省略してるせいもあってか薄っぺらいなと思う。 ちょっと今回の信長はキャラクターとして安っぽかったなあ。 これを契機につまらなくなっていったりして。


今号でゲッサンが創刊されて1年、12冊。 なんとか予定通り?1年購読できたけど、これからどうしようかなあ。 これが300円台の雑誌なら迷わず購読継続になるんだけど、まあこの厚さで500円は安い方と思うけど、連載漫画的に引きの強い連載があるかというと、そんなにないっていうか。

アサギロ、マコトの王者、まねこい、は読み続けたいけど、アオイホノオはコミックスを買うか立ち読みできれば良いかって感じだし、それなりに面白い漫画はあるんだけど、読んでいて切実にそれを読み続けたいと感じさせる作品がないって言うか、相変わらずほとんどが粒が小さい作品ばかりなのだよなあ。

まあでも、そう言う物足りないって感覚は、基本的には自分がゲッサンの想定読者層とかなり離れてるからだと思うようにしてるし、自分がいまいちでも小学生から高校生くらいの層が面白いと思うのならそれで良いと思ってる。 実際にそう言う層にゲッサンが受けてるかは知らないのだけど。

そういえば次号予告の武論尊原作の漫画家って、『ヤニ少女、月夜を翔る』の漫画家なのだな。 絵が白っぽくなかったので気づかなかった。

今月号も「ゲッサンしてみる。」の扉絵が無くて、「ちょっと腹ごしらえ。」のコーナーもなかった。 まさか漫画家レシピのコーナーは1回で終了してしまったのだろうか。 2回目を期待したい。