2011年9月19日月曜日

ゲッサン24号(2011年05月号)

  • 『鉄楽レトラ』 (1話)かつて、自分の未熟さを受け入れられずにクラブ仲間を傷つけ、回りと上手く行かなくなった事から地元から離れた高校へ進学することにした少年が、かつて偶然した自分の行為によって、一人の女の子を勇気づけていた、という事を知る話。

    新連載。 正直、1ページ目の女性用の、ヒールのような靴を履く少年を見て、女性受け狙いの漫画か?などと嫌な感じを抱いていたけど、少年と少女の心の機微が丁寧に描かれていて面白かった。 ただ主人公以外の少年がやたら可愛らしく描かれていたのや、絵のとがったような特徴のある耳の形は気になった。 女の子も、ヒロイン?よりは脇役の子の方が可愛らしいのだよな。 演出上の狙いなのか作者の好みなのかどうなんだろう。 あと、終わり際の少年のモノローグだけ「ですます」調だったのが気取った感じでちょっと苦手だったな。 

    今回は新連載で67ページあったけど、通常のページ数になったらどうなっていくのだろうか。 1話目は面白かったので気になる。

  • 『QあんどA』 (24話)遊歩の兄の受賞後第一作目が売れているのだけど、それは庵堂兄と遊歩の努力した結果だった、という話。  遊歩の兄に付いている美人編集者の芦川が誰か既存の登場人物の身内みたいな展開になるのだろうか。 芦川って姓の人物は他にいたかな。 ところで、今回はいつもよりセリフのないコマが少なかった気がする。 そのせいか読んでいて感じる間のリズムがいつもと違った。

  • 『リンドバーグ』 (24話)エスペランサへ向かう前に、シャークが自分の預けていたリンドバーグを10年振りに引き取りに行くと、その預けた恩人は既に死んでいて、シャークのリンドバーグは野生化していた、という話。  

    シャークが自分のリンドバーグである凶暴なジャンゴと関係を回復しようとしてる最中に、前回とは別の黒薔薇七銃士隊が攻撃を仕掛けようとしていたり、トペトロの口からシャークの過去が語られ始めたりと、良い感じで話が重層的に展開されて面白い。

    でも、野生のリンドバーグの巣のような山にシャーク達が来ているのに、いまいち野生のリンドバーグの怖さや危険性が伝わってこなくて、檻がないのにまるで動物園の通路を通ってるような変な感じがした。 それはジャンゴ以外、脅すだけで襲いかかってこないからだけど、ボスが命令するまでは動かないみたいな習性ってことになっているのだろうか。

  • 『Waltz』 (19話)首折り男に扮した苺原が、蝉に今回の首折り男殺害依頼の不自然さを語り、蝉が岩西に連絡して、その話やフロイライン絡みの病院での術後の経過を聞き、それを依頼主に聞かれた岩西がピンチに陥る、という話。  

    岩西と依頼主がやり合ってる最中に蝉から電話がかかってきて中断させ、電話で蝉が人殺しと殺し屋の違いについて語り、蝉が自分は殺し屋だと宣言したのに対してそれを聞いた依頼主が自分は人殺しだと語る、この構成が凄く良い。 相変わらずここぞという時の展開が上手いなあ。  

    あと、依頼主は自らが語る「愛」は人殺しと同質のものだと言うのだけど、登場人物達の色んなセリフが異常性を記号的に表現したりハッタリだけで言わせてるんじゃなくて、そこには歪んでいてもちゃんと理屈があって言ってるんだって言うのも面白い。

  • 『BULLET ARMORS』(11話)イオンと謎のブリーダーとの戦いの続き。 ベイカー達が増援をしに行ってる間、イオンは謎の男からの誘いやバレットを渡すことを断り、その男に一方的に攻撃を仕掛けるのだった、という話。  展開としては面白かったし、作者もノって描いてる感じがして読んでいて楽しい。

    けど、この作品内のブリーダーの攻撃力や物事の危険度の基準がやっぱりよく分からなくて、バトルのハラハラ感というか、面白さを削いでると思う。 たとえば、イオンはバレットを装着した手で謎の男の体を殴りまくってるけど、その男は生身であるはずなのに、避けずに大したダメージを負ってない事や、高い場所からセレナが落とされて受身を取れずに地面に叩き付けられた事にも違和感がある。

    攻撃をある程度避けるとか落ちた場所に偶然クッション代わりになる何かがあるとか、そういう疑問を打ち消したり大目に見られるようなしかけやリアリティが欲しかったなあ。 そういうのがないと登場人物が何らかの攻撃で死ぬかも知れないというシチュエーションが来た時に説得力が欠けると思うから。 

    あと、イオンがセレナを連れて逃げようとしている時に、街の崩壊に気を留めてないように見えるのも気になった。 この街にベイカー以外の人間がいたかは分からないけど、どっちにしろイオン自身はベイカーを敵だとは思ってないし、5話でブリーダーからベイカー達を助けているので、こういう所にも、何か他人を気にかけてられない精神状態になってるかのようなセリフなり何なりが欲しかった。

  • 『ぼくらのカプトン』 (40~42話)4月の新入生のシーズンに、サッカー部にも入部希望の後輩が入って来てゴタゴタするという話。  新入生が絡まれたり騒ぎを起こしたり部活物でありがちな展開だったけど、この作品でよくやる男の妄想話よりは話がしっかりしていて面白かった。 しかし40話に出てきた新入生は本当にあれで部活を辞めて41話のネタ振りになっただけなのか、今後出てくるのか、40話のオチが弱かったので気になった。

  • 『ハレルヤオーバードライブ!』 (23話)金属理化学研究部の小雨やハル達などの成績の悪い部員が、賢い部員に勉強を教わる話。  今回でハルが小雨への気持ちを恋心とは意識せずに自覚し出したわけだけれども、2人がくっつくか離れるかというのがいまいち興味が持てないというか、2人の心の機微が恋愛要素として読んでいて物足りない感じ。

    今月号付録のブックカバーの絵を見て思ったけど、この漫画家は本来萌えキャラを描く人なんだなあ。 作品内でも正面顔のアップはコッテリした絵柄だ。

  • 『アオイホノオ』 (28話)ホノオが矢野健太郎から会誌を買わされつつ、庵野達は武田から岡田斗司夫の話を聞かされる、という話。  今回は久しぶりにホノオにうっとうしい感じがしなかった。 庵野絡みのエピソードは相変わらず山賀の場違い感が面白かったけど、岡田の人間性を説明する言葉として「どうかしている」って言葉は何度も使ってるわりに語感として弱いしいまいち面白みがないなと思った。

  • 『バレてるよ!ジャンボリーヌ』 (12話)城ノ内家が食卓で一家団欒しつつ、城ノ内の母親の性格や母や父の家族内での地位が分かる話。  色々詰め込んでるわりには話がほとんど進んでないし、進まなさが面白さになっていないので、もっと会話を削って間を作っても良いんじゃないだろうか。 間が全然なかった。

  • 『FULL SWING』 (12話)就職活動をしている青年が、ネットカフェから人が追い出される場面に偶然出くわし、その追い出されたお金もなく身元も不明の人間を、気まぐれに自分の部屋に泊めたら、その子は女の子で韓国からわけあって来日した子だった、という話。

    終わり際に女の子がタレントだったことが明かされる事で、カツラを被って男に変装してた理由がこういう所にもあったのかなという意外性があったのはささやかだけど面白かった。 女の子が身の危険を守るために男装しているという理由だけなら予想の範囲内だったし、そこからもう一ひねりあったって感じがして。 でも、女の子のストレスをラグビーの体当たりをさせる事で憂さ晴らしさせたり女の子を肩車したりなどが、ちょっと今の時代とは合ってない行動かなあ。 あと、今回の構成はあまりエピソードを詰め込みすぎず話を急ぎすぎずで読みやすかった。

  • 『まねこい』 (47、48話)海老蔵似の輩から逃げてきたホンチーをハルが何とか守った、という話。  今回は2話ともほとんど3人しか出てこないで展開されたにもかかわらず、主人公は心の中で独白を続けるばかりで全然話が進まないし読んでいてだれてしまった。 ハルの独白が多すぎて、他の2人の緊張感やそれぞれの心の機微が描かれなかったし、終わりも放り投げたままみたいに終わってしまって、これなら不良に危険な目に遭うエピソードはない方がよかったのではと思えた。

    今回の事件を機に、ハルが成長したとも思えないし、研究会が食べ物に釣られた事や、引率の先生も責任果たせてないし。 山崎が殴られた事も曖昧なままだし。 まあ、ハルが大して活躍しないから見ていてカタルシスもないし、ハルの独白が読んでいて面白くなかったって事が面白さのない根本的な理由なのかも知れない。

  • 『よしとおさま!』 (24話)よしとおを襲うサビ丸の師匠には、サビ丸の里を滅ぼした時と同じ仲間がいて、彼らもよしとおを暗殺しようとしていたのだった、という話。  サビ丸の師匠の仲間が3人初登場したけど、だらしない感じの男に女装男子にスーツのあご髭男といった、みんな作者の趣味全開って感じの登場人物達だった。

    今回は、サビ丸中心に話が進んでよしとおは完全に蚊帳の外だったけど、どうせ、またここぞという時に、よしとおがサビ丸を褒めたり擁護する発言をして、サビ丸が感動したりパワーアップしたりするのではないだろうか。次回は新キャラ3人とサビ丸側とのバトルになりそうだけど、面白くなりそうな気がしないなあ。

  • 『みてくれ重視』 (読切)とある青年が、美形な友人とくだらない競い合いをする話。  久しぶりの瀬戸ミクモの短編読み切りで、テンポ良く読めてオチ以外はまあまあ楽しめた。 気になったのは、オチで主人公に鼻血が出てるにしては相手の女性にセクシーさが足りないし、鼻血自体もあっさりし過ぎて出てるのが分かりづらい所。 イケメンの友人に優しく接する女性達と主人公が最後に相手してもらえる、一応セクシーな大人の女性という女性の差を絵的にもっとつけないと、最後の主人公の「こっちの方がレベルェ!!!」って言葉にも説得力が出ないと思うし。 ところで、ミクモは小川麻衣子と坂ノ睦のアシスタントをしていたとのことだけど、新人漫画家に新人のアシをつけるのはよくある事なのだろうかしら。

  • 『アサギロ』 (24話)江戸幕府がアメリカと通商条約を結んだ頃、武者修行の後に江戸へ戻ってきた永倉新八と市川宇八郎は、条約の影響による物価高騰のせいで遊郭の金が払えず雑用をするはめになり、そこで近藤勇と出会うのであった、という話。

    開国を求める異人が土足で城内に上がってくる異様さや、異人の異物感が凄く出ていて良かった。 不遜な人物を不快に描くのが上手い。 巨大な異国の船と武士の刀を比較して見みせるのも、力の差が分かりやすくて良かった。 ただ今回の話は、史実の説明に多くを割いていて話自体に特に面白みはなかったかな。 そういえば新八が好色になっていた。

  • 『ここが噂のエル・パラシオ』 (24話)元気を取り戻したように見える桜花だったが、陽向はいつもと少し違う明るさに違和感を感じ、その原因が忠輔にあると確信するのだった、という話。

    ここで思いだしたかのように陽向の恋愛目線がまた出てきたなと思ったら、陽向は自分の恋愛事情は横に置いて、桜花の心境の変化が何なのか観察して原因を探っただけだった。 陽向は前に桜花に対して恋愛のライバルとしても勝てるように頑張ると前向きになっていたので、またこれで思い悩むのなら前のくり返しになるように思う。 あと、桜花の裸姿が、いつもよりは柔らかい感じに描かれていて色気があったのが良かった。

  • 『いつかおまえとジルバを』 (33話)NPOの女性達に保護され、ワゴンで連れて行かれた猫達を救おうとした時の事故で記憶喪失になったジルバは、速攻記憶を取り戻したのだった、という話。  記憶喪失から回復へ至るまでの盛り上がりもなく簡単に記憶が戻るなんて、何のための記憶喪失だったのか、単に普通の猫になったジルバを描いてみた以上の意味がなさげエピソードだった。 これで次回に続けられても連れ去られた猫達も困ってないし興味が持続しないな。

  • 『月の蛇』 (24話)青磁が李逵の足止めをしてる間に、誘拐された翠華は処刑されようとしていた、という話。  今回は飛虎は出ずに、青磁が李逵を古井戸に落とし、翠華は梁山泊になった扈三娘に助けられるシーンが描かれるのだけど、いつになくゆるいタッチの絵や、麗に描いただけのような表情が散見されて、絵的にはいまいちだった。 今までと違い、人物の目に墨を入れてないものが多かったけど、絵を少し変えたのか時間が足りなかったのか何なのだろう。

  • 『イボンヌと遊ぼう!』 (24話)教室を出ようとしたイボンヌの元へ動物園から脱走してきた子パンダが現れ、2人で芸を競い合ったり遊んだりする話。  今回もセリフはほとんどなく展開されていた。 パンダの頭がぬいぐるみ被ってるように見えたりあまり可愛くなかったけど、イボンヌがかぼちゃパンツにニーソックスを履いてるのが妙に可愛らしかった。

  • 『第三世界の長井』 (22話)ラーメン星人が攻めてくる事を知って長井達が相変わらずややっこしい会話を続けているだけだった。 帽子の男は相変わらず相づち役。

  • 『マコトの王者』 (24話)天堂と大地の再試合が決まる前後に、天堂の中の大地マコトが自分の彼女の気持ちを確かめ、大地の中の天堂マコトは自分のフィアンセの、天堂を勝たせるためには手段を選ばない振る舞いを見て決別を宣言する、という話。  大地がカーコに昔の大地と今の大地のどっちが好きか聞くシーンがあったのが良かった。 中身が入れ替わった事の不安が今までほとんど描かれなかったのでやっとかという思いもあるけども。

  • 『信長協奏曲』 (24話)長政が信長を討つ事を決断し、信長に扮するサブロー達がその浅井が裏切った事をお市の伝言で知る、という話。  セリフやコマ割りがいつもより説明的だったかなあ。 相変わらずお市は妙に魅力があって良い。


『妹先生 渚』は今月号も休載。 健康的にも作品の展開的にも大丈夫なのかな。 西森博之の『いつか空から』も休載したままサンデーで新連載始めてしまったし。 雑誌連載で休載や不定期連載は好きじゃないのでこれ以上不定期連載を増やすのはやめて欲しいし、これらもどうにかして欲しいのだけれども。

巻末の「仕事場見たいし!」は小川麻衣子と坂ノ睦の2人がステーキを食べに行く話。 2人とも2度目の登場だとしても、仕事場や仕事と全然関係ないエピソードが展開されていて、しかもおもしろくはないという。 いつも思うけどもっと漫画家ならでわのエピソードは見つけられないのだろうか。

今回の号は、震災後に編集、出版されていたようで、漫画家や編集者の震災関連のコメントが幾つか掲載されていた。 半年経つのか。

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別冊付録 ゲッサン×フラワーズ
人気作ためし読みトレード

  • 『7SEEDS』 (1、2話)ナツが目を覚ますとなぜか海上の沈み行く船の中にいて、船にいた4人はなんとか救命ボートで無人島らしき島にたどり着いたのだった、という話。  少女漫画ということで少し身構えていたけど面白かった。 何より話の導入からその後の島へ着いてからまで読みやすかったしだいたい分かりやすかった。

    ただ、サバイバル物としては海や草木など物語の舞台である自然の絵が簡略すぎと思うし、特に2話最後の洞窟の入り口に倒れてきたのが木だっていうのが分かりづらかったのが読んでいて気になったけど、でも、おそらく自然の描き込みが少ないのもこの漫画の読みやすさの理由ではあるのだろうなとは思う。 コマ運びも気持ちよいし、25ページや26ページ右のコマのモノローグや擬音をSの字にして、視線誘導で揺れてるように読ませるのとか、斬新なことをしてるわけではないのだろうけど上手いなあって思う。 絵だけじゃなくてコマの配置や擬音の入れ方から全部で揺れを読ませるのが良いなあ。

    この別冊は読者に向けてというのはもちろんあるんだろうけど、ゲッサンの新人に向けても教科書的な意味でチョイスされてるのではと穿った見方もしてしまった。 この作品は続きを読みたくなった。 ところで、24ページで、牡丹が風や波の音にかき消されながら言ったセリフは「3人足りない」じゃないだろうか。 遭難者が4人でタイトルに7があるだけに。

  • 『町でうわさの天狗の子』 (1話)天狗と人間との間に生まれた女の子が、父親から受け継いだ天狗の力で、人助けしたり、災難に巻き込まれる話。  面白くないわけでも登場人物達に魅力が無いわけでもないけど、1話だけ読んだ限りでは、天狗の父親が可哀想だったし、ヒロインの母親が感じ悪かったという印象の方が強く残ってしまった。

    もちろん、今後の展開を読めば、印象も変わったりする事もあるだろうけど、ヒロインの女の子に対して、父親に向かい合ってあげてーとか思ってしまった。 31ページで、ヒロインの、家族関係や友人や好きな子との距離感、その距離を感じてる理由や受験や山から離れてはいけない理由までたっぷり詰め込んであるけど、端折り方が上手いせいかさらっと読めて良かった。 今は絵柄も変わったかも知れないけれども、1話は絵柄がわりと淡泊だったな。

  • 『さんすくみ』 (1話)神社とお寺と教会の子供3人が繰り広げるドタバタ話。  なぜかはよく分からないけど、ビジネスジャンプに連載されていてもおかしくない気がした。 仕事場が舞台の話だからかな。 話自体は特に意外な展開もなくて物足りなかった。 男同士の関係性がクドくなかったのは良かった。 

  • 『坂道のアポロン』 (1話)ストレスで吐く癖のある転校生が、登校した初日に気分が悪くなり、気持ちを落ち着かせるために屋上へ行くと、学校をサボって寝ている生徒に出くわす、という話。  ボーイミーツボーイだな。 主人公の、隣の席の無線好きな生徒や不良の川渕達との、男同士の関係性の描き方が苦手だった。 1話しか読んでないけど同性愛要素があるから題名にアポロンって言葉が入っているのだろうか。 女性誌で描いてある分には別にかまわないけど、少年誌であるゲッサン向けの別冊になぜこの作品をチョイスしたかがかよくわからないなあ。


というわけで別冊付録全体の感想だけど、この号が発売された頃に売っていたフラワーズの方にも、ゲッサンの連載が載った別冊が付いてるらしいけど、どっちかというと、ゲッサンを読んでいる層がフラワーズを買ったり、フラワーズのコミックスを買う可能性の方が大きい気がした。 フラワーズの別冊に入ったゲッサンの漫画は、『信長協奏曲』『ジャンボリーヌ』『よしとおさま!』『イボンヌ』とのことで、正直『信長協奏曲』くらいしか受けないのではと思うから。 でもゲッサンのこの別冊が付いてる号は表紙が佐原ミズで新連載だから、半ば真面目にフラワーズの層をゲッサンに呼び込みたいのだろうな。 ところで、フラワーズの別冊には『Waltz』の粗筋等も掲載されてたようだけど、本当は『Waltz』を載せたかったけど人を殺しまくるのが内容的にNGだったので内容とキャラクター紹介のみになったのだろうか。

自分的にはいかにも女性誌連載的な(と勝手に自分では思っている)恋愛漫画や三角関係ものが読んでみたかったかも。 『7SEEDS』は面白かったし、『町でうわさの天狗の子』は名前だけ知ってて気にはなっていたから読めて良かった。

2011年8月30日火曜日

ゲッサン23号(2011年04月号)

  • 『QあんどA』 (23話)肝試しでの陣野の悪巧みは失敗し、安藤弟は崖から遊歩に助けられ、遊歩はアルバムで自分を本当に助けた人物が誰なのか知る、という話。  小さい頃、海で溺れた自分を助けたのは安藤兄だけじゃない、と遊歩が知る経緯をあっさり描いているけど、いつものあだちと違って独特のほんわかした暖かみみたいなものが無かったように思った。

  • 『ハレルヤオーバードライブ!』 (23話)ハルが、自分の大切な曲が奪われたいきさつを小雨に話し、小雨はその曲を奪い返す事を決意する、という話。  ハルの独白は良かったけど、小雨はまだそれを受けて立てる人物になれてないと思う。 主人公で音楽の才能があるって事で下駄履かされてるけど、それでもまだ受け止められる器がないように思えるのだよな。 ただ、ハルの曲を浅緋が奪ったというエピソードは思っていたよりちゃんと深刻な話に描かれていて、冬夜も知らずに兄に荷担してしまったとして上手く過去話に絡んでいたし、歌詞がハルの父への思いが込められていたものだったりとか、『希望』という曲のエピソード自体は良くできているなあと思た。 あと愛葉のセリフっていつもつまらないなと思った。

  • 『Waltz』 (18話)蝉が人殺しと殺し屋の違いを自覚しつつ、他方で殺し屋達を殺し回っていたのは首折り男に扮したチクタクの人間だった事が発覚する回。  いやあ苺原が殺してたと思ってたんで完全に騙されたな。 さすがに苺原は簡単に人を殺せる側の人間にはなれないか。

    で、岩西に首折り男を殺す依頼をしたのがコンビニの店長って話は記憶にないのでゲッサンのバックナンバーを漁ったら、3話目に出てきた話なのだな。 その時既に依頼者のコンビニの店長を岩西は怪しんでいたのだけど、さすがに1年半前のこの伏線は、何度も読み返していないし覚えていなかった。 それにしても過去の自分を思い出して恥ずかしがる蝉の頬を赤らめる描写はいらないと思った。

  • 『ここが噂のエル・パラシオ』 (23話)桜花がイズミと戦おうとしない理由は気持ちの問題だった、という話。  隠された因縁じゃなく心の問題かよ! と思ったらショー抜きの本気の喧嘩になってしまうから戦おうとしなかったというちょっとひねった落ちな所は良かった。 しかし何度も何度も書いているけど忠輔の記憶喪失はいつ解決するのだろうか。

  • 『ぼくらのカプトン』 (37話~39話)春休み前、春休み中、新学年、の時期の無駄話。  3話とも男の馬鹿っぽさを出そうとして失敗した感じ。 37話の太った男子生徒の胸を揉むのは気持ち悪いレベルになってるし、パンチラを目撃する39話は話が落ちてないし面白くもなかった。

  • 『FULL SWING』 (11話)名の知れない引っ越し屋に就職した女の子が自分の境遇を卑下し、そこから前向きに考え直す話。  青森=リンゴっていう安易さなどが所々あったけど、今回は話がそれなりに上手くまとまっていたと思う。 それぞれの場所で幸せに生きている人がいるって感じが出ているのが良かった。

  • 『まねこい』 (45、46話)砂浜で出会った怪しい4人組に歴史研究会の女の子達が連れ去られてしまう話。  4人組の威圧感や怖さが上手く出ていてハラハラさせる展開なのは面白かったけど、ハル達のピンチに猫太郎とリアが安易に都合良く使われて、何でもあり化してるように思えて残念。 トラブルは歴史研究会達の力だけで乗り越えて欲しかったなあ。

  • 『リンドバーグ』 (23話)プラモが突然大きな翼を生やして光り出すと、光を浴びたリンドバーグ達はなぜか闘争心を失い大人しくなり、ニット達は難を逃れるのだった、という話。  目のゴーグルみたいのもそうだし、今回プラモの体が光ったのも動物離れし過ぎて違和感がある。 今回ニットの父親らしき仮面の男が初登場。 光に弱いらしく、杖をついてシューという異音もたえず描かれていた事から、何らかの事故で記憶か人格に障害が起きているか機械化されて洗脳されてるのかなと予想。  エスペランサの拷問の結果だったりして。

  • 『よしとおさま!』 (23話)サビ丸が綿貫のお庭番である百舌と一緒に料理を作るような話。  百舌が珍しく表紙や若い頃のシーンで女っぽく描かれていたが作者がペン入れしたのだろうか。 特に表紙の体のラインはいつになく女性的だ。 よしとおを芯に話が作れないから回りを動かしてるって感じがしなくもない回ではあった。

  • 『バレてるよ!ジャンボリーヌ』 (10、11話)城ノ内とその父親の喧嘩に中嶋が巻き込まれる話と、雨で濡れた城ノ内は頭が重くなって這うことしかできなくなり、中嶋に助けを求める話。   10話は前半の城ノ内と父親のやり取りのセリフはそれなりに面白かったけど、それ以外は相変わらずいまいち。 11話は面白くはなかったけどひたすら地面を這ったり転がったりしてるだけなのがくだらな過ぎて嫌いではないなあ。 でもカラーページの単行本宣伝漫画の方がまだ面白いしのびのびしてたかも。

  • 『アオイホノオ』 (35話)コタツでトンコさんとしゃべりながら、大友克洋や高橋留美子をちょっとムキに批判したりする回。  その時代の漫画やアニメの動向を描くのに時間を割いてホノオ自身の物語がおざなりなままって感じ。 まあホノオが話の中心になっても現状では面白くならなそうではあるけど、それは、ゆでたまごを比喩に使ったりしてホノオの内面を説明してはしてるけれども、ホノオの空回りする情念や焦燥感がいまいち描き切れていなくて、そのことが主人公としての弱さになっているからではないかと思う。 テニスか何かの部活の練習などをやっていた頃はまだホノオの血肉を感じられた気がする。 あと、大コマや見開きで漫画家を腐すパターンはいい加減飽きてるし、腐す言葉が全然上手いこと言えてないから余計に面白く感じられない負の連鎖になっていると思う。

  • 『アサギロ』 (23話)視点が変わって永倉新八と市川宇八郎が中心になり、今回は永倉が浪人?を斬ったり女を買ったりする話。  2人の侍の性格の違いが出てて面白かった。 ネットで検索したら、実在の2人は親友同士だったらしい。

  • 『マコトの王者』 (23話) 天堂の中に入った大地マコトはジョーンズに判定で何とか勝って家族やファンに感謝をし、大地の中に入った天堂マコトは心を作ると称して、周りの人間から距離を置き傲慢に振る舞う、という話。  天堂は周りの人間に冷たく接して嫌われないと自分を厳しく追い込む事が出来ない性格な気がする。 やっと2人のマコトが再び戦うことになったわけだけど、いまいち話として盛り上がっていないような気がする。 自分がこの作品に飽きてきただけなのかな。

  • 『イボンヌと遊ぼう!』 (24話) マコ姉がマコとすれ違い続ける話。  前回と続けて、しかも安っぽくマコ姉が出てくるとは思わなかった。 マコ姉が卓球や生け花などをやるのだけれど、変な衣装も含めて面白さが分からなかった。 最終的にお涙頂的な終わり方になってたけど、過程が楽しめなかったのでその流れでマコの悲しい気持ちもピンと来なかった。

  • 『ドナー&レシピエント』 (読切)事故で肝臓移植を受けた小説家が、その肝臓の記憶を受け継いで、元の肝臓の持ち主の死の真相を調べたり願いを聞く話。  交通事故に遭って退院後数日で全力で走るのは、主人公が臓器移植手術をしたばかりである事や足にギプスをしている設定を無視し過ぎな展開だと思う。

    あと、殺された陸上選手の死亡をすぐ公表しなかったり、死体発見場所の公表が作中のメディアでされてないようなのは、マフィア絡みの事件だし陸上?協会がバレたら困る事があるから、というのは予想として分かるけど、じゃあ臓器はいつ移植したのかとか、死の公表よりも移植が先になってる事とか、時系列がハッキリしないので、選手の臓器が遺体発見当時に移植できる状態だったかみたいな部分が曖昧にされてるのも引っかかった。

    ひねった設定を作ったのならそれにリアリティを持たせる描写をもっと入れたらいいのにと思う。 あと、丸みを帯びた暖かい感じの絵柄で分かりづらくなっているけど、どこか人間が冷たい印象を感じた漫画だった。

  • 『オレとあいつの図書戦記』 (読切)図書館で青年と主婦が同じ本を奪い合う話。  この作品は設定に穴がありすぎると思う。 まずどうしても読みたければ借りれば良いのは落ちに使われなくともすぐ気づくし、普通図書館は朝の10時くらいから開館するけど、子連れの主婦が、朝から、青年がバイトの時間であるらしい昼の12時位まで毎日図書館に居るのはちょっと考えづらい。 青年のバイトの時間が日によってまちまちだとか、主婦が毎日図書館に通う理由が別にあるとか、そういう理由がないと設定に無理があるのでは。 あと、四角で囲んだ「諸君らに言っておく」や「戦争だ」などのナレーションは、別に無くても漫画が成立してるし余計だと思った。

  • 『第三世界の長井』 (21話)帽子の青年の正体が一応発覚する話。 でもそれが分かってもこの漫画の話が分かるようになるわけでもないのであった。

  • 『ハート ディスペンサー』 (読切)1人分買っても2つ飲料が出てしまう自販機を巡っての女の子同士の話。  故障した自販機の扱い方っていうか、自販機に対する妄想の仕方が面白かった。 510ページの風が吹いてる道を歩く女の子の後ろ姿とか独特の雰囲気が出てるし、絵はまだまだだけど所々味わいがあるって感じ。 ただ、セリフがこなれてないのか、なんかスムーズには読みづらかった。 言葉のチョイスなのかなあ。 次の作品にも期待が持てそうだけど、この作品は少年漫画なのか?といわれればよく分からない。

  • 『BULLET ARMORS』 (10話)前回現れた謎の男は、かつてあった人類と機械との戦争を再開させようとたくらむブリーダーで、セレナはその武装集団から逃げてきたのだった、という話。  やっとイオンがちゃんとセレナを助けて少年漫画っぽくなってきた。 ベタな展開ではあるけど、この作品で1話全体がちゃんと盛り上がったのは初めてかも知れない。 

    ブリーダーが壊し屋に嫌われているのは、ブリーダーが人類と機械との戦争で、機械の側に立って人間を攻撃したからのようだ。 もう期待していなかっただけに意外に面白くて良かったな。 あと、この謎の男の片腕のトレマは、バレットの片腕ではないようだ。

  • 『人間抑止力 獅子丸』 (読切)特に取り得の無いような少年に特殊な超能力がある事が発覚して、その少年が国家機関に連れて行かれてからの悲喜こもごもな話。  目新しさのない設定ををありがちに展開させたような漫画という印象。 この作者の前に掲載された短編と同じく、絵はこなれているんだけども、読んでいて新鮮味や興味を惹く引っかかりがないというか。

    なんていうか、登場人物達が、大した魅力も人気もないのに面白くて人気者であるかのように振る舞っているタレントを見ているような違和感を感じた。 面白い漫画風に描かれてるけど特に面白いわけでもない漫画って事になるのかな。 色々面白くしようとしたりちょっと良い話に持って行こうとしてるけど、演出も上手く行ってないと思う。 

    そもそもが、人間抑止力という能力が機密事項なら、国の人間が他の生徒達や教師にそれと分かるように少年を連れて行ったのはおかしいし、父親が少年を刺そうとしたのを母親がかばって死んだ事に対して、母親がかばった事以外の、少年の父親に対する愛憎が全く描かれないのも、少年の良心を描くなら避けるべきじゃなかったと思うし、母親が刺される夢を見てる時の少年の寝顔が笑顔なのも、前向きな少年という演出だとしても異常だと思う。 リアリティとユーモアの線引きが上手く行ってないのではないだろうか。

    たとえば、少年が国の人間にあっさり連れていかれていたけれども、その少年が今は一人暮らしなのか施設なのか、親代わりが居るのかとか、そういう背景が分からないまま平気で知らない所に連れてかれて気にしてないのがリアリティとして違和感を感じたし。 そういう、少年がモラルを語る時の説得力になる背景が足りてないかも知れない。

  • 『いつおまえとジルバを』 (32話)野良猫仲間が、野良猫の里親捜しをする連中に連れて行かれてしまう話。  今回は1話で完結してなくて次回へ続くのだけど、逃げ回ってるという、ボスになったマリーを絵で見たかったな。 次回はジルバが株を上げてやっぱりボスはジルバだ的な展開になるんだろうか。 なんとなくもうすぐ終わりそうな気がしてきたが、この作品の、人間の女性に恋する猫という設定は別にいらなかったよなと改めて思う。 

  • 『月の蛇』 (23話)翠華の許婚の妹は、かつて梁山泊と戦って死んだと思われていた人物で、その女は翠華を連れ去り、翠華を一足遅れて助けに来た飛虎と青磁の前には梁山泊の李逵が現れたのだった、という話。  李逵と飛虎が戦うと思っていたら、青磁が戦い飛虎が翠華を追いかける展開になってしまった。 翠華の村を潰した男なので青磁と因縁もあるから分からなくもないけど、青磁の方が翠華に早く追いつきそうな気がしたので。

  • 『信長協奏曲』 (23話)将軍義明が、信長に謀反を促すような密書を各地の大名へ送っているのをサブロー扮する信長が知ったり、サブローと初対面した松永久秀が、現代からタイムスリップして来たヤクザだというのが発覚したりする話。  信長の周辺で色んな思惑がひしめいてるな、というような内容だったけれども、今回のサブローはただの話の聞き役って感じだった。 普通の高校生だったサブローが戦国時代に来て、やがて戦で人を殺すようにもなるという部分を曖昧にしてきた事のツケが終盤に来そうな気もするけど大丈夫なのだろうか。


今月は『妹先生 渚』が休載していたけど、過去の人気作品の続き物ということが話を作りづらい理由になっているのだろうか。 人気作品のキャラクターを汚さないように出すのは難しいのかも知れない。

で、今月号は新人の読み切りが4作品載っていて、ルーキー掲示板のページには、「今月号はいつもよりページに余裕がある」と書いてあったけど、それは『妹先生 渚』の休載が早めに分かっていただけなのでは?と思った。 先月号の巻末コメントに、『渚』の漫画家が剣道部の取材先を探してる旨のコメントを書いていたけれども、取材が足りていないのも休載の多い理由なのだろうか。 というか1話目に剣道を描いているし、剣道の取材するのが遅すぎるような。

そういえば前まで何本も掲載されていた、新人の瀬戸ミクモの作品が最近載ってないなと思って少し検索したら、7月にカプトンの漫画家の所へ来たようななツィートがあったので、アシスタントをして漫画の修業を積んでいるのだろうか。

今回の「仕事場見たいし!」は『ぼくらのカプトン』のあずまよしお。 相変わらず漫画家の、漫画家としての背景を探るようなレポ漫画ではなかった。 そして、10号(2010年03月号)以来久々に「ちょっと腹ごしらえ。」のコーナーが掲載されていて、この第2回目は『よしとおさま!』の四位晴果が「ちっさいシフォンケーキ」のレシピを紹介していた。 細かい説明もあるかなりちゃんとしたレシピだった。 あとは、ゲッサン連載陣の出身地別データが小さく掲載されていた。

しかしこの号のあだち充の表紙はいいなあ。


ゲッサンの感想を書いてる内に、後から読むと訳が分からないからその回の大まかな粗筋も書くようにしたのだけれども、たいがいかなり雑にまとめているので、後で粗筋を読んでもよく分からなくて当初の目的を果たしてないなと思たりする。 でも粗筋をまとめた時にその粗筋から小さなエピソードが幾つも漏れてしまうのはちょっと好きだ。 粗筋も間違ってはいないけど、実際に作品を読むと全然印象が違いそうな感じが良い。 話の筋をちゃんと知りたい場合にはこういう雑な粗筋は不適切だろうけど、まとめ方で色んな粗筋になるのが面白い。

ゲッサン22号(2011年03月号)

  • 『ハレルヤオーバードライブ!』 (21話)小雨達のライブイベントの最後に冬夜の兄でありハル達の先輩である男が現れて1曲歌を歌い、その後その男がハルと喧嘩になったのを小雨達が止める、という話。  ずっと伏線を引っ張ってきた因縁の元部員が本格的に登場したけども、物語の重要な鍵である禁物なのに、全然魅力が感じられなくて、ただの脇役の小悪党って感じなのが残念だった。 その男がハルの曲を盗んでいた事が今回発覚したので、この盗んだ曲をどう扱うかが今後の軸の1つになっていくのだろうか。 この男とハルがいずれバンドを組む事になりそうな気もする。 相変わらず間や感情の機微を描くのが雑だなあと思った。

  • 『QあんどA』 (22話)色々あって夏祭りの話し合いで、安藤弟達の町内では肝試し大会をすることになった、という話。  遊歩が、昔、溺れた自分を助けたのが本当に安藤兄なのかさっそく疑問に感じ出していた。 今回の展開を読んでいて、お盆の話になっていきなり最終回になってもおかしくない気がした。

  • 『Waltz』 (17話)岩西が指の手術をしてもらう事になり蝉と別れ、蝉が岩西からの連絡をホテル待つ間、苺原は首折り男の真似をして殺人を繰り返していた、という話。  蝉が一人ホテルで待ってる間に岩西のことを色々考えてるのが読んでいて気持ちよくなかった。 あと苺原はいくら恩人の身代わりとはいえ、殺人者になるのは安易過ぎないだろか。

  • 『リンドバーグ』 (22話)シャーク達と黒薔薇七銃士隊の戦いの続き。  シャーク中心に話を進めると面白いと何度か書いたけど、前回に続き面白くはなかったな。 結局シャークがエスペランサと直接対峙したるから面白かったのかなという感じ。 黒薔薇七銃士隊の中で能力が最下位扱いのアーチとシャークの戦いの方が、緊張感も迫力もあって面白かったなあ。 今のところ黒薔薇七銃士隊の凄さが伝わってこない。 あと、ニットがシャークに言われて本来の自分の目的をやっと思いだしていたけど、自分の本来の目的と、今の戦乱状態をどう結びつけるのか気になった。 普通に考えて今楽しく大空を飛びたいとか思ってる場合ではないから。

  • 『とある飛空士への追憶』 (18話、終章(最終話))シャルルの精一杯の別れの挨拶をファナは胸に抱き、2人は離ればなれに、という話。 とエピローグ。  情感の込められたなかなかに良い終わり方だった。 ただ、情緒的な独白が続く中で、所々簡略化され過ぎに描かれたキャラクターの絵が目にはいるのは興ざめだった。 146ページの真ん中のコマや149ページ一番下のコマなどがそうだ。

    総括として、この作品で率直に良かったと言えるのは16話と今回の18話くらいのもので、全体的に絵の未熟さが目立ったし、その未熟さが作品を読む時の印象に悪い影響を与えた部分が結構あったと思う。 もう少し背景や小物の描き込みに気を遣って欲しかった。 ゲッサン編集部は修業のつもりで描かせたのかもしれないけれども、飛行機が活躍する作品でメカが全然描けないというのは致命的過ぎた。

    あと、空中戦で命の奪い合いをしているわけだけれども、シャルルとファナが小中学生くらいにしか見えないのがもう少しどうにかならなかったのかなと思った。 あと、この作者の読み切りが既にゲッサンで掲載されているようだけれども、また背景の殆ど白い漫画なのだろうか。

  • 『ぼくらのカプトン』 (34~36話)バレンタインの日に、主将が自作のチョコを持ってきて貰ったと見栄を張ろうとしたら、自分のチョコが無くなっていた代わりに謎の別のチョコがカバンに入っていた、という内容の謎と答えの2本と、後輩が柔道部と揉める話の1本。  チョコの話はけっこう面白かった。 女性マネージャーーもやっと魅力的に見えた。

  • 『アオイホノオ』 (34話)卒業後の進路に不安を覚えつつも、授業の課題で映画を見に行くホノオ達の話。  大学の先輩の職種のオチとか、同級生との映画の言い合いが面白かったけど、話のテンポが少し間延びしてる気もした。 あとホノオが何かやっている時に偶然アニメに出くわすってパターンは、事実を元にしてたとしても繰り返され過ぎと思った。 最近だと教習所の授業でのアニメ上映と待合室でドラえもんのアニメが始まるのがあったっけ。

  • 『BULLET ARMERS』 (9話)前回から引き続き、イオン達とベイカー2人組が戦いつつ、その最中、もう1人のブリーダーが現れる、という話。  ほとんどが作者得意?のアクションシーンで結構面白かった。 アクションの盛り上がりと、強い謎の新キャラ登場と、なぜベイカー達がブリーダーを執拗に狙っているのかを語ろうとする感情曲線が、上手く重なり合って、ありがちな展開だけど読んでいて盛り上がった。 ただ、ベイカーの女が、戦ってる途中で髪留めを外す意味が分からない。 長髪がばらけて余計動きづらくなるはずだけど、そういう常識的な事を作劇する時に考えてないのだろうか。

  • 『信長協奏曲』 (22話)信長に扮するサブローが部下を四つの軍団に分け、他方で浅井家は将軍足利義昭に同調して織田に反旗を翻そうとしていた、という話。  これからは陰謀話がメインになっていくのだろうか。 木下籐吉郎が名前を羽柴秀吉に変えたけど相変わらず影があって怪しくて良いなあ。 面白かったけど、サブローの性格を今後どう見せていくか気になる。

  • 『まねこい』 (43話、44話)前回砂浜に登場した怪しげな集団の思惑にハル達が巻き込まれる、という話。  存在理由のよく分からなかった山崎が、ただエッチなだけの子じゃなく勇気のある人間だったってのが意外だったな。 文系のグループの中での肉体派だったとは。 山崎はすぐ海老蔵似の男の仲間にボコられていたけど、やっぱりこの漫画はほんわかしつつエロとバイオレンスの扱いがちょっとどぎついなと思った。

    最初から振り幅の大きい作品だと提示されていたわけじゃないけど、なんか、不倫話とか今回の暴力とか、富永先生が地位を利用して美少年を漁ってるとか、ドロドロしてるんだよなあ。 それらを笑いとか軽い感じにいまいち落とし込めていないのが自分が引っかかる所。 色んな他のハードな作品と比べたらその手の表現も軽いし緩いけど、この漫画の世界観では違和を感じさせるっていうか。 初期のハルの心の機微を丁寧に描いてたのは偶然だったのだろうか。 現状では回りの人物を動かしすぎて主人公が全然魅力無いものになってしまってる。

  • 『忍びの国』 (22話(最終話))信雄が伊賀に負けた事に怒った信長は、無門の忠告もあって伊賀を滅ぼした、という話。  結局見たかった傲慢な伊賀がその奢りによって滅ぼされるというシーンが簡潔に片付けられてしまってガッカリ。 自分的には主人公の無門を始めとして、伊賀も織田も魅力的な人物がほぼいないままだった。 少し興味が持てた平兵衛も、序盤に目立ってた割りにはただの脇役でしかなかったし、対立した人間関係の怨みとか情念を上手く読ませて欲しかったなと思う。

    連載話数は最初からある程度決まって連載が始まったと思っていたけれども、最後は詰め込みすぎで、無門の生死を曖昧にするにしても中途半端さが拭えない終わり方に思えたし、話数が数話削られたりしたのだろうか。

  • 『ばれてるよ!ジャンボリーヌ』 (9話)中嶋が城ノ内の家に行く話。  城ノ内の家は大きない屋敷で家業がヤクザだった。 相変わらず特に面白くもない展開が続いて終わるわけだけど、城ノ内を特異なキャラにし過ぎたせいで、このさくしゃの持ち味の緩いギャグが殺されてるのではないだろうか。 ギャグより変な見た目が目立ってしまうというか。 面白くない人は何やっても面白くないというか。

  • 『コバルトブルー360』 ゲッサンに何度か8ページ読み切りを掲載されている雪丸の本格44ページ読み切り。 父親の死後生きる気力を失った少年が、ある島の寮へ移住した事で起こる心の変化を描いた作品。  父親の死後1年引き籠もっていた少年の物語って所がいかにも雪丸っていうか、相変わらず感傷的な設定で話を始めるんだなと思った。

    ただ今回の作品は上手くページ内にまとめられなかったのか、ページ数は多いのに話運びが性急で間が詰まってて、今までの作品で上手く描けていた登場人物達の内面描写が雑になった印象。 少年が寮に着き玄関を開けるとそこに少女が立っていて驚きもなく普通に会話を始めたり、バスケをやってる人を見てすぐに誰なのか名前まで分かるとか、その後主人公もバスケをやるけど肝心の主人公が動く部分が略されてるとか、悪い意味でご都合主義に見えるし、省略の仕方が上手くないと思う。

    少年が母親や自分の境遇をどう思っているかを少年本人が語るシーンが作中省略されているのに、その省略された話の物言いについて、プロのバスケ選手やヒロインが批判するので、読み手としては略されてる部分を知らな状態で、いきなり少年が怒られてるのを読まされて戸惑ってしまった。 これは分かりづらいと思う。 過去に何があったかは一度描かれているから略しても良いだろうけど、その過去に対して少年がどういう言い方をしたかは、その後の登場人物達の関係を描く時に重要なポイントとして使っているのだからそこを省略したら駄目だと思う。

    たとえばヒロインの子が少年に対して「ママにもとうとう追い出された」、「本当に追い出されたなら~」って事を言うけど、これはどうもヒロインの子に少年が母親に追い出されたって言い方をしたようなのにもかかわらず、少年の口ぶりが略されてるし、ヒロインの子がわざと悪意のある言い方をしたようにも受け取りうるので分かりづらいのだ。 それと、集団から外れて個人行動を取る人間が悪いみたいな誤解を与えかねない描写があるのが気になった。

    今まで読んだ雪丸の作品で一番面白くなかったなあ。 編集はスポ魂物を描かせようとしてるのかも知れないけど以前の別冊付録の『LIAR MAN』も熱血部分とのバランスに危うい感じがあったからこの路線は不安だ。

  • 『FULL SWING』 (10話)プロサッカー選手になるのを機に交際していた教え子を捨てた元教師の男が、今もその事を引きずっている、という話。  原作のせいだと思うけど、雨で濡れた女生徒を自分の部屋でシャワーを浴びさせて、その後生徒側からのモーションで教師が関係を持ってしまうっていうパターンが古いし安易な展開だなと思った。 話の中心の1人である女の子がただ一途なだけの少女になってしまってるけど、自分を振った男に対してもうちょっと怒ったりとかひねりがあったら良かったかも。 今回の主人公は前回出てきて予想した借金苦の男ではなく前々回に出てきたサッカー選手だったな。。

  • 『ここが噂のエル・パラシオ』 (22話)かつてエル・パラシオにいたアズミが桜花達の前に現れたのを切っ掛けに、エル・パラシオの過去が少し語られた回。  桜花がアズミと戦おうとしない理由も伏せられたままだし、過去と言っても昔はエル・パラシオには人が多くて引き抜きにあって減ったくらいしか語られてはいないので、ただの引き延ばしに思えた。

  • 『よしとおさま!』 (22話)サビ丸がプライベートな時間をどう過ごしているのか気になったよしとおが、サビ丸に一日任務休みを与えて行動を調査する、という話。  サビ丸がみんなに興味を持たれる、愛される、心配される、というサビ丸を中心とした過保護な展開を続けてるわけだけれども、話の筋が弱いと思う。 サビ丸は作中でなにをやっても大目に見てもらえるし、よしとおはサビ丸の引き立て役でしかないし、本当にただサビ丸に萌えてもらおうとしてるだけのような漫画だ。

  • 『妹先生 渚』 (9話)なんやかんやあって、渚率いる素人同然の剣道部と他校の強豪の剣道部が練習試合をすることとになる、という話。  「泣かせたくない奴がいるんだ」とか、恥ずかしくて読むのがしんどいセリフもあるけど、光路郎の帰国とか色んな事象が絡まり合って読み応えはあったと思う。 光路郎の2人の子供の描かれ方が、フェチ的な方向に行かない雑な可愛らしさがあって良かった。

  • 『アサギロ』 (22話)沖田と土方が野盗の子分達を倒した後、野盗の頭と土方の一騎討ちで決着する話。  野盗と土方のエピソードはそれなりに時間をかけて描いてきた割りには、頭との戦いがあっさりし過ぎだったかな。 土方と野盗の頭の斬り合いに迫力があったんで読後物足りないって思いは少なかったけど、展開が微妙に駆け足だったのが残念。 沖田が、お弓と小菊の遺体に伏して泣いている土方を見て心配そうな顔をしていたけど、沖田は人の死や人斬りを軽視した所があるように描かれていたので意外だった。 侍じゃない女性の死に反応したのだろうか。

    あと、話の最後に沖田が紛失した刀がやっと沖田の元へ戻ってきたけれども、沖田の刀の意味やその重さについては思わせぶりなまま何も沖田が学ばず返却されたので肩すかしだった。 それと、以前山中での土方と野盗の戦いで、何人か斬ったせいで、土方の刀の切れ味が鈍ったりというリアリティを作中で表現しておきながら、今回は野盗を何人も斬った後でさらに野盗の頭を斬っても刀が特に問題ないみたいになってるのには違和感を感じた。 読んでいて混乱するのでリアリティを統一して欲しいかも。

  • 『イボンヌと遊ぼう!』 (23話)マコのお姉さんはイボンヌ達天才を企業や研究機関に派遣する会社の社長をしていたのだった、という話。  唐突にマコ姉が登場したけれども、イボンヌの今後の伏線になっていくのかな こういうエージェントなら、はじめ達が進学してもイボンヌがまた先生や研究者としてはじめ達の前に現れてもおかしくないし、物語の舞台を、高校にこだわらずにころころ変えていけそう。 で、マコ姉の風貌がまた相変わらず中途半端な出来なのだけど、船に着地失敗するのはベタだけど面白かった。 

  • 『いつかお前とジルバを』 (31話)マリーがジルバにバレンタインチョコを渡して、ジルバがボスの座を狙われていると勘違いする話。  今回は珍しく面白かったし、弓がハートを射抜いている絵を見て、自分の心臓が狙われてると思うとか、ジルバの勘違いの発想の飛躍の仕方が納得できて良かった。

  • 『マコトの王者』 (22話)天堂の中に入った大地マコトとジョーンズの試合の続き。  妹の声援で気力が漲ったマコトは、(本当の)天堂にも家族や回りの支えがあって自分の力が出せるのだということを天堂本人に教えるのを決意したのだった、という話。  試合は前回と比べて絵に迫力があった良かった。

  • 『第三世界の長井』 (20話)長井が上書きされる事で周辺に影響を与えてしまうとの事。 設定を全然覚えていないので上書きが何を指すのか分からないのだけど、そういことらしい。 今回はまた設定の話になってややっこしくて特に面白くはなかった。

  • 『月の蛇』 (22話)翠華の許婚の意向によって翠華と飛虎が引き離されたが、飛虎は翠華本人に会って直接どうしたいか聞く事を決意する、という話。  翠華の許婚の妹が梁山泊の人間だったという事が発覚したけど、死んだはずの妹というのが少し意外だったものの、婚約者はやはり梁山泊と何らかの関わりがあったのだな。 あと、所々に入るコミカルな表現がシリアスな話の腰を折ってる感じがして良いと思えなかった。


1月号からプレゼントの当選者総数を増やしたので「ゲッサンこぼれ話」のスペースが小さくなったとのこと。 でも前もスペースが小さかった事ってあったような。 「仕事場みたいし!」はイボンヌの作者である荒井智之が登場。 イボンヌの作風と今回のレポ漫画から、イボンヌの作者は無理しないで出来る身近な範囲内で几帳面な事をする人という印象。 「連載陣のしてみる日常。」は、福井あしびと中道裕大とマツセダイチ。

ゲッサン21号(2011年02月号)

  • 『忍びの国』 (21話)無門が伊賀の里へ戻り謀反を起こそうとすると、止めようとしたお国が死んでしまい、その死に衝撃を受けた無門はお国の遺体を抱いて消えた、という話。  前回も書いたけど、このタイミングで無門が伊賀に対立するのが今更過ぎてピンと来ないし、お国も忍や無門の力を理解せず争いに飛び込んで無駄死にしたなという印象。 お国は無門が帰って来た時には既に自殺してるか、伊賀の評定衆に殺されてるかと思ったら違っていたし、無門も伊賀勢と殺し合うかと思ったら何もせずじまいで肩すかしだった。 次回最終回との事。

  • 『QあんどA』 (21話)昔、溺れた遊歩を助けたのが庵堂兄ではなく庵堂弟だったというのが発覚する話。  やっと主人公である庵堂弟に水泳が上手いという長所が出てきた。 遊歩を助けた過去と合わせてこれで主人公らしくなってきたかも。 でも考えてみたら、『タッチ』でも主人公の達也は特に取り得のないような生活をしばらく送っていたんだっけかな。 ボクシングやり出した時期やスイングが速くてバットにボールが当たらないエピソードがどれくらいの話数で出てきたかが思い出せない。

    で、遊歩が昔庵堂兄に助けられたってエピソードだけれど、いつ出てきてたかと思って6話くらいまで調べたら庵堂兄に影響されて陸上始めたって話はあったけど、助けられたエピソードが載ってなかったし今回初出なのかな?  前に読んだ気がするのだけども。 それにしても『QあんどA』の1話を読み返したら凄く面白かった。

  • 『FULL SWING』 (9話)モデルの仕事をしてる女性が、ふとした切っ掛けで知り合った子連れの男と付き合うことになる話。  主役の二人は、まだ付き合う前の惹かれあってる段階のレベルに見えるのに、付き合いをやめるとか一緒に住むとか言い出して、急な話運びに感じられた。 特に子連れの男の方の、ヒロインに対する心の動きが描かれないので、「あなたを好きになればなるほど」というセリフにも説得力を感じなかったな。

    あと、今回のヒロインが、この男を好きになる切っ掛けになるシーンを印象的に見せるための表現とは思うけど、「これ以上自分を嫌いになりたくない」的な月並みなセリフを言いつつ大ゴマで顔がアップになるのは読んでいて恥ずかしかった。 次回の主人子は今回出てきた、子連れの男と一緒に借金を背負った人と予想。 ちなみに今回のヒロインは、前回にも出てきていたのに前話を読み返すまですっかり忘れてた。

  • 『とある飛空士への追憶』 (17話)シャルルがファナの乗る飛空船の所へ戻ってきて、機体を使ってシャルルなりの別れの挨拶をする話。  遠景の飛行機の絵がやはりおもちゃ見えるくらいチープだし、背景や登場人物の服など描き込みが足りてないしで絵的な説得力が弱いように思った。 重要な話で群衆の描き方とか、ディテールの弱点がモロに出た感じ。 シャルルの最後のアクロバット飛行も空間的に空をどう飛んでるのか全然分からないし魅力的にも見えなかったのが残念。

    カラーページや数カットのコマで、飛行機のパースが上手かったり光源を生かした処理がされていた絵があったけど、あれは何かをモデルに描いただろうか。 ファナの感情の変化も上手く表現できてないと思う。 
    前回が良すぎただけにもったいない回だった。

  • 『Waltz』 (16話)蝉に助けられた岩西が、フロイラインの社長を人質に車で逃走しつつ社長に取引を持ちかける、という話。  前回省略された、蝉が縛られた椅子からどう脱出したかが描かれていた。 岩西と社長の駆け引きがなんだかピリッとしなくて、車で道路を逆走した時にも絵に緊迫感を感じなかったな。 今回は岩西に付けられた「蝉」という名前を蝉が受け入れるというのが肝の話だったけど、蝉の岩西への甘えたような態度がまた出てきて苦手だった。

    ところで、切断された岩西の指が手術で戻りそうな気配だけども、IKKIで連載されていた松本次郎の『フリージア』でも、叶が指を撃たれて欠損した後で義指を付けて見た目分からないような展開になってたし、噂でたまに聞くように小学館では指の欠損はNGなのだろうか。 『Waltz』では切断された手自体を描いていないし。

  • 『ばれてるよ!ジャンボリーヌ』 (7、8話)城ノ内の妹が初登場したりする話。  妹も重いカツラを被っていたわけだけど、髪型推しはも初回の時点で十分面白からずだったし、ギャグもさらに緩くなってるようだし読むのがしんどかったな。 学園ギャグ物としても上手く行ってないように思う。 登場人物達全員に魅力がないと思う。

  • 『アオイホノオ』 (33話)クリスマスの苦い想い出を交えつつ、ホノオが大学の課題を教授に怒られる話。  他人が求めているものとホノオのやる事とにズレがある、という事だけ分かれば良いような話だった。 周りの人間の身勝手で理不尽な様が描かれたのは面白かったのでもっと掘り下げて欲しかった。 ところで作品内容とは関係ないが、小学館は雑誌の柱で、やたら有名人の~さんが絶賛とか宣伝したがる所が煩わしい。

  • 『まねこい』 (41、42話)歴史研究会の合宿の続きで、みんなで海水浴に浜辺へ来たら不良にナンパされそうになる話。  猫太郎の不倫話や今回出てきた海老蔵似な新キャラの暴力と、この漫画のモラルの基準がどこにあるのか相変わらず分からないな。 別に残酷な話や情念的な話でも良いんだけど作中の表現に統一感が感じられないのが読んでいて引っかかるわけで。 ラブコメって感じが全然しない。 相変わらず脇のキャラやエピソードに時間を割いて肝心のハルとホンチーの印象が薄いのが残念。

  • 『BULLET ARMORS』 (8話)イオンとセレナがブリーダーだというのがバレて、ベイカー達に命を狙われ逃げまくる話。  やっぱりベイカーやブリーダーって言葉だけでは何なのかピンとこないから言葉の選択ミスだと思う。 バトルでのアクションは相変わらず工夫して描いていてそれなりに良いけど、登場人物達に魅力を感じないので、読んでいて展開に興味を持ちづらかった。

  • 『アサギロ』 (21話)人質にされた土方の知人2人を助けるために土方と沖田が2人で敵地へ乗り込む話。  沖田は近藤に指名されて助太刀になったわけだけど、持ってる刀が竹光だとバレるのがアッサリしすぎていたな。 沖田が貰った刀の意味を知る時もアッサリしそうでなんか嫌だ。 今回は緊迫した状況なのに土方がギャグ漫画のように表情をころころ変えすぎだったのに違和感を感じた。 カラーの抑えた色合いが綺麗で好きだなあ。

  • 『ハレルヤオーバードライブ!』 (20話)麗に助けられて何とか最後の曲は良い感じに演奏できた小雨達が、ハル達先輩のバンドとの圧倒的な力量差を実感する、という話。  ハル達のバンドが何が凄いのか、迫力がある以外よく分からなかった。 この作品は演奏技術や精神状態の話は出てくるけど曲自体の善し悪しって語られてない気がする。 あと動物を迫力の比喩として出すのは稚拙な感じがして今も違和感がある。

  • 『ぼくらのカプトン』 (31~33話)31、32話の敵チームを偵察する話は、珍しくサッカーを掘り下げてて少し面白かったけど、33話のどっちがエロいかってい妄想話は、妄想が安易で良くなかった。

  • 『リンドバーグ』 (21話)前回登場した黒薔薇七銃士隊のキリオがシャーク達への攻撃を開始する話。  前回書いたように、キリオに魅力を感じないので、そのせいか、キリオが中心になった今回の話はピンとこなかった。 キリオ達の空中戦も、アップで描くから相変わらずどういう空間でどう動いてみたいな事がよく分からなかったし。 

  • 『よしとおさま!』 (21話)よしとおの妹の葵に忍の里から女の付き人がやって来る話。  今回はよしとおもサビ丸も回想でしか出てこなかったけど、男性読者向けのテコ入れなのだろうか。 前にも書いたと思うけど、この作者の描く女性は、色気や女性キャラとしての魅力がどこか足りてないと思う。 今回も、所々、葵や新キャラの付き人シロ子が男の女装に見えて仕方なかった。 葵がサビ丸の事ばかり考えていて、命を狙われている母違いの兄のことを大して気にかけてないのは作者がよしとおに興味がないからじゃないかと思うけど、話を広げてると言うことはこの漫画はまだまだ続くと言うことか。

  • 『男前だぜ猫番長!』 (読切)二頭身キャラへ変身できる兄弟が喧嘩をする話。  話も設定も緩くてただアクションが描きたかったので描きました的な漫画。 幾ら8ページしかないっていっても描くものをバトルに絞りすぎだと思う。 絵はこなれていてそれなりに上手いけど、これといった新しい何かは感じられなかったかなあ。 最後のオチもいくらでも取り替え可能で何とでも言えるし。 ゲッサンは『No.1海堂』や『BULLET ARMORS』とか、この手の内容が緩くてアクションにだけ力を入れるような漫画をプッシュし続けるのだろうか。

  • 『妹先生 渚』 (8話)日高達が剣道部に入部することになったのだが、剣道部はとある部員のせいで廃部同然になっていた、という話。  日高達がやられた相手に渚が剣道で立ち向かうという形は、この漫画の第1話を踏襲しているし、、光路郎の作品内への直接的な介入も含めて仕切り直しというか、本編第1話、という感じでもあるのだろうか。 渚のリアクションが相変わらず見ていて恥ずかしかったし、剣道部の問題は後付けなんだと思うけど、問題児を今まで放置していたというのは渚らしくない気がした。 今回は32ページで、この作品の後ろではなく前のページに新人の短編読み切りが掲載されていたし、目次にもちゃんと載っていた。

  • 『イボンヌと遊ぼう!』 (22話)アルパカが寒がっている夢を見たイボンヌは、気になって校庭のアルパカ小屋へ行き本当に寒がっていたのを知り、電源の来てないその小屋で、色んな方法を使って電気を起こし、電気ストーブで部屋を暖めようとする話。  今回はイボンヌと久々の校長先生しか登場しておらず、再びセリフがほとんどない状態で作品が展開されていた。 いつもの仲間がいないせいか中途半端なギャグみたいなものもなくホンワカして良い感じだったけど、電気ストーブにこだわりすぎ。 あと、今回に限ったことではないけど、イボンヌの顔がいつのまにかハンコ絵みたいな同じような固い顔ではなく表情豊かになっていて良いなと思った。

  • 『マコトの王者』 (21話)天堂の中に入った大地マコトが、前王者であるジョーンズと、大地の中に入った天堂マコトとの試合を賭けて戦う話。  ほぼ試合シーンだけのエピソードだったけど、いつもと違い、試合の迫力や緊張感が足りなかったかなあ。 読んだ時の自分の体調や精神状態のせいかも知れないけど、天堂の中に入った大地マコトがピリッとしない試合をしていた、という意図的な表現とは違う鈍さを感じた。

    あと、試合はどんどん進んで行くけど、読んでいてちょっとついていけなかった。 今回作中にこの作品のタイトルである「マコトの王者」という言葉が出てきたけれども、これは作中では初登場かな? 前回も話が性急な感じがしたし、そろそろ作品の終わりが来てているのだろうか。 終了が早まったとか? とにかくこの作品は基本的には地味ながらも良作なので丁寧に描ききって欲しいと思う。

  • 『いつかお前とジルバを』 (30話)ネコミミ娘がバイトしてる神社にジルバが行って、色々ふざけたことをする話。  猫の集団がそばにいるのにネコミミ娘は気づかないで関わらないまま話が終わってしまった。 みんなで最後にウサギの顔になるという、中途半端にほのぼのしたオチとも言えないオチは『イボンヌ』みたいな感じだけども、この漫画に関しては『イボンヌ』と違ってちょっとイライラしてしまうのはなぜだろう。

  • 『ここが噂のエル・パラシオ』 (21話)アズミがエル・パラシオにベルトを取りに来たのは、自分の企画したリーグ戦に桜花を参戦させるための罠だった、という話。  シリアスな展開にはなったけど、正直言って、この作品の話自体が面白いと言えないし、登場人物達にもあまり魅力がないから微妙な謎を引っ張られても、興味が持続せずに、読み続けるのを面倒に感じてしまう。 何が謎なのか覚え続けるのが面倒。 リーグ戦をやると言うことは、まだまだ話は続くと言うことだろうか。

  • 『第三世界の長井』 (19話)数話前に久々に出てきた謎の女は謎のままなにもしないで消えてしまった。 こう書いてるとシュールで面白いような気もするけど、読んでる限りでは面白くはないのだよな。 今回は、長井が変身した時に頭に付いてる丸いものは、生体部品でありそれ独自でしゃべることが出来るということが分かるのだけど、結局おしゃべりな脇役が増えただけで余計分かりづらくなりそう。 誰が出ても何をやっても結局会話だけで話が展開するからラジオドラマみたいだ。 今回は全体的に面白くなりそうでなれなかった感じ。

  • 『月の蛇』 (21話)梁山泊の総統がはっきりと姿を現し残忍な一面を見せる傍ら、怪我をした飛虎の療養のために翠華の許嫁の屋敷に匿われた一行だったが、飛虎が目覚めると、屋敷に仕える老人から、旅は終わりで翠華にはもう逢えないと告げられたのだった。  今回は翠華の許嫁が現れたり、青磁が翠華の復讐を諦めさせ梁山泊から手を引くよう命じられていた事が発覚したりと面白かった。 翠華がここ数回妙に恋愛モードになっていたのは、許嫁との間で気持ちを揺らす展開にするためだったのだな。 飛虎と梁山泊との戦いを読むよりも面白かったかも。 この許婚は梁山泊と裏で繋がってたりして。

  • 『信長協奏曲』 (21話)信長に扮するサブローと足利義昭との関係がさらにおかしくなる話。  サブローのマイペースさが鼻についてきた感じ。 今回改めて思ったけど、誰かが信長に扮するサブローにお願いをする→あっさりOKを出す→お願いした者がワンテンポ遅れて驚く、というパターンを作中で使いすぎてると思う。


この号はなぜか読むのに凄く時間がかかってしまった。
巻末の「ゲッサンしてみる。」のコーナーは、「仕事場見たいし!」しか無かった。 このレポ漫画はここの所増ページが続いてるけど増ページせずに他のコーナーを載せて欲しい。

2011年6月15日水曜日

ゲッサン20号(2011年01月号)

  • 『Waltz』 (15話)苺原は死んだ(?)首折り男に成りすまして帽子卿を欺き、蝉達は昔仕事で殺した殺し屋集団の元締めに捕まって危機に陥る、という話。

    前回ビルから落ちてきた首折り男らしき人物の顔が今回描かれなかったので、その死体(?)がまだ本人なのかは疑問だけれども、苺原が自分で死んだ首折り男に成りすますとは思っていなかった。 このまま苺原自身も殺し屋になったら凄いけど。どうなんだろうか気になる。

    あと、前々回、13話の感想で、蝉が殺し屋でもない女性の顔を殴ったシーンが必要か疑問だと書いたのだけど、今回の蝉と岩西の会話にその女性を殴った答えのようなものがあった。 簡単に言えば、蝉には危害を加える対象の区別が無いって事だけど、そういえばそういうイノセントな犯罪者だったなとか思いだした。 蝉と岩西のイチャイチャしてるような妙な関係を見続けたせいか、その設定を忘れていた。 まさか前々回の蝉の行為に苦情が大量に来たわけでもないだろうけど、今回は蝉の人格を再確認するという、自分的にタイミングの良い内容だったな。

    あと、今回はなぜか蝉の感情表現を不快と思わなかった。 いつもと違い駄々のこね方に女性っぽさがなかったり照れて頬を赤めたりもなかったからだろうか。 そういうのもあって今回読みやすかった。 この作品は、苦手な所は多々あるけどなんだかんだ面白い。

  • 『ハレルヤオーバードライブ!』 (19話)ライブが始まったものの、小雨は、昔自分を振った女の子が客として目の前にいるので前を向けないし歌の調子も上がらない。 そんな小雨が麗と冬夜にカツを入れられて最後の曲で新しい力を発揮する、という話。

    ベタな展開だけど話は面白かった。 ただ、登場人物達の怒ってる顔や焦ってる顔が本気で怒ったり焦ったりしてるように見えないのが話を盛り上がりを削いでいた印象。 で、最後のページに話数とタイトルを出す演出って前にもやったと思うけど、印象的なシーンにタイトルを出すという手法を1つの作品でやり過ぎだと思う。

  • 『QあんどA』 (20話)庵堂弟と忍がたどり着いた島は、建設途中で放棄されたテーマパークだった、という話。 恐竜やその卵はまあ無難なオチだった。 今回のひねりは庵堂兄が助けに行ったけど結局助けられず戻ってきた事かな。 正直今回のエピソードは何も起きてないのも同じだし、丸ごと削っても話に一切支障はないなあ。

  • 『FULL SWING』 (8話)プロサッカー選手の青年が、高校時代から付き合っていた彼女に振られる話。 サッカー選手の青年が性格に問題があるとはいえ、その彼女は二股をかけていて禄でもないんだけども、この彼女が妙に魅力的に描かれていて、あまり不快な女性には感じなかった。こういうのはこの漫画家の力なのかな。 今回は時々顎のラインや線のタッチにいつもと違う感じがあったけど、ただの気のせいかも知れない。

  • 『ばれてるよ!ジャンボリーヌ』(5、6話)なんだかとにかく、城ノ内と中嶋が対決する話。 6話目の体育の授業での創作ダンス対決は、ダンスや歌詞が特に奇抜でもなく面白いとも思えなかった。

  • 『BULLET ARMORS』 (7話)セレナに助けられ怪我から回復しつつあるイオンが、セレナの身の上話を聞いて、セレナを守ろうと決める話。 今回もバトルシーンには力が入っていた。 
    「守る」って言葉の使い方が急だと思ったけど、イオンとセレナの間に少し信頼関係が生まれるエピソードとしては悪くなかった。 この号には、作者である森茶の別の短編読み切りも載っているけど、できれば短編描くよりはこの作品の背景を描くのに力を入れて欲しかった。

  • 『とある飛空士への追憶』 (16話)ファナを迎える巨大な飛行艦が来て、ファナとシャルルが別れる話。 今回はかなり面白かった。 シャルルとファナの別れにも感動してしまった。 コマ運びというのか、ネームというのか、2人の情感が凄く上手く表現されていて、特にファナの感情の機微の見せ方が良くて胸に迫るものがあった。 今まで連載された話数の中でずば抜けて良い回だと思う。 例えばファナが座っていた後部座席に今は砂金の袋が置いてあるという対比も上手く効いていたし。

    ただ、感動的な別れをしたのに別れたばかりのシャルルが引き返すのは早すぎる気がして、引き返すのは次号でも良かったのでは?とも思った。 というのは、本当は別れたくないけど、ちゃんとしたお別れの挨拶が出来なかったのを名目にしてファナの元へ引き返す、というのが未練がましく受け取れてせっかくの感動の別れに水を差した感があるるので。 でもとにかくこれから2人がどうなるのか気になって仕方ない。 いや本当に良いものを読ませてもらったな。 原作は人気作品のようだから話自体はある意味面白くて当然かも知れないけど、この漫画家に対する印象も、今回良い意味で変わった。

    ところで、この作品自体とは一切関係ないけど、ずっとタイトルの「飛空士」を「飛行士」と書き間違えてたのに今頃気づいてしまった。 凄く恥ずかしい。

  • 『ちろり』 (読切)お客さんのいない喫茶店が、ふとした切っ掛けで繁盛する話。 ゲスト読み切りとなっていたから新人ではないと言う事か。 喫茶店にお客が集まるきっかけのシーンである、ちろりが、転がる丸い看板を追いかけてつかむその振る舞いが、絵として作中の旅行者達が感銘を受けたほど魅力があるように見えなかったのは、そのシーンが、この短編の話の肝であり最大の山場であるだけに問題だと思う。 ちろりが転がる看板を取ろうとする辺りの描き方が、それまでのほんわかした雰囲気と違う感じだったのも残念に思った。 看板を取る姿が「吹き寄せ」のようっていう描き方なのだけど、説明的に動かさずにただの比喩として描ければやぼったくならずによかったのに。

  • 『まねこい』 (39、40話)ハルと奈波はお互い招き猫と暮らしているのを告白し合い、崎山は女性部員に刺激されて悶々とする、という回。 前回に続き性方面を掘り下げていた。 崎山とリアが性方面の話を率先して引っ張ってるのだけど、崎山の性とモラルとの狭間での煩悶は、思春期恋愛コメディ的に主人公のハルが担った方が良い気がするし、リアと猫太郎の不倫的展開は描き過ぎだと思う。 ていうか、旅行先に来てからハルとホンチーの恋愛が脇に追いやられ過ぎ。

    あと、作品とは直接関係ないけど、この作品の求めている読書スピードと自分が読むスピードにズレがあるのかなと思った。 結構スピーディーに読むようにコマ割りされている気がしたから。

  • 『忍びの国』 (20話)前回弓で撃たれて消えた無門は、撤退した織田勢に紛れて信雄達の首を狙っていたのだった、という話。 シリアス一辺倒で読みやすかっただけかも知れないけど前回よりはかなりマシだったかな。 生き残った織田の人間に手を出さないことを条件に、平兵衛が無門と一騎討ちをして負け、平兵衛に心を動かされた無門は伊賀へ戻るっていう展開なんだけど、平兵衛が真面目な人間なのは昔から分かってるだろうに、なぜこのタイミングで心を動かされるのか不思議に思った。 伊賀対無門ENDなのかしら。 お国は無門が死んだと聞かされて自害してそう。

  • 『ここが噂のエル・パラシオ』 (20話)忠輔以外のエル・パラシオのメンバーが外出中に元エル・パラシオに在籍していた女子レスラーがやってくるという話。 最初は忠輔の記憶喪失に関するエピソードがやっと始まったか!と思ったのにただのミスリードで悲しかった。 まあ今回登場した人が、忠輔の記憶喪失に関わるキーパーソンの可能性が全くないわけではないけど、作風から見てその辺うやむやに話が続きそうな気がするのだよな。 今回登場した人は、桜花と因縁がありそうな人物なので、いつものようにドタバタされるよりは面白くなりそう。

  • 『アオイホノオ』 (32話)ホノオが年末の帰郷前に大型スーパーへ行って、中のお店でバイトをしているトンコさんに、あだち充の漫画の「ムフ」の意味について語る、という回。 この作品の見開きで昔の連載漫画を揶揄するパターンはもう見飽きたし面白くなくなってしまったな。 それに久々にトンコさんを出してホノオと絡ませてみてもホノオにはもう主人公らしい存在感を感じなくなってしまった。

  • 『よしとおさま!』 (20話)里長の口から、サビ丸の師匠である黒彦が過去に里で何をしのたかが語られる回。 里長がよしとおに対して黒彦とサビ丸の同情を引こうとしてるだけのエピソードって感じだったな。 サビ丸を信じてくれって台詞は、里からわざわざ言いに来るのは過保護過ぎると思うし、黒彦の里抜けもサビ丸のよしとおに対する思いも甘えにしか思えなかった。

    サビ丸と黒彦との対立も、結局黒彦の方が手心を加えて負けるってパターンになる気がする。そおれでよしとおが黒彦に説教するっていう。 話のの締め方が、今回で終われそうな締めだったけど、失礼な話このまま打ち切り的に終わっても良かったと思った。

  • 『ぼくらのカプトン』 (28~30話)主将がクッキーを作ってくる話はまあまあ面白かった。 しかし女子マネージャーの存在理由がないも同じだな。 経歴を見ると作者は男性漫画家のようだけど、人物描写が女性漫画家のような感じがしてしょうがない。

  • 『アサギロ』 (20話)土方と懇意にしてる姉妹が盗賊に襲われてしまう話。 土方が身の上を詮索してこないのをお弓が嬉しく思うというのは、前回までの近藤達の土方の持ち上げ方と比べてちょっと安っぽく感じたけれども、土方と親しいという設定の姉妹は、今回初登場なのに読んでいて危険な目に遭って欲しくないと思わせるくらい魅力的に描かれていて良かった。 この土方の危機と沖田が切れる刀を持っていない話をどう結びつけるのか楽しみ。

  • 『マコトの王者』 (20話)倒れた天堂の父親を見舞いに来た天堂の中に入ったマコトが、父親を励ましつつ、それを受けて天堂の両親の心に変化が起こったり、大阪から戻ってきた大地の中に入ったマコトが、父親の見舞いに行くのを拒否して天堂に入ったマコトと揉める話。 

    中身の入れ替わった両方を区別して言うもっと完結な言い回しないかなあ。 マコトが天堂の父親を見舞うエピソードは面白かったけど、それ以外はいまいちかな。

  • 『第三世界の長井』 (18話)今回は結構面白かった。 そもそも面白かった以前に読みやすかった。 永井のセリフが普通っぽいのが多かったせいだろうか。 ティッシュ箱のネタはカイジ?のパロディだと思うけど、面白くはなかったっていうかパロじゃなくただの引用みたいな感じだった。 こういうスッキリした感じで続けばいいのに。

  • 『少年と人魚』 (読切) 少年と人魚が出会って別れるひと夏の話。 ありきたりな話を下手に描かれた風景をバックに展開したいまいちな作品。 2人の出会いの場所である砂浜や海をもっと魅力的に見せないと少年の大切な想い出として駄目なんでは。 キャラクター以外の絵が本当に下手。 ちなみに、かつて本誌や別冊読み切りで『レバー』、『博士の愛した人造人間』が掲載された佐伯幸之助の作品。

  • 『PRISON・ず』 (読切)森茶の読み切り。 刑務所に入れられた犯罪集団がふざけて騒いでるだけの話。 自分が今までゲッサンで読んできた限りでは、一番いい加減な読み切りだと思う。 絵も設定も雑過ぎる。 泥棒や刑務所に入れられているという設定がほとんど生かされてないし。 こういう漫画を掲載させるのは本人にとっても良くないのでは。

  • 『月の蛇』 (20話)飛虎と火傷の男との戦いが決着し、翠華も救出される回。 前回に比べて、どう戦い合っているのかが絵を見てもよく分からなかった。 読んでいて、作中で語られるようには火傷の男が強いと思えなかったし、何人も仲間を殺した相手に、勝負感が鈍っていて敵を舐めてかかるような人間を刺客として差し向ける梁山泊は設定としておかしいと思うし、ミスといって良いと思う。 というか、火傷の男の負けた理由が梁山泊の価値を下げたって事なのだけど。

    あと、前回に引き続いて、強い敵が何人いるか分からないのに青磁は翠華救出を後回しにし過ぎだと思った。 記憶違いでなければ、初期の青磁の性格はもっと翠華優先で何かあったらただじゃすまさない感じだったような。 あと、これも何度か書いている事だけど、所々にまるっこい緊張感のない絵が散見されて、話の盛り上がりやアクションの激しい印象を削いでいる。

  • 『いつかおまえとジルバを』 (29話)冬場の野良猫の食糧事情を解決するために、ジルバ達がサンタクロースを襲う、という話。 静電気を使った必殺技でサンタを感電させてたけど、サンタから袋を奪うために大げさな新設定の必殺技を出す必要があったか疑問。 サンタが実は泥棒だったってオチでごまかしてるけど猫の人間に対する攻撃が極端過ぎる。

  • 『リンドバーグ』 (20話)城に戻ったエスペランサは、ティルダ救出とシャーク捕獲のために、エスペランサ直属の精鋭であるシャークの元部下達を向かわせた、という話。

    シャークと元部下達の対立構造はありがちだけど盛り上がるなあ。 ただ、今回初登場したニットのライバルになりうる少年は、性格はともかく造形が魅力的に思えなかった。 ニットにしろこの作者は魅力的な少年を描くのが上手くないのかなあと思う。 あと、当初の予定ならレースでニットの才能の発露と努力の成果が描かれるはずだったのでは?と予測するのだけど、エスペランサが登場し、シャークが主役同然に活躍した事からニットの成長やキャラ立ちがうやむやになってそのままなのが引っかかる。 エスペランサが現れティルダが誘拐された時にもうちょっとニットに見せ場があった方が、主役としては良かったのでは。 それを読んで面白いかは別としても。

    父親の謎があるとはいえ、シャークとエスペランサの対立の方が現状の物語展開での大きな軸になっているから、ニットはこれからも影が薄いままになりそうだ。 シャークを軸にした方が面白いので、読み手としてはそれはそれである面良いけど、今回出てきた少年は、ニットが成長するための踏み台になりそうだけど、結局他の重要な事件などが起きてうやむやなままただの脇役にされそうな気がする。 そう言えば今回ティルダは出てこなかったな。

  • 『イボンヌと遊ぼう』 (21話)イボンヌの部屋でいつもの仲間がクリスマスパーティーを開き、プレゼント交換をする話。 話をただ絵に書き起こしただけのような感じで今回は微妙だったけど、登場人物達に笑顔が多かった気がする。

    今回の頬がやたら膨らんでたりとかのキャラの描き方が気になったのでゲッサンで1話の絵柄を確認したら、イボンヌは昔の方が美形だったな。 誌面の端の登場人物を見ても昔のイボンヌの顔が見られるけど、今はイボンヌの顔だけが横長になってるのが不思議だ。

    あと、コタツの上の食卓に色々ごちそうが並んでいるのだけど、取り皿が人数分ないのが気になってしまった。 イボンヌと谷口の取り皿が無いと言えるのだけど、他の取り皿らしきお皿も、焼きそばやソーセージとか、美那子のお皿以外は、中央の大皿にはない料理ばかりなので、そもそも取り皿は描かれてないんじゃないかという気もする。 ただ、イボンヌは一人暮らしなので、持ってる食器が少ないというのは分かる。

  • 『信長協奏曲』 (20話)お市が妊娠し、それを記念に信長に扮するサブローが相撲大会を開く話。 信長が実際にも相撲好きらしいという話はこの回を読んだ後に検索して知ったのだった。 いや子供の頃何かで知った気はしなくもないけども。 

    竹中半兵衛が、明智(に扮する本物の信長)と信長の目鼻立ちや声が似てるのを怪しんだり、木下籐吉郎の怪しさに、半兵衛、明智、佐々成政が気づいたり、浅井久政に信長に対立する雰囲気が出ていたりなど、色々不穏な感じが出ていて面白かった。 

    相撲シーンは新人の女性漫画家にしては良い感じで、効果線をほぼ使わないタイプのアクションの描き方だったけど、スポーツ漫画やアクション漫画を描いてももそこそこ行けそうな気がした。 小山ゆうとの大きな違いの1つは効果線がほとんど無い所だな。


というわけで2011年分のゲッサンを読了。 でもこの号は12月発売だから2011年!って感じがいまいちしない。 今月号は表紙をめくってすぐにあだち充画業40周年の記念出版本の広告があって、発売日からかなり遅れて雑誌を読むデメリットってこういう情報を後から知ると感じるなあと、ショックを受けた。 でもよく考えたら書店でこの記念本をいつか見かけたような気もする。 その特集誌に掲載されているらしいロングインタビューを読んでみたいなあ。

で、この号は『妹先生 渚』は休載。 少ページ連載が続いていたわけだけど、とうとう原稿を落としてしまったな。 連載再開はあるのか、この連載に無理はあったのか、色々気になる。

今回の「仕事場見たいし!」は普段この漫画を描いている横山裕二の仕事場レポで、レポ漫画は、横山が最初の1ページを描いた以外は全部かんばまゆこが担当していた。 かんばに変わっても特に面白くは無かったけど、本棚に本が巻数バラバラに入ってたり、読んだ本に付箋を引いてるという裏話はいつもの連載と違い良かったと思う。 っていうか、横山のそう言う細かい付箋がジルバなどの漫画には生きていない気がする。 「ぼくの!わたしの!もぐもぐ一週間。」の3回目は坂ノ睦。 小食でシンプルながらも自炊してる様子がうかがえた。

ところで、この号の巻末の目次のページでは、一部の漫画家を目次から抜き出して別枠で大きめの絵と一緒にコメントを載せているのだけど、こういう事をされると目次で漫画を探しづらくなるので出来ればやめて欲しい。 目次の目的を果たしてないし。


たびたび書いているけど、簡潔にしたいのにやたら感想が長くなってしまう。 長くなるのはそれだけ書きたいことがある場合もあるけど、何割かは無理矢理ひねり出して書こうとしてるせいもあるのでは?と思った。 無理に書こうとするから思いついた幾つかのことの取捨選択も上手く出来ず詰め込みすぎてしまう面もあるのではないだろうか。 そんな事を思いついた。

2011年6月1日水曜日

誤字を修正したけどブログ内検索に反映されない。

1、2週間前に一度、そして今回も、過去ログの記事にあった誤字を幾つも修正したんだけど、ブログ内検索の結果には、どちらも修正前の記事のデータがヒットするなあ。 でも修正済みだから、ヒットした記事を開いてもその誤字は見つからないって言う。 ブログの機能の問題じゃなくて検索のクローラーの問題だろうけど、修正後の記事をクローラーに拾ってもらう方法ってあるのかな。 っていうかブログの検索を直接ブログ記事総当たりでやるのは負荷がかかって無理なのかしら。 はてなダイアリーだと修正結果が即反映されていた気がする。

2011年5月30日月曜日

ゲッサン19号(2010年12月号)


  • 『ハレルヤオーバードライブ』 (18話)小雨達のライブ当日の、ライブ前の悲喜こもごも話。 初ライブの日に小雨が自分を振った女の子と出会ってしまう展開はいいなあ。 でも小雨が自分でどうこう解決せずに、ハルや麗にフォローしてもらうのは主人公の魅力を弱めると思った。 ライブで見返す的な展開がありうるので、ここでは目立たせないのかも知れないけど、最近は漫画もアニメもここぞって時に女の子に助けてもらうものが多すぎると思う。 あと、台詞回しや大事な台詞を言う時のポーズなどが、悪目立ちしてる感じで読んでいて自分には恥ずかしかった。

  • 『QあんどA』 (19話)合宿の続き。 台風が去った後、庵堂弟と忍が、遊歩達が特訓している島へ行こうとして謎の島へ着いてしまうという話。 幽霊の兄が謎の島へ助けに行こうとして終わったけど、忍の初恋相手は違ってたとその手の発覚するのかな。 謎の島に恐竜の卵が出てきたりと、いつになく何でもありな展開でありつつも面白かったけど、どう収拾つけるんだろうか。 夢落ちじゃないと思うけど、恐竜の卵は模型か何かって落ちなのかそのまんまなのか気になる。

  • 『Waltz』 (14話)首折り男と帽子卿の戦い。 苺原が首折り男の所へ到着した時に、上から首折り男らしき人間が落ちてきておそらく死んだわけだけれども、これが本人なのかどうかっていうミスリード?は急展開で面白い。 ただ、苺原の勇気を出して街中でテンションを上げたノリはワンピースみたいで違和感があったのと、岩西が蝉の鼻を指で弾くとこらへんが苦手だった。 男同士の変なスキンシップを描きたがり過ぎる。

  • 『まねこい』 (37、38話)合宿旅行の続き。 伊勢神宮を観光した後で、旅館でお風呂に入ったり食事したりする話。 エッチな表現に品がなさ過ぎて引いた。 同じ作者で月刊スピリッツで連載してる作品の方が、青年誌なのにまだ品が良いって、扱いが逆だと思う。

    今回は、歴史研究会部員で普段無口な近藤さんのパーソナリティが浮き彫りにされて、そういう脇役の心の機微を描くのも良いけど、クラブ活動やメンバーにこんなに長く焦点を当てておたら、ホンチーの歌手になる夢話に戻るのは相当先になりそう。 それと、猫太郎とリアの存在がにぎやかし以上のものになってないし、猫太郎がリアの正体をハルに隠す理由が弱いと思う。

  • 『ばれてるよ!ジャンボリーヌ』 (3、4話)校長の銅像が紛失し学校で問題になったものの、犯人は城の内だった、という話。 他愛もない話なのに城の内と中嶋が騒ぎ過ぎだと思った。 というか、大きな頭に色んな物が入ったりしてるっていう人のネタが千原兄弟の昔のコントにもあるけど、それと比べると発想が大人しすぎる。 それと学校を舞台にしてるのに、他の生徒がいないも同じ扱いなのが気になる。

  • 『FULL SWING』 (7話)父親の病気でプロサッカー選手の道を諦め、父の船を使い漁師の修業をしている青年と、青年の前に久しぶりに現れた、現在浪人している元クラスメイトの女の子との将来の夢に関する話。 話自体は昔良くあったような取るに足らない話だけれども、自分にその道の才能があり回りも期待している将来の道と、自分が本当にやりたい事とのずれ、勘違い、をあっさり描いてて良かった。 この作者はアクションや熱血要素があると上手く行かない事が多いようだけど、なにげない日常の雰囲気作りが上手い。

  • 『とある飛空士への追憶』 (15話)目的地へ到着してから迎えが来るまでの間、シャルルとファナがこれからのことなどを話し合う、とい話。 シャルルと離れたくなくて未来にも希望を持っているファナと、身分の差や仲間のことを思ってファナの誘いを断るシャルルの対比が悪くなかった。 ギャグっぽく茶化した所はいまいちだったけど。 空中戦やバトルが無ければそれなりに面白い。 ファナは、フィアンセが現れた時に前の大人しい性格に戻って意見を上手く言えなくなったりするのだろうか。

  • 『アサギロ』 (19話)近藤が、沖田の刀を届けに来た土方の行中の大変さを見抜き、土方を侍と認め、沖田は姉夫婦の元へ行き、沖田家の家宝の竹光を自分の見栄のために譲ってもらう、という話。 土方、山南、近藤の会話がハッタリが効いていて面白い。 会話だけで土方と近藤が凄い人物のように思わされてワクワクしてくる。 沖田は相変わらず他人の気持ちに興味ない我の強い人物のままでただの狂言回しになってるけど、今後成長することはるのだろうか。

  • 『リンドバーグ』 (19話)シャークが、自分の怪我がある程度癒えてから、シャーク空賊団の有志で王都エスペランサへ向かうことを宣言する話。 事を起こす前の準備回って感じだった。 誘拐されたはずのティルダは空賊団に馴染んでるし、ニットは脇役ポジションに完全に収まってるなあ。 案外、ティルダはシャークとエスペランサの間に出来た子供だったりして。

  • 『ぼくらのカプトン』 (25~27話)27話の主将がゴールを決めた後の、「しょーいち」コールが妙に面白かった。 あと、今回の扉絵の、主将が電車内の扉そばで、たたずみながら外の景色を見ている絵が、本当にそんな人がいるという感じで良かった。

  • 『BULLET ARMORS』 (6話)前回登場したエイブロックと戦ってイオンが負け、セレナがイオンを看病する、という話。 バトルは見せ方を工夫して盛り上げてたけど、戦っている人物達の背負う物語が薄いので、バトルだけ盛り上げられてもいまいちピンと来なかった。 エイブロックの背景をもっと匂わせても良かったのでは。

  • 『よしとおさま!』 (19話)サビ丸がかつての師匠と対立することになり、任務に迷いを生じていると、里の長がサビ丸達様子を見に現れた、という話。 なんか、師匠とサビ丸とよしとおを三角関係のように描きそうな予感。 前回出てきたよしとおの妹はあっさりいなくなってたけど、今までの妹の性格の描き方からして、好きなサビ丸を心配してしばらく離れないと駄々をこねてもおかしくないと思うのだけどな。

  • 『アオイホノオ』 (31話)ホノオは何とか4回目の自動車免許の本試験に合格し、庵野達は、武田達に頼まれたSF大会のオープニングアニメーションの仕事をどうするかゴタゴタする、という話。 

    山師のような山賀と神経質な赤井との言い合いが面白かった。 ホノオはよく分からない理由で4回目の試験に受かったけど、そもそもホノオは途中から怒らない教官を選んで教えてもらっていて、その教官は怒らない代わりに教え方がいい加減に描かれてたのから、その後本試験に何度も落ちるのは、その教官にも原因があるような関連づけが作中でされてもおかしくなかったはず。 なのに、試験に落ちたのは運の悪いアクシデントや気負った上でのミスみたいな展開をしたので、結局関係ないのかよ!と思った。

    それと今回は、ホノオが部屋の壁を殴る時に、殴った時の擬音の書き文字の形が途中で変わる事が2度あるのだけど、なぜ途中で変えたのかが分からなかった。 最初何かのパロティとか意味があるのかと思ったけど、特に無いような気もするし、もしかしてこの作品はかなり行き当たりばったり描かれてるのかなあ。

  • 『ここが噂のエル・パラシオ』 (19話)忠輔がプロレスのルールを学ぶために買った本にはカール・ゴッチ似の幽霊が取り憑いていて、その幽霊がバニーの体に入って騒動を起こす、という話。 プロレスにルールブックはない、という事実を膨らましたのだと思うけど、結局忠輔がルールを学ぼうとする事が放置されてしまい、いつものようにドタバタしただけだったのが残念。 いい加減忠輔の記憶喪失を掘り下げて描いてほしい。

  • 『月の蛇』 (19話)捕まった翠華を飛虎が助けに来て、そこに青慈も加わる、という話。 翠華が、捕まって足を刺された後の行動が、諦めたり助けを待つばかりで、飛虎が助けに来て涙ぐんだりと、梁山泊をを滅ぼすという大きな目的のあるはずなのにただの受身な女の子過ぎて違和感があった。 前はもっと業を背負ってる感じが会ったような気がするのだけど。 段々元の性格の女性井戻ってきたという事なんだろうか。 それと自分の仕えている人間が捕まってるのに呑気な青慈の登場の仕方にも違和感があった。

  • 『楽神王』 (19話(最終話))最終決戦。 楽神王だけではマラーニモに勝てなくて、最後はルーチェの楽神も使った楽しい喜びの音楽の力でマラーニモを倒し、マラーニモを動かしていたムジカのわだかまりも解け、楽人と礼音はアルモーニカの力で元の世界へ戻った、という話。

    最終話は、楽神王がマラーニモを右手で突こうとして防がれ右腕を破損、マラーニモの口からの攻撃で避け損ねた楽神王の左足が破損、更にマラーニモの手の攻撃で楽神王は地面へ叩き付けられて色々破損、更に更にマラーニモが楽神王を手で潰そうとした時に、ヴェリタが助け、ヴェリタがマラーニモを足止めしてる間に、楽人達が楽しい演奏の準備をしてマラーニモを攻撃して倒す、というバトルの流れで、その中にヴェリタの大切な女性を殺された怒りや、礼音の内省やムジカの改心が織り込まれて、その後も別れやら何やらがあったりと、構成事態は面白そうな事をしているのだけど、何度も書いてるように、今回も絵が分かりづらかった。

    楽神がアップに描かれたコマは、それが楽神王なのかマラーニモなのかすぐに分からないし、マラーニモの指と肩に付いてる物が同じ形で指のアップの時にそれが指だと分かりづらい。 もっと一目で見分けられる造形にしたら良かったのにと思う。 それに背景を描かないし引きの構図がほとん無いので空間が分かりづらい。 今回は、4体合体してた楽神王からアルモーニカが抜けてるというのが分かりづらかったし、次連載がるのならその辺の見せ方が見やすく分かりやすくなていえばいいなと思った。

    登場人物に関しては、ヴェリタやその部下、シンダカートを裏切ったトラビアレなどが、思わせぶりに出てきた割りには途中から印象が薄かったし、前回出てきたシンダカートの評議会も、今回の最終話にはほとんど出てこないまま、その後の顛末はアルモーニカがセリフで説明しただけだったし、もっと生かして欲しかったなあ。

    個人的には、カルディネが自分の血と引き替えに楽神を強化する演奏をして戦った回がピークかな。 あと、突然ルーチェの側に女性が出てきて誰かと思ったら、ルーチェが演奏してる楽神フラウトの元の姿なのだな。 読み返したら16話にも出ててたけど、全く覚えていなかった。

  • 『妹先生 渚』 (7話)今回は18ページ。 問題児な生徒の母親の体調が悪くなり、その生徒が母の好きな胡蝶蘭を買って病院に届けに行く、という話。 前回、前々回の引きから、今回、渚と生徒の父親がもめるかと思いきや、渚は父親の息子への思いを知って引き下がるだけだったという肩すかし。 いやそれはそれとしても、その生徒の父親と渚の会話を回想として描いたり、生徒達が胡蝶蘭を買いに行ったり、生徒が渚に電話で頼ったり、の部分がいやにあっさり描いてるなと思った。 毎月ちゃんと30ページくらい描いていればもっとじっくりそれらも描けてたんんじゃないかなあ。 このエピソードの主役の生徒の事を慕っている女生徒の扱いもいまいち生かせてなかったし色々もったいない。

  • 『信長協奏曲』 (19話)竹中半兵衛・重矩兄弟が信長の仲間に加わったり、城に上杉謙信のくのいちが忍び込んでいたりしつつ、信長に扮したサブローがくのいちに盗まれた歴史の教科書を探しまわるという話。 今更な話だけど、やたら縁側のある部屋を舞台に話が展開され過ぎだと思った。 信長の部屋や客間ってあんな庭の側で大丈夫なんだろか。 入り組んだ城の内庭かも知れないけども。

    今回、明智光秀に扮する本物の信長の家族の話が出てきたけれども、その家族とサブローが会う話を今後期待したい。 検索で調べてみたら、明智の二番目の妻である煕子は、明智と同じく出自が不明の人物らしいので、この人もこの作品ではタイムスリップして来た人だったりして。 あと今回は上杉謙信に仕えるくのいちが出てきたけど、この設定は史実にはなく、戦国BASARAのオリジナル設定と同じのようだけれど影響されているのだろうか。

    ところで、この作品は基本的に巻末に掲載すると、編集長代理(現編集長?)が言っていたはずだけど、その方針はやめたんだろうか。

  • 『イボンヌと遊ぼう』 (20話)秋の落ち葉が降り積もった場所で、イボンヌ達いつものメンバーが、ふざけあったり焼き芋を食べたりする話。 今回は全編セリフ無しだったけど擬音は書かれているからか、かなり分かりやすく読めた。 前回の構成もそうだけど、実験的な方向に面白さの鉱脈を探っているのかな。 セリフがないせいか、いつもよりもドタバタ感が薄く、ほのぼのさがより出ていたように思った。 でも、この落ち葉の降り積もった場所が、山なのか公園なのかがよく分からなかったなあ。

  • 『いつかおまえとジルバを』 (27、28話)ジルバが兄にボスの座を狙われる話と、ジルバが幼児2人と戦う話。 ジルバと似た星の模様のある猫の存在をすっかり忘れていたのだけど、兄だったというエピソードは描かれてたっけかなあ? この兄の猫が独り相撲で失敗する話がテンポも良くて面白かった。 もう1本の方は、ペットで飼った鳥は死後も大切にして、死骸を猫に近寄らせさえしないのに、他方で鶏肉を食べる人間、という部分へのジルバのツッコミが「チキン食っとるー!!」では弱いと思った。 ここ数ヶ月続いていた『妹先生 渚』の次のページからの新人の読み切りは、今回掲載されていなくて、その代わりなのか『ジルバ』が今月号では二本立てだった。

  • 『マコトの王者』 (19話)大地の中のマコトは、帰郷した大阪で大地の彼女と会い、彼女を地元の後援会会長にさせる、そして天堂の中のマコトは、汚い手を使うボクサーと試合して勝つ、という話。 大地に彼女がいた設定って前からあったっけかなあ。 でも後付だとしても、違和感なくスームーズに話が収まっていた。 大地の彼女も、今回天堂の中のマコトと戦ったボクサーも、少し前の回から伏線張っていたらもっと盛り上がった気もするけど、これはこれで面白かった。

    大地の大人しい妹である友音が両膝でタクシーの後部座席に乗り込んだりとか、こういうちょっとした描写がいいんだよなあ。 天堂の中のマコトが試合に勝った後でフィアンセとトレーナーを呼んで、前回からの仲直りをアピールさせたりとかも。 で、最後の方でまた急展開があったけども、そろそろ話を締めにかかってるのだろうか。

  • 『忍びの国』 (19話)無門と大膳の戦いが一応決着。 織田勢が撤退。 クライマックスのはずだけどかなり面白くなかった。 伊賀に都合良い展開が面白くないし、強い人間にも死ぬ人間にも魅力を感じなかった。 なんだろうな、この漫画の強さや強い人物の描き方に魅力を感じない。 無門も強すぎてここで死んだかも?とかやられても、どうせ無門は死んだふりなのだろうとしか思えないし、信雄が無門に弓を引くまでが遅すぎてだれてしまった。


今月号は『第三世界の長井』が休載。
「ゲッサン編集部こぼれ話」に書かれている、石井あゆみが高校を一週間で退学する話は、漫画家の覚悟を語る例えとしては誤解を招くエピソードだと思う。 少年雑誌で書くなら中学や高校が作品の舞台になることが多いので、高校生活を体験する事は、つまらなく感じることも含めて財産になるし。 目的があるのなら退学もやむなしとは思うし、退学を全否定はしないけどちょっと漫画家の持ち上げ方が安易なのでは。

今月の巻末の「仕事場見たいし!」は、『BULLET ARMORS』を連載している森茶の仕事場。 面白くないわけじゃないけど、相変わらずお邪魔先の漫画家さんが、このレポ漫画を描いてる横山と編集のタナベのドタバタを描く踏み台になってるだけのような漫画だ。 森茶はそのうち漫画を描くのをやめそうな印象。

連載陣のちょっとしたイラスト付きコラムコーナーの「連載陣のしてみる日常。」が今月は載っていて、今回は、荒井智之、小川麻衣子、四位晴香が担当。 荒井智之は色んな種類のどんぐりを拾ったとの事だけど、今月号の『イボンヌ』の話にどんぐりを拾うエピソードがあるから漫画のネタや資料集めやった可能性もあるけど、漫画のほのぼのした感じから見て、普段から今でもどんぐり拾いとかをやっていそうな気がした。

やっと2010年分の感想が終了。 自分の感想は愚痴が多くて良くないなあ。

2011年5月21日土曜日

ゲッサン18号(2010年11月号)

  • 『アイドルA』 (5話)休載したヤングサンデーに不定期連載されていた、1話完結形式の漫画との事。 人気アイドルが、自分とそっくりの幼なじみの男の子に扮して野球選手となり、アイドルと二足のわらじを履いて頑張る漫画。 ヒロイン側にとってかなり都合の良い設定になっているけど、男の子の方が自分の夢ややりたいことを見つけた時に2人の関係は終わるのかな? 『QあんどA』よりこちらの方を連載して欲しいなあと思ってしまった。 失礼な話、久しぶりにあだち充の漫画を読んで満足したっていう感じだ。

  • 『ハレルヤオーバードライブ!』 (17話)小雨のギターが壊れたので、まもなくあるライブのために、部室にある曰く付きのギターを借りようとするが、ハルが貸してくれない、という話。 今回背の高い新キャラ部員登場。 新キャラの楽器店の娘もいるのに、小雨が借りられる予備のギターが1つしかないというのに違和感があった。 他の楽器担当でも使わなくなったギターの1つくらいあってもおかしくないし。 あと、ハルはあっさりギターを渡しすぎと思うし、話がとんとん拍子に進みすぎて、何か物足りないなあ。 主人公が葛藤しなさ過ぎと思う。

  • 『とある飛空士への追憶』 (14話)ファナが敵機を撃ったおかげで助かった話。 今回、シャルルが敵を褒めたり、敬意を表して挨拶したりしていたけど、先月号での過信やミスがかなり印象悪いものだったので、あの事は反省してないのか、と感じてしまった。 シャルルの性格が前回と断絶してるというか、シャルルが物事を以前の考えと繋げて考えずに、その時々の思いつきだけで生きてるみたいに見えてしまう。

  • 『ここが噂のエル・パラシオ』 (18話)エル・パラシオのみんなで海へ行く話。 ほとんどファンサービスみたいな回で、忠輔が、桜花にオイルを塗ったり溺れたのを助けたりして2人の親密度が増すのだけど、2人の関係に対して陽向が反応するように描かれないので、これまでの陽向の嫉妬描写はなんだったのかと思った。

  • 『Waltz』 (13話)首折り男に助けられた苺原が、蝉に連れられ逃亡してる途中で帽子男に遭遇し、再び一人で逃亡することになった苺原の携帯に首折り男から連絡が来る、という話。

    どんどん話が錯綜してるけど、首折りは苺原とは完全に別人だった。 醜態ばかりさらしていた苺原に挽回のチャンスが来そうな気配。 今回蝉が、帽子男に拉致された一般女性の顔を殴ったけど、あれ必要なシーンだったかなあ。 この漫画はストーリー展開自体は面白いけど主人公の蝉には自分は魅力を感じない。

  • 『バレてるよ!ジャンボリーヌ』 (2話)頭の大きな城の内が今度はパーマをかけて登校して、また中嶋が目立てないという話。 1話よりは面白かった。 城の内と生活指導の先生との、城の内が甘えるような関係の描き方はいかにも女性が描いた漫画って感じだ。

  • 『QあんどA』 (18話)主要登場人物達が合宿に行ったら台風に見舞われた、という話。 行き当たりばったりな話の進ませ方で、かつ、予想されうる展開はことごとく裏切るという、なかなかシニカルな仕立て。 庵堂弟だけは遊歩の裸を見てしまって続く。

  • 『FULL SWING』 (6話)前回登場した元暴走族の青年が、上京して板前の修業をしながら、隣に住むアニメのキャッらクターデザイナー志望の女の子と親交を深める話。

    アニメーターではなくいきなりキャラクターデザインの仕事をしようとしていたり、メイド喫茶で働いて、業界の人間と接点を作ろうとしてる事にかなり違和感を感じた。 女の子が川に向かって泣き叫んだりするのも、原作者のせいか、展開として古いと思ったけれども、駄目な状態から諦めずに頑張っていくという話の締め方は良かった。 前回のエピソードの方が面白かったかな。

  • 『まねこい』 (35、36話)合宿に行く新幹線の中で、ホンチーがみんなのために作ってきた料理を、ホンチーが料理下手なのを隠すためにハルが一人で食べようとする話と、伊勢神宮に行く途中で、手を洗う時の作法を学んだり、奈波が、階段でパンチラを撮ろうとする旅行客からホンチーを守ったりする話。 ホンチーがみんなのためにごはんを用意するのを見越してハルも料理を作ってきたり、奈波がパンチラ撮影からホンチーを守って、その奈波をハルが助けたり、その迷惑客をリアや猫太郎が懲らしめたり、という出来事の連鎖や細かい気遣い合いが読んでいて面白かった。

    ただ、音痴にしても、料理下手にしても、それを隠そうとするというのは、弱点を反省して改良するチャンスを奪ってるとも言えるので、前回隠し事をすることに罪悪感を感じている事が描写されたホンチーと、隠し事をしようとするハルとの意識のズレが、問題として表面化するのだろうかが気になる。 ちなみに、35話の表紙の女性は近藤なのか、髪を下ろした富永先生なのか分からなかった。

    何となく、人間化したリアや猫太郎みたいなのを主軸にした北崎拓的なシリアス要素の強い恋愛漫画も読んでみたい気がした。

  • 『モリタイシサイン会レポート』 横山裕二による、モリタイシのサイン会レポ漫画。 このレポートはこの作者にしては珍しく面白かった。 ブラックな要素を入れた方が面白くなるタイプなのかな。 巻末の「仕事場見たいし!」もこれくらい面白ければいいのに

  • 『リンドバーグ』 (18話)シャークがティルダを人質にしてエスペランサの前から逃げる話。 生意気なティルダも強権を振るう姉のいるせいでか可愛らしくおしとやかになってて、本来はこっちが素なのではと思わせる。 でも散々強気に描かれてきたのにシャークに抱えられてる間もずっと大人しいのには都合が良すぎる気もする。 絵心優先の人かと思ったけど、群像劇が面白いなあ。 シャークを芯にニットを脇に話が展開されてると凄く面白い。

  • 『イボンヌと遊ぼう!』 (19話)イボンヌ先生が授業で使っていた指し棒を無くしてしまったので、みんなで、前回お披露目されたイボンヌの謎の住居を探索しつつ指し棒を探す、という話。 学校生活がネタ切れになってきたので今度からイボンヌの部屋をメインに話を作るのかなあ、という感じ。 謎の部屋を通してイボンヌの謎に迫ったりもしそう。

    個人的に隠し部屋とか好きなせいもあってか、今回の話は面白かった。 探してる最中に見つかるものは特に他愛もないものばかりったけど、物探しが途中からファッションショートとか別の目的にすり替わっていったり、マコだけ物探しの展開が分岐して、2つの組の行動が平行して描かれるのが今までのこの漫画とノリが違ってて意外で良かった。 最後には2つの分岐が一つに戻るかと思ったら別れたままで2つエンディングがあるみたいになってるのも面白いと。 既にギャグ漫画でさえないけど、ほんわかしたまま突き進んでいって欲しい。

  • 『BULLET ARMERS』 (5話)新キャラのブリーダーとイオンが戦う話。 今回から"壊し屋"にベイカー、"トレマ使い"にブリーダーとルビを振ったりせずに、ブリーダー、トレマ、のカタカナのみで統一したようだけど、そもそも前も書いたけど、この用語自体がすぐ意味に直結できる言葉を使ってないので分かりづらい。 こういう言葉遣いを通してしまう編集には疑問を感じる。 

    で、内容については小気味良くバトルが展開されたなって以上の印象は残らなかった。 ただ、新キャラの少年が意識のまだあったベイカーを撃とうとする事に関してだけれども、少年がその助かったベイカーに対して言った「まだ残ってやがったか」というセリフと、他の倒れてるベイカー達も生きているという状態は、この少年のトレマの攻撃力を曖昧にして緊張感を削いでると思う。 

    撃たれた他がみんな死んで一人だけ生き残っているというのなら、その1人だけ生かしたら、また仲間を連れて襲いに来るから殺さないと危険だと思うけど、他もみんな生きてるのなら、意識のある残り1人だけまた気を失わせても意味がないと思うし、何よりも「まだ残ってやがったか」は「まだ生き残ってやがったか」という言葉から生死を曖昧にするために変えられたセリフに思えるのだ。

    この少年は、自分の攻撃から意識のあるブリーダーを守ろうとするイオンに対して、甘さが命取りになるんだという話をするわけだけど、こういうシビアな考えをする人間が、ブリーダーを死なない程度に攻撃するとは思えないし、やったらキャラがぶれてしまう。 だから、こういう考えの少年なのに、彼が攻撃したブリーダーがみんな生きているというのは、作品とは関係のない子供に殺人を犯させない雑誌側の規制かも知れないけど、なら、殺さない理由にちゃんと作品内で説得力を持たせて欲しいのだ。 機械や通信機器を破壊すれば当分追ってこれらないとか、殺しはしないけど再起不能にする特殊な弾であるとか。 意志を持つ機械が人を襲い、既にたくさんの人が簡単に死んでしまう世界観なのだから、少年達のバトルでの生死の扱いも曖昧にしないで欲しなあと思う。

  • 『アオイホノオ』 (30話)ホノオが車の本試験にまた落ちる話。 ホノオの妄想で試験が大げさになるんだけども、話を薄く伸ばしてるだけのようで楽しめなかった。

  • 『ぼくらのカプトン』 (22~24話)主将の妹って初登場だったかな。 この漫画は強面の主将が実はただの俗物だっていうのが面白さの肝だと思うけど、ここの所、主将がイメージアップされないのでただの面倒な奴に成り下がって漫画自体の印象も悪くなってる気がする。

  • 『アサギロ』 (18話)土方と野盗のお頭との戦いの他方、沖田はふて腐れて道を歩いていた、という話。 野盗の頭が賢い奴で、土方との戦いが凄く面白かった。

    自分が斬った野盗達が立ち上がり、まだ生きていた事に驚いた土方を見て人を殺した経験が浅いと見抜き、土方が剣で脛を狙った事から侍じゃないと判断する、というお頭の洞察を通して読者に土方の人となりを教えつつ、血糊がついた刀では切れ味が鈍るという事実を加えてフィクショナルな話のリアリティを補強するというのが作中で無理なく描かれていて凄いなと思った。 沖田の刀の意味を、山南達と土方の2人を合流させる事で次回まとめて教えるのかな?こういうのもご都合主義ながら上手いと思う。

  • 『マコトの王者』 (18話)大地の中のマコトが地元の大阪へ戻って、元暴走族の仲間と再会しつつ妹と仲直りして、天堂の中のマコトは、関係がおかしくなった天堂とフィアンセやトレーナーの仲を改善しようと動く話。 今回はどちらも人間関係を良くしようとしてて面白かった。 相変わらず大地のお転婆な妹が子供っぽい感じが出てて良いと思う。 しかし前にも書いたけどなぜ2つに分けてコミックス化したかなあ。 どっちも外伝みたいなものだから片方だけ読むと作品の力が弱くなる気がする。 前回出てきた感じの悪い大地の親戚は、今回大阪が舞台になってからまだ出ていないので次回以降に波乱がありそう。

  • 『妹先生 渚』 (6話)引き続き、渚の生徒とその父親との確執の話で、その少年の複雑な家庭環境が、さらに少し明かされた話。 前回終わり際にあった、渚と少年の父親との対決は次回に持ち越し。 今回は8ページ。 スランプなのかなあ。

  • 『透明人間になった日』 (読切)父親が、息子の誕生日に透明になれる薬をプレゼントする話。 ゲッサン2010年7月号に『夢のつづき。』という短編が掲載された、田岡りきの短編。 父親のちょっとしたセリフがオチへの伏線になってたのがビックリした。 4コマ漫画みたいなオチだし、終わってから先の先が気になってしまう所もあるけど、8ページで良くまとまっていたと思う。 この人も連載で読んでみたいなあ。

  • 『よしとおさま!』 (18話)よしとお達の学校が学園祭の最中に新たな刺客が登場。 しかもその刺客はサビ丸の師匠だった、という話。 またサビ丸が苦しんで同情を誘うような展開。 久しぶりによしとおの妹が出てきたけれども、やはり絵がアッサリしすぎて魅力がどこかないなあと思う。 前も書いたと思うけども。 可愛いけど何か足りない。

  • 『忍びの国』 (18話)信雄が無門に殺されそうになった時に大膳が助けに現れる、という話。 前回、無門が大膳との戦いを中断して、信雄を殺しに行き、今回はその無門に大膳が追いついて信雄を守るたのだけれども、大膳は、無門が信雄の元へ行っている間に何人もの忍びを相手に戦ってるのに追いつくのが早過ぎる。 それと、無門も大膳も強すぎて戦いに魅力を感じない。

  • 『いつかおまえとジルバを』 (26話)ジルバ達が墓場でおかしな運動会の予行演習をしてると、捨て猫のマリーも参加したがるという話。 マリーがジルバを好きになってるけど、この設定っていつからだっけか記憶にない。 ジルバと人間の関係を描くより猫同士の話の方が面白いかも。 

  • 『月の蛇』 (18話)飛虎が王進の弟子と戦い、翠華は顔に火傷のある男に捕まってしまう、という話。 王進の弟子だった男が使った奥義は九天夢幻という技で、九という名のつく通りに漫画でも実際に9回の連続攻撃を、擬音も含めて表現しているのが描写が細かくて良いなとは思ったけど、8回突いて9回目に斬りつけるその、最後の斬りつけるタイミングが、相手の防御がどういう形態になった時に斬りつけるのか分かればもっと良かったのに。 あと、飛虎の勝ち方は力業で勝ったようにしか見えないのも残念だった。 捕まってピンチの翠華は、出かけている青慈が助けるのだろうな。

  • 『第三世界の長井』 (17話)今回は長井が心の声で少ししゃべった以外は言葉を発しなかったせいか、今までよりは読みやすかった。 けど、自意識過剰なヒーローや宇宙人がイロモノとして扱われるっていう大枠の展開が、相変わらず、たとえば長井の変な線のタッチや、読みづらい台詞回しや、時々出てくる覚える必要があるのか分からないやたら多い漫画の設定その他のせいで、全然集中して楽しめない。 何度も書いてる気がするけどもっとネタを減らして整頓して欲しい。

  • 『楽神王』 (18話)楽人達が協力して奏でた音楽と楽神王の力で巨大な楽神を倒した後、シンダカートの本拠地であるコペルキオへ行き、封印が解けたマラーニモと戦う、という話。 マラーニモの顔がエヴァンゲリオンの初号機っぽかったな。 楽人と礼音が安易に仲直りして以降はただ話を進めてるだけのように思えてしまって面白くないなあ。 次回マラーニモの奏者が現れて恨み辛みを吐きそうなので少しだけ期待。

  • 『信長協奏曲』 (18話)サブローが、足利義昭を将軍にするための朝廷との折衝を、本物の信長にしてもらった後、岐阜城に戻る話。 明智に扮した本物の信長が最後まで良い人なのか野心を剥き出しにするのかが、今後気になるポイントかな。 前は本物の信長がサブローの身代わりに、というか本来の信長に戻って死ぬかと思ったけど、明智も3日後に殺されなくてはいけないので、サブローは本能寺でタイムスリップして現代に戻り、本物の信長は明智のまま死ぬって感じなのだろうか。


ゲッサンは掲載順に最初から読んでいるのだけど、この号は、最初の『アイドルA』がそれなりに面白かったせいもあってか、楽に読み進めることが出来た。 あと今月号は「ぼくの!わたしの!もぐもぐ一週間。」の2回目が掲載されていた。 今回は森茶が担当。

別冊付録のお祝い漫画等の感想は書かないけど、面子的には物足りない気もしつつ、北見けんいちや、武論尊など、ベテラン陣の描いたものがあたたかい感じで良かった。 しかし、小学館はゲッサン以外であだち充40周年記念をちゃんとやったのだろうか。

2011年5月19日木曜日

ゲッサン17号(2010年10月号)

  • 『ばれてるよ!ジャンボリーヌ』 (1話)ゲッサンルーキー、かんばまゆこの新連載。 転校生の中嶋が、転校をきっかけに学校で目立とうと思ったらもっと目立つ転校生がいた、という話。 主人公の頭が大きいという設定はすぐネタが尽きそうなんだけども大丈夫なのかなあ。 その謎の転校生である城ノ内が、1話目からカツラが大きいとかファッションが独特とか、なんか喧嘩に強いとかキャラ設定多いのと、説明的な長めのセリフも多いのが気になった。 詰め込みすぎで読み切りみたい。 自分が期待していたほどには面白みがなくて残念だった。 今後に期待。

  • 『QあんどA』 (17話)遊歩の兄が新人ホラー大賞に入選したり、陸上部の監督達が、合宿で女湯を覗く計画を断念して水着合宿に切り替えたり、庵堂弟や遊歩の周辺が騒がしくなりそうな気配で続くって感じの話。

  • 久しぶりにこの作品を読んでみて、兄が入選したのは審査委員長の老人と同じ病院に入院していた庵堂弟の裏工作ではないのか?と遊歩が疑い庵堂宅へ事実を問い詰めに来た、と見せかけて、庵堂弟にお礼のケーキを持ってきた、と思いきや、退院祝いのケーキを持ってきただけだった、とか、大内と小笠原が仲良く買い物へ行くように見せかけて途中で邪魔が入ったり、そういうちょっとした意外な展開の連鎖が、あだち漫画の面白さの一つなのだなと思った。

  • 『BULLET ARMORS』 (4話)壊し屋から逃げてきたイオンとセレナは、レッズを探す過程で強そうな壊し屋と新たなトレマ使いに出会う、という話。 イオン達が空から落ちてきたのが焼却炉か何かの煙突の中なんだけど、その煙突の中に落ちたのが絵で分かりづらかったし、イオンが家の屋上を飛び移るのに失敗してバレットの力で助かるんだけど、絵的に届かない向こうの壁にバレットの力で届いたのではなく、別に自分の手でも届きそうに見えたりと、絵による状況説明が分かりづらい所があるのが気になった。 ただ、絵自体はペンで描くのに多少慣れたのか雑さが減ったし、キャラクターの線は全体的に太めに見やすくなっていた。 新キャラ登場で、彼がイオンの仲間になるかライバルになりそうな予感。

  • 『よしとおさま!』 (17話)留年しそうなサビ丸に勉強をさせる話。 男同士の耳打ちを変にアップに描いたり、サビ丸のすね方などが、露骨にBLくさく見えて苦手だった。 少年誌で男の友情を恋愛っぽくするのは、何度か描いてると思うけど良いと思えないなあ。 BL的なものが好きな層を読者に増やしても少年誌の復興にはならないだろうし、そう言う趣向の読者も、与えられるのではなく自発的に妄想するものなのでは。

  • 『Waltz』 (12話)苺原は大藪に言われたことを守れず外出して殺されそうになり、蝉達はチクタクを出し抜こうと動き出す、という話。 苺原が死にかけてる時に、その殺し屋の首が何者かに捻られたから、やはり苺原が首折りで二重人格者だったのかな?と思わせる展開だった。 そんなに盛り上がる回ではなかったけど、犬を連れた殺し屋の本性の表し方とか、大きなコマの使い方が上手くてハッタリが小気味良かった。

  • 『とある飛空士への追憶』 (13話)空中戦の続き。 シャルルの、強い敵機へのちょっとした侮りと自分の作戦への過信から絶体絶命のピンチに陥って次号へ続く。 ただ、侮りや過信といっても最善の策は尽くしてたわけで、残念ながら相手がその上を行ったという話なのだけど、シャルルの反応が、ちょっと自分を過信したようなリアクションだったり、ファナを飛行機の重りにしか思ってない失礼な考えだったりがあって、いくらピンチに陥らせるためとはいえ、シャルルの株の下げ過ぎなのでは。

    特にファナとは、今までシャルルと気遣ったり気遣われたりの関係を描いてきてたわけで、なのにここに来て、ファナへのぞんざいな反応が出てきた引っかかった。 パニックでそう考えたって感じでもないし。 どうせ次回はファナの機転で逆転するんだろうけど、そうなってもこんなピンチの起こし方ではシャルルの印象は悪いままではないかなあ。 原作通りかは分からないけど、今まで積み上げた物を駄目にしたような回だったと思う。 そして、相変わらず空中戦は空間が分かりづらかった。

  • 『ハレルヤオーバードライブ!』 (16話)小雨達のバンド名を決める話。 小雨と冬夜が言い合いしてる時のそれぞれの表情が、絵は綺麗だけど言い合いしてるような感情剥き出しな顔には見えなかったな。 あと小雨とハルの距離が簡単に縮まりすぎだと思う。

  • 『まねこい』 (33話、34話)ホンチーも合宿に行ける事になったけど、ホンチーは父親に隠し事をしてるのを気に病んでいて、それをハル達が励ますという話と、猫太郎とリアも結局一緒に合宿に付きそう事になる話。 久しぶりに読むとなんだかゴチャゴチャした感じがした。 話の流れと、その流れの中での登場人物達の喜怒哀楽がなんか噛み合ってないというか。 あとリアのエッチなファンサービスが、あざとい割りには魅力がなくて意味ない気がした。 ハルのホンチーへの励ましの言葉は、長くしゃべった割りに全く説得力がなかったなあ。 ホンチーは今回は可愛かった。

  • 『アサギロ』 (17話)沖田は刀を無くした事を近藤に咎められ、見つけるまで道場へ戻ることを許されなくなり、刀を沖田へ返そうとする土方は盗賊の頭に見つかってしまう、という話。 身勝手な沖田がとうとう近藤に殴られたり、土方がピンチになったりと一応面白かった。

  • 『FULL SWING』 (5話)前回女の子に振られた青年が、介護をしている老婦人の仲介で、暴走族上がりの少女と付き合うようになる話。 話の展開自体は、少女が以前喧嘩したレディースが男連れで仕返しに来たのを青年が体を張って止めたら、青年の元暴走族の友人が助けに来るという、 ありがち且つ古い展開なのだけど、無言で立ってるキャラクターの何とも言えない雰囲気とか味わいがあって良いと思う。

    女は不良っぽい男に惹かれるという老婦人の言葉で始まり、青年の前に不良少女が現れることで、男は派手じゃない家庭的な女に惹かれるという対比を暗示しつつ、この2人の男女は人柄で惹かれあうのだという構成が上手いなと思ったけど、もし、この漫画家が自分で話を作ったなら、もっと違った、ソフトな喧嘩の仲裁や解決をさせそう。 でも、青年が出会ったばかり少女のことをどう思ってたかとか、2人の内面をほとんど描かずくっつけたのは良いような悪いような、なんか不思議な感じがした。

  • 『イボンヌと遊ぼう!』 (17話)学校のミューズ像の影にある秘密の扉の先にはイボンヌの部屋があって、みんなでそこへお邪魔するという話。 レッサーパンダのクッキーの失敗作の形の描き方が相変わらず面白い方向の変さではなかったな。 この漫画家も顔がハンコのように画一化しがちなので、もう少し表情にバリエーションがあったらいいなと思う。 しかし、他愛もないほのぼのした雰囲気だけども、今回、消えたミューズ像はどこかへ結局消えたままという謎の投げっぱなしの豪快さよ。

  • 『アオイホノオ』 (29話)喫茶店で、庵野・山賀と武田・沢村組が出会う話。 ほとんどガイナックス物語といった所。 武田と山賀の反りの合わない同士の関係の描き方が面白かった。

  • 『忍びの国』 (17話)戦いの最中、無門はお国に言われて大膳との戦いをやめ信雄を探しに行き、他方で平兵衛は父と再会するが、父は平兵衛に助けを求めつつも左京亮に殺される、という話。 やっと平兵衛が話の中に加わりだしたけど、父を恨んでるはずなのに自分で手を下さず傍観するだけという、目立つ脇役でしかない扱いが悲しい。

  • 『ここが噂のエル・パラシオ』 (17話)子供好きな万里子は、自分の作ったお菓子を食べてもらいたくて、夏休みに子供達をジムへ招待するのだけども、自分はプロレスのヒール役で、子供が怖がるといけないから、用事を作ってその場からは消えるのだった、という話。

    今回の話は、子供がプロレスの約束事を分からないという事をうまく生かしてるのだけれども、忠輔が万里子を無理強いして子供達の元へ連れて行こうとするのなら、万里子が断固固辞するか、 子供達が万里子を怖がるのを忠輔の機転でどうにかするでないと、話として締まらないんじゃないだろうかと思った。 結局万里子が現れると、予想通りに子供が怖がって、原因を作った忠輔がそれをどうすることも出来ない考え無し、という悪い印象だけが残ってしまったし。 それに、子供達がお菓子をたくさん食べていたことを知って万里子は喜んで話を締めていたけど、お菓子を食べてもらったのは初めてではないのだから、怖がられたのと同じでただの再確認だし。

  • 『月の蛇』 (17話)梁山泊から2人の刺客が送り込まれ、別行動をすることになった飛虎と翠華の前にそれぞれ現れる、という話。 飛虎は勝手に梁山泊の所へ行こうとするし、翠華は一人で酒場で飲んでるしで、梁山泊に喧嘩を売ってるのに危機管理が全然なってないような展開はちょっと杜撰な感じがした。 飛虎も翠華もどっちもまぬけに見えてしまう。 あと、飛虎の顔が妙に甘いマスクに見えたけど前からだったっけかな。 翠華の顔がどことなく細野不二彦キャラっぽい。

  • 『妹先生 渚』 (5話)生徒と父親との確執に介入した渚が、確執の原因がその生徒の母親にありそうだと気づく話。 1話からずっとだけれど、自分には渚の熱血が浮いてるように思えるのに、作中ではそれなりに馴染んで機能してるのが違和感の理由だな。 どこか中途半端というか急ぎすぎというか、話の進み方に散漫な印象を受ける回だった。

    今回も、この作品は月刊誌なのに16ページと、ゲッサン連載のストーリー物品としては少なく、後のページにまたもや新人の読み切りがあった。 もちろん今までと同じく巻末の目次に読み切りが載っていないので、今回の読み切りも代替原稿のようなイレギュラーなものと思われる。 作者に量産できない事情があるのかスランプなのか気になる。

  • 『愛のことだま』 (読切)ゲッサンにたびたび掲載されているルーキー、瀬戸ミクモの短編。 女の子に振られ続ける青年が、やっぱり振られてしまう話。 1アイデアでやり通すのは面白いと思ったし、オチの勘違いもひねりが弱いけどまあまあかなあ。 でも、主人公がなぜ告白するのか、本当に付き合いたいと思ってるのか、告白した相手に本当に好きな女性はいたのか、みたいな根本がおざなりにされてるのはいいのだろうか。 まあ8ページだし、内面をすっかり切り捨てたのが逆に潔いとも思うけれども。

  • 『コートチェンジ』 (読切)以前ゲッサンに『僕らを染めたバーミリオン』という、ちょっとした淡い恋心を描いた漫画が掲載された雪丸の短編。 この漫画家の新作待っていました。 

    今回は、バスケ部の2人のちょっとした友情と別れを描いた話で、前回も卒業と別れの話を夕暮れを舞台に描いていたし、設定がほとんど同じなのが気になったけど思い入れでもあるのかな? 夕暮れ漫画家として頑張るのだろうか。 

    2人がバスケをしながら、会話だけで過去とこれからの話を無理なく描き切っているので構成力がある人だなと思ったけど、キイロの最後の泣き顔が妙に可愛らしくて、こういう顔は男同士の間で見せないと思うし、ちょっと気味が悪かったかな。 それ以前に、泣き顔のアップは押しつける感じがあるので苦手だった。 でもやはりこの漫画家は良いと思う。

  • 『いつかおまえとジルバを』 (25話)ネコミミ娘が神社でバイトを始めたが、悪霊に取り憑かれてしまい、なのに本人はそれに気づいてないという話。 猫には霊が見えるみたいなしばしば聞く話を膨らませたのだと思うけど、相変わらず日常の延長じゃなく思いつきで話を作った感があるなあという感じの漫画だった。

  • 『ぼくらのカプトン』 (19、20、21話)主人公である主将の顔がやたらデフォルメされたり顔芸やったりしてたけど、この漫画って、主将だけは何があっても表情をあまり変えないのがギャグ漫画としてのキモじゃなかったっけか。 他の回がどうだったかいまいち思い出せないけど。 今回は絵のタッチを変えたり色々やっていたけど、そのことで面白さがUPしたって風には思えなかったかな。

  • 『リンドバーグ』 (17話)女王エスペランサとシャークが対峙する中、エスペランサの話でニットの父親が生存してそうだと分かったり、ティルダは姉の前では気弱でリンドバーグを大切に思っていたりなどが分かった話。 

    こんなに面白かったっけ?と読み進めてる途中でニットが主人公なのだったと思い出した。 ニットやプラモをが脇役になってた方が面白いなあ。 というか、いつからかは知らないけど少年を主人公にして、その少年を煩わしく感じさせるような漫画が結構多いように思う。 で、エスペランサは満を持して作中に出てきた割りには、服装がゴチャゴチャし過ぎてたり魅力ある人物には見えなかったなあ。 衣装チェンジした時にまた印象が大きく変わりそう。 ティルダはシャークに惚れそうな気配。

  • 『第三世界の長井』 (16話)今回は7ページ。 冒頭の「たった一つの命を捨てられていた。(気づいたのは昨日)」っていうフレーズは、似たものを何かの詩集で読んだことがあった気がするので、何かの詩のパロディではないかと思うのだけど、思い出せなかった。 相変わらず言葉のチョイスにこだわりを持ってるようだけど、ややっこしいだけにしか思えないなあ。

  • 『マコトの王者』 (17話)天堂の中に入ったマコトが、ボクシングスタイルを、がむしゃらなスタイルから技術的な方向に変えたり、大地の中のマコトは、大地達を見捨てた親戚が金の匂いを嗅ぎつけ大地達の前へ現れ一悶着起こす、という話。 天堂の中のマコトはボクシングを成長させ、大地の中のマコトは人間関係を成長させるっってのは今までもそうだっけかな。 スパーリングや親戚とのいざこざは大波乱の前の小波乱って感じ。 次回は大地家が大阪へ帰郷するようなのでどうなるか楽しみ。

  • 『楽神王』 (17話)シンダカートの巨大な楽神と戦うべく、ついに楽人が楽神王を呼び寄せたが、楽神王とは、アルモーニカを含めた4体の楽神が合体した姿だった、という話。

    まず、絵で何が起きてるのか全然分からない。 敵の猛攻に遭ってるのも分からないし、敵の巨大な楽神が楽人達へ近づいてるのも、楽人達の楽神4体が合体して楽神王になったのも、説明セリフがないと全然分からないというのは良くないと思う。 絵による状況説明や臨場感の表現が雑すぎるのではないかなあ。 擬音が付いてないコマはとことん無くて、合体など、何が起きてるか分かりづらいのはその擬音が無いコマのせいでもあると思う。 擬音がない事でコマは見やすくなってるけど、本末転倒というか。

    ついに、タイトルにもなっている楽神王が出てきたけど、いまいち盛り上がらない感じ。 楽神王が、4体合体してなったり、既存の楽神の中に楽神王になる楽神があったり、意外性はあっただけども、その意外性が話の盛り上げ役として生きてないのがもったいなかった。

  • 『信長協奏曲』 (17話)信長が上洛前に足利義昭と会ったり、上洛途中で浅井長政や長政へ嫁いだお市に会ったり、南近江の六角義治を退けたりする話。 展開は駆け足だったけど、お市が魅力的に描かれて何より。 本当の信長である明智の目線で織田の躍進が語られ出して、今後話の軸が明智になることもあるのかなと思った。


----別冊付録 ゲッサンルーキーズ読切 Special FILE----

  • 『ヒトミちゃんのめざまし』 かんばまゆこの作品。 一人暮らしをする女の子の家に人間目覚まし時計がやってくる話。 二度寝する話だけ面白かった。

  • 『博士の愛した人造人間』 佐伯幸之助作。 博士が娘欲しさに人造人間を作ったら、出来上がった娘は、自分が戦うために作られたと勘違いしていて、というコメディ。 絵はこなれてるからアシスタント経験がある人なんだろうか。 アホ毛とかツインテールとかメイド服とか、散々使い倒されてる記号が使われてるのが、またこの手の漫画かって感じなのだけど、これらを使わなくても成立する内容だと思うし、普通に作ったらキャラが弱いと思い追加でもしたのかな。 「やんよ」って言葉遣いもそうだし。

    以前掲載された短編の『レバー』もそうだけど、博士なり人造人間なりの設定が緩いと思う。 たとえば、メアリーは最後まで人間と変わらない行動をするので、体の線以外にも人造人間らしさみたいなものがないと人造人間という設定にした意味がないと思うし。

  • 『LIAR MAN』 雪丸作。 最後があっさりし過ぎてもう1ページくらい欲しかったけど、やはりこの漫画家は情感の表現が上手いと思う。 ゲッサンルーキーの中では一番才能あるんじゃないかな。 彼女にウソをつき続けて虚しくなっていたり、試合の重要な場面で自分が代打に指名されて不安になっていたりする主人公の気持ちが上手く表現されていたと思う。 

    でも、主人公に対して嫌な感じの後輩の性格は、クライマックスで主人公と関わるわけでもないし、ここまで悪くキャラを立たせなくても良い気がした。 もしかしたらなんか削ったエピソードがあるのかも知れないけれども。

    ただ、1つ引っかかるのは、この短編も、今月号の本編に載った短編や前に掲載された短編でも、みんな何かが終わる話、切羽詰まったシチュエーションで、話が盛り上がりやすい設定な所だな。 『LIAR MAN』は高校球児の最後の夏の話だし。 こういう設定のを取っ払った時に、それでも盛り上がるような話を作れるのかが気になる。 個人的にはゲッサンで早めに連載を始める事を期待しています。

  • 『ヴァラドラ』 梅内創太作。 吸血鬼と人狼の血を引き、吸血鬼の王の心臓によって生きながらえた双子の物語。 片方が暴走タイプで、暴走してピンチになったらもう片方が助けに来るっていうありがちのパターンでだったけど、テオが助けに来るまでは敵とやり合う時のコマの割りが小気味良くて面白かった。 来て2人で戦うようになってからは、2人とも余裕で舐めた態度だったし、敵との力の均衡が崩れて戦いに緊張感が無くなったのが物足りなかった。

    個人的には、やさ男風味の双子のルックスは苦手だし、主人公の服装も主人公達として地味と思ったけども設定は結構面白いし、この新人もちょっと気になった。

    ところで、ニコが、自分を爪が自由に出し入れできるって言ってるけど、拳から出てるから、あれは骨ではあっても爪ではないのではないかな まあ吸血鬼か人狼は拳に爪がある設定なのかも知れない。 ちなみに、作者を検索したら、クラブサンデーに『パストドリーマー』という作品がUPされていたので読んだのだけども、その漫画も双子の物語だった。


「ルーキー紹介してみる!」が、出張版として巻末から独立し、雑誌の真ん中より前辺りに掲載されていて、今回は新連載を始めたかんばまゆこのインタビューだった。 質問に全部ふざけて答えているので、そういうのもアリとは思うけど、どういう人物か知りたい自分にとっては読んでいて面倒だった。 ただ、この企画はこれからも続けて欲しい。

今回の巻末の「仕事場見たいし!」は、あだち充一行の甲子園観戦ツアーの話なんだけど、内容はほとんどが作者である横山裕二の恨み節で、観戦内容は次回へ続くようだった。 面白くないわけではないけど、正直この内容では6ページもいらないと思う。 ってか、先月号から巻末で始まった「ぼくの!わたしの!もぐもぐ一週間。」ってコーナーがいきなり休載だった。

あと、この号を読んでる途中で『いつか空から』が不定期シリーズ連載だと前号に書いてあった事に気づいたっていうか、今月号は『いつか空から』は休載なのだけれども、雑誌の不定期連載というものが、自分は基本的に好きではないので、こういう連載の仕方はやめて欲しいと思った。 人気漫画家の不定期連載が多いのも、単行本派が増えたり雑誌不振の原因になる一つではないのかなあ。 不定期連載が無いのもゲッサンの魅力の一つだったので、この雑誌を購読し続ける理由の一つが消えた。

というわけで、ゲッサンを久しぶりに読んだわけだけれども、読むのがしんどかった。 しばらく雑誌を全作品通して読んでいなかったせいもあってか、読むエンジンがかかってない状態で無理矢理読んでいるような気の重い感じ。 少なくともこの号には購読を続けたくなる魅力は弱かったように思う。 まあ雑誌自体は現時点で2011年5月号まで購入済みなのだけれども。 ただ、別冊付録の新人とか、期待してるし頑張って欲しいと思う。

2011年5月18日水曜日

Bloggerのデザインを少し弄った。

少し前にも弄ってたのだけど、
今回もスタイルシートの

outer-wrapper、sidebar-wrapper
をまた少し広げて、.post h3 内の
記事のタイトルの下を10PX広げて
本文の記事から少し離したり
右のサイドバーを右に寄せようと思って、
sidebarにmargin-left:70px;
を加えてみた。



ところで、Bloggerのデザイン設定には、大分前にテンプレートデザイナーというものが出来て、デザインを見ながら分かりやすく変えられる機能が出来て、良さげだし自分も使おうと思っていたんだけども、これができて以降、どうもBloggerのブログで、ブラウザのスクリプトをオフにしていると記事が見られないブログが増えたようで、もしかしたらテンプレートデザイナーで作るとそうなってしまうのかな?と思って結局便利そうな機能を使わないまま今に至っている。

といっても、スクリプトオフにしていたら今でもサイドバーの日付の▼をクリックしてラベルを開いたり、検索欄が開かないのが不便だったりはするのだけども、ただ、前はそんな落ちることもなかったのに、IEでbloggerを見ると、そのスクリプトをONにしないと記事が見られないブログを、スクリプトをONにした時に表示が途中で中止されてエラーになる事が増えたのが凄く困る。 ちなみにゲッサンの公式サイトもそのせいで落ちてしまい、スクリプトをOFFにした状態でブログを見るのがやっとな状態だ。 IE以外を使おうという事かも知れない。



ちなみに今回すっかり忘れたタグ等を確認するのに参照させていただいたサイト。 ありがたいです。

TAG index
http://www.tagindex.com/index.html
css プロパティの値
http://xn--yck7ccu3lc7455coj5arwgo74a.jp/px.html

2011年5月6日金曜日

ゲッサン16号(2010年09月号)

  • 『まねこい』 (31、32話)ハルの幼なじみである有井の機転で、冨永先生が拒否し続けていたハル達の部活旅行の引率を引き受ける、という話。 話の収まり方は悪くなかったし、主人公が自分の努力で何とかしようとするのはいいけど、こういうハルがピンチの時に猫太郎に助けてもらいつつ反省や成長をするっていうパターンが完全に捨てられているなあ。 これならこの作品に猫太郎はもういらないも同じじゃないか。 あと、旅行に行くか行かないかで話を何号も引っ張りすぎと思った。 毎度2話連載の漫画で4ヶ月もかけてやる話とは思えなかったし。

    この部活旅行に行く話では、新キャラの登場と有井の掘り下げをやっていたけれども、旅行の折衝を引き伸ばさないと描けないのはどうかと思う。 ってかもう世間では夏休み終わるし。 ところで、巻末の目次ページに載っているホンチーの画はかなり可愛いんだけど、これって本編からの転載なのかな。 だとしたらかなり前の連載と思うけど、ヒロインなんだし今の本編でもああいう風に可愛く描けばいいのにと思う。 『今日のあすかショー』は月スピの再録なので感想は省略。

  • 『QあんどA』 (16話)幽霊である庵堂兄の策略で、遊歩の兄がホラー大賞に入選したり、遊歩達が合宿で露天風呂を覗かれずに済んだりと、弟の入院が延長した以外は都合良く話が進んだ回。 毎度の事だけど、庵堂弟は話の中心にいるのに脇役同然で全然活躍してないよなあ。

  • 『いつか空から』 (2話)前回、両親から自分が宇宙人とのハーフで、悪い宇宙人と戦え、と言われた主人公が、友達のピンチを助けようとしたら、なぜか自分が若い頃の母親に変身してしまい、逆に友人達に助けてもらうはめになった、という話。 今回は結構面白かった。 宇宙人が侵略や危害を加えに地球へくるのではなくいたずらをしにくる事とか、今現在の姿ではなく若い頃の母親に変身してしまうのは、年齢をイメージしないと自分と同じ年齢の人間になってしまうからだとか、そういう設定のひねり方がちょっと良かった。 ただ、セリフで「軽い」って言葉を使い過ぎだと思った。 前回全然無かったのに。

  • 『FULL SWING』 (4話)介護施設で働く陽子といい加減な生活を送る彼氏が、陽子の職場の青年を通して仲直りするという話。 月並みな話なんだけど、作品の間っていうのか、雰囲気が悪くなかった。 この漫画家は登場人物にうっすら影を感じさせるのが味だと思うけど、それが今回上手く言った感じ。 もう少し仕事や同棲に生活感があれば更に良かったかも。

  • 『信長協奏曲』 (16話)信長の妹の市が浅井長政との縁談を嫌がっていたのを、顔と正体を隠したそっくりさんじゃない本当の兄である信長の助言によって受け入れるという話。 自由奔放な市が凄く魅力的で良かったんだけど、サブローは信長の天下統一のために他人を道具としか思ってないような感じがあってちょっと引っかかった。 他人の心の機微に対しても悪い意味で大ざっぱというか、史実通りに話を進めるために信長に扮したサブローの株を下げてしまった感じがする。 それにしても市は美人に描けてるとは思えないのに本当に魅力的に受け取れて凄いと思う。

  • 『とある飛空士への追憶』 (12話)戦闘機が14対1で圧倒的にシャルル達の不利だったにもかかわらず、敵のエースが仲間を下がらせ1対1の勝負を挑んで来たので何とかなりそうかも?、という話。 今回も敵がシャルルを絶賛していた。 面白いんだけど、漫画が面白いと言うよりもセリフ?が面白いという感じ。 今回は戦闘機がかなりマシに描けてたけど本人が描いたのだろうか。

  • 『ハレルヤオーバードライブ!』 (15話)タンポポがメタりかに入部したり、部長を好きになったりした過去のいきさつ話。 女の子達が可愛く描かれてたけど、キャラクターデザインのせいもあってか全体的に登場人物の表情の変化がハンコ顔気味で単調に感じた。

  • 『Waltz』 (11話)苺原が首折り男に、匿われた家から一週間外出するなと言われた後で、自分を学校で虐めていた相手から誘いの電話がかかってきたり、他方、蝉は殺し屋の仕事の続行を決意したり、チクタクに首折り男の殺害依頼をした帽子卿は異常犯罪者で新たに女性を襲ってしまう、という色々交錯した回。 いやあ漫画としては面白いんだけど、何度も書いてるけど蝉のリアクションが苦手だ。 男に対して女性的な反応をさせるのが読んでいて気持ちよくないのだよな。 それにしても首折り男は本当に良い人?かも知れなかったり、色々重層的に話が展開して先が気になって良い感じだ。 関係ないけど、こういう登場人物達が別々の場所で同時展開するような構成を『まねこい』でも読みたい。

  • 『妹先生 渚』 (4話)夏休み中に、渚のクラスの日高が大人に対して反抗的だった理由が明らかになる話。 相変わらず登場人物達の感情表現がちょっとオーバーに騒がしく感じてしまい、作品を読むのに集中しづらい感じなのが勿体ないかも。 今回もページ数が少ないけど先々月あったような話の進み方に対する違和感は感じなかった。

  • 『GOVERNMENTS』 (読切)賞金稼ぎ?の話。 例によって、『妹先生渚』が今月も22ページでその後にこの短編があった。 もちろん、ゲッサン14号と同じく巻末の目次にこの漫画は載って
    いないので、『妹先生 渚』の少ページ分の穴埋め掲載かと思われる。 今回も、編集長代理の読み切りへの紹介文は無し。 

    8ページにしては纏まってたかなあ。 ただ全ページを使って主要人物2人のパーソナリティを説明していて、その説明と物語の進行を上手く絡めてたのは良いけど、賞金稼ぎ?の2人の行動がスムーズに運びすぎて緊張かがほぼ無かったのが気になった。 画はこなれた感じで安定してるんだけど、画も物語も既視感を感じてしまい特に印象には残らなかったかな。 新人なのでもう少し新鮮味が欲しかったというか。 そのうち連載化しそうな感じがしたけどどうなるんだろうか。

  • 『BULLET ARMORS』 (3話)イオンが新しい街へやってきて、トレマ掃討作戦に巻き込まれたり、旅をするトレマ使いのセレナに出会う話。 壊し屋に襲われたり色々な事が起こるのだけどなんかピンと来なかった。 相変わらず背景を描かなすぎだったりキャラを雑に描いてる所があったり成長途中という感じ。 これからジャンプ漫画みたいに仲間がどんどん増えそうな予感。

  • 『アオイホノオ』 (28話)ホノオが本免許試験をしている頃、庵野・山賀・赤井達は山賀の妹の来訪と、SF大会からの仕事の依頼とでバタバタし出した、という話。 ホノオのエピソードを簡潔にして庵野達のエピソードをじっくり描けばいいのに。 自動車免許編は自分的にかなりだれてきた。

  • 『よしとおさま!』 (16話)戦後の孤児のような生活をするよしとおと一緒にサビ丸が暮らしだしてからよしとおの記憶が消されるまでの記憶を、現在のよしとおが思い出し、目覚めるとまた忘れてしまった、という話。 先月のサビ丸の冷たい表情に関係したような展開はなくて、あれはなんだったのかと肩すかしを食らった気持ちだけど、今のサビ丸がよしとおの事を本心ではどう思っているかは今後の持ち越しなのかな。 サビ丸に同情させようという方向は自分的に好きじゃないなあ。

  • 『ぼくらのカプトン』 (16~18話)まず16話は、雨に濡れた女子高生のブラが透けているのを見たくて、主将が雨の日にわざわざ自転車で通学した、という設定が、これ歩いても見れるしんぜあえて自転車なのか分からなかったし、17話の、後輩が部活に呼び出されたら主将以外誰も来てなかったってのは何回やってるんだって話で、しかも、くり返しの面白さがあるわけでもないし、18話の、綺麗な女の子の飲みかけのジュースを飲みたいって話でマネージャーの飲みかけをみんな嫌がるのはオチのひねりは良いと思ったけど、読者に女子マネージャーがクラブの男子に恋愛感情を持ってるというミスリードが弱いしで、全体的にいまいちだった。 もしかして自転車なのは、ブラが透けてる女性とを捜し回るためなのだろうか?

  • 『アサギロ』 (16話)土方が3人の野盗のうち1人を殺したら、その野盗はもっと大人数の集団の一味だったという事が発覚して、集団で仕返しに来られた土方は逃げるのだけど、野盗の親玉が凶悪な人間で捕まったら本格的にやばそうだという事で続く、な話。

    話は面白いけど野盗との斬り合いがいまいち迫力無くて残念。 刀の構え方や斬り方は、勢いで自分の足を斬らないようなポーズだったように思うけど、事実に基づいて作画してるのかな? 
    それにしても、斬られた仲間の手から血を浴びるように飲んだりとか、野盗の頭が残忍だったりとか、脇役をこんな残酷さで妙に目立たせて作品のバランスは大丈夫なんだろうかと思ってしまった。

    ところで、作者が巻末のコメント欄で、そのコメントの締めきりを愚痴っていた。 色んな雑誌で時々漫画家がコメント欄に対する愚痴を書いているけど、それは読者には関係ないんで内々で処理して欲しい。

  • 『いつかおまえとジルバを』 (24話)猫一行が海へ行く話。 なんだけど、地球は丸いかどうか長老とジルバが言い合うだけなので、もっと海にちなんだネタがあっても良かった気がした。 猫達が海へ行った感じがしないっていうか、海から連想して出来上がっただけのような話っていうか。

  • 『ここが噂のエル・パラシオ』 (16話)陽向が忠輔と桜花の関係に気を病んでいたせいで、練習中に怪我をしてしまい、でも立ち直る、という話。 長々落ち込まれても困るけど立ち直るのが簡単すぎると思った。 話として何も盛り上がらない立ち直り方だったし。 素人の忠輔なりにプロレスを勉強してるっていう事と陽向の立ち直りを、もっと関連付けられてたらいいのに。 ところで、今月の扉絵のカラーだけを見ると、まるで面白そうな漫画に思えてくる不思議。

  • 『マコトの王者』 (16話)大地に入ったマコトがベルトを奪取し、天堂に入ったマコトの練習中にハッパをかけに来る話。 コンパクトに纏めるには仕方ないのかも知れないけど、マコトの勝ち方があっさりし過ぎだし、大地の妹達との関係をもうちょっと描いて欲しかったかなあ。 天堂に入ったマコトの方は、練習シーンのブラジャーネタが、読んでいておもしろいと思えなかった。

  • 『忍びの国』 (16話)天膳が平楽寺に攻め込み、お国に危機が迫った直前に無門が助けに来る、という話。 大きな話の流れとは別に、今回の話のキモは、お国が自分の弱さを知り夫となるべき無門の強さを知る、という所なんだけど、お国は簡単に助けられてしまうし、無門に都合良く運び過ぎなのが展開のいまいちさになってると思う。 何度も書いてるけど、無門が無敵過ぎるのでハラハラしないし。 あと兄弟の死をきっかけに伊賀から寝返った忍がやっと出てきたけど、脇役扱い過ぎて悲しい。 ゲッサンのサイトのコメントで、作者が4巻で完結と書いていたので、全20話くらいになるのかな?

  • 『イボンヌと遊ぼう!』 (17話)怖がった事のないはじめのために、みんなでお化け屋敷をして怖がらせようとする話。 ありがちな話をありがちにこなしてしまったって感じ。 イボンヌの仲良しグループを見てると、面白いことをする才能のない人達が一生懸命面白いことをしようとして毎回失敗するような切なさを感じてしまう。

     今回の話と関係ないけど、この漫画がほのぼのしてるのは、男女のグループ内に恋愛要素が入ってこないからなのかなあと思った。 今まで読んできてイボンヌが先生である必要性は無いと思えるのだけど、もしイボンヌも生徒だったとすると、別の明らかに大人の先生が出てきたり、はじめとイボンヌの関係に恋愛めいた要素が出てきたりして作品やグループの雰囲気が変わるのかな。 いや変わらない気もする。

  • 『楽神王』 (16話)楽人が連れてこられた異世界で、音楽に何があったかや、シンダカートがどんな暗躍をしていたかが語られて、そんな最中に礼音の助言もあって、楽人が楽神王を呼び出すことを決意するという話。 毎回だけど、顔が歪んだり目鼻立ちのバランスが良くないんで
    もうちょっと丁寧に描いて欲しいと思う。 あと、ヴェリタの部下が久々に出たと思ったら、ドメーニカの超巨大楽神の攻撃で辺り一体ごと消し去られてしまったのだけれども、楽人達のいる場所の風景が全然描かれていないので、部下達がどの方向からやって来たのかや、超巨大楽神がその場所のどれくらいの広範囲を攻撃したかという攻撃力の凄さなどがよく分からなくて困ってしまった。 背景を略した顔のアップやバストくらいまでのコマが多過ぎるし。 それにヴェリタがパルーソに簡単に文句言われたり、今までの重く恐ろしいキャラ作りは何だったのかと言わんばかりの安っぽいキャラ化してしまって悲しかった。 相変わらずドメーニカ側には人の気配がしないし、話や話の流れ自体は面白いと思うけど、絵としての見せ方がかなり物足りなかった。

  • 『月の蛇』 (16話)若い頃の飛虎が、王進の下で腕を磨く最中、蛇矛にまつわる物語が明かされる、という話。 飛虎の過去編終了。 蛇矛にまつわる言い伝えの中の、強さを求める2人に蛇矛が与えられた事の意味がよく分からなかったけど、後のエピソードで明かされるのだろうか。 強さに見合う武器が無くていつも武器がすぐ壊れてたとかなら分かるのだけども。

  • 『第三世界の長井』 (15話)実写画像を出してきたけど、少しも面白さに繋がっていない気がする。 作者の父親とかなのだろうか。 今回も言葉尻を色々いじってて読みづらかった。

  • 『リンドバーグ』 (16話)シャークが交戦し、ニットがゴールに差し掛かったその時、巨大飛空船と共に女王エスペランサ登場、という話。

    こんなに漫画のコマ運び上手かったっけ?ってくらい良かった。 前回と比べたらゴチャゴチャせずに見やすくなった気がする。 でも遠景ぎみのコマになった時に主要キャラなのか脇キャラなのか分かりにくかったり戦闘時の空間が分からなかったりは相変わらずで残念。 あとティルダの顔のバランスがおかしいのが美形キャラだけにもったいなかった。 今回もシャーク側をメインに話が進んだけど、エスペランサが現れて、シャークがエスペランサの下を去った理由が次回明かされたりするのかな?


ゲッサンルーキーとして何度か短編読み切りを掲載されていたかんばまゆこが次号から新連載とのことだけど、かんばまゆこはルーキーの中では画がかなり下手なものの、一番独創的な漫画を描いていたし、ギャグ漫画としてそれなりに面白かったので妥当な連載決定だと思う。

今月から巻末で、「ぼくの!わたしの!もぐもぐ一週間。」という、漫画家の一週間の食事事情を簡潔に描いた1ページ連載が始まった。 ゲッサン10号に一度だけ掲載された画家のレシピを紹介する「ちょっと腹ごしらえ。」のコーナーは再開される事がなかったけど、それの別アレンジ版みたいな連載だろうか。 まあ、自炊しない人や、オリジナル料理の無い漫画家ばかりだと、レシピを紹介する連載は成立しないだろうし、一種の日記形式なら連載として成立しやすいのかな。 でも内容はただの簡単な食事日記なので読んでいて特に面白いとは思えなかった。


というわけで、ゲッサンの感想も再開。
この号の感想は、ちょっと記憶が曖昧だけども、大分前にメモをし終えていたので、改めてこの号のゲッサンを一から読み直しはしなかったけど、次号からまた新しく読み始めるので、半年以上の空白が何か感想に影響を与えるかも知れない。 まあ感想を書くのは義務とは違うのだけども。

2011年5月5日木曜日

月刊スピリッツ13号(2010年10月号)

漫画に関して、だけではないけど久しぶりの更新です。
月スピの感想はこの号で購読中止にしたのでこの雑誌に関してはこれが最後の更新になります。

この号は、当時発売されたのを買って早い目に読み終えていたのだけど、感想のメモを取る前に、漫画の内容や、どの作品の感想を書こうと思っていたか忘れてしまったので、改めて漫画だけ読み直しました。 しかも、久しぶりに月スピを読んだせいか、月スピを連続して読んでいた頃とは連載漫画との距離感が変わったようで少し不思議な読みごこちに。 でも単に漫画の内容を忘れつつあるので違和感があるだけかも知れない。 しかし10月号の感想を今頃UPするのはやはり遅いなと思う。 発売されたその時期にしか書けない何かもあると思うし。

『今日のあすかショー』 (14話)あすかが辛いラーメンを食べる話。 
今回も好奇心旺盛でエッチな視線をものともしないけどウブ、という今までのパターン通りにあすかを描いていた。

『青みゆく雪』 (5話)青と雪子がなんだかんだで付き合う事になる話。 
男向け漫画誌の恋愛漫画=ウブな男女の恋愛って事から逆算して中国からの留学生を主人公に据えたのではと今更思ったのだけど、作品自体に嫌味な感じはない。

『ミル』 (13話)最後の最後に鼻ピンクが猫の姿でハルオミの前に現れ学園祭話が終了。 
改めて読むと、線が固いし、キャラクターの表情と、そのキャラの気持ちやセリフがいまいち噛み合ってない感じシーンが結構あるなあと思った。 今回の話自体もこの回単体では特に面白いといえないし、初期の面白さの感覚を持ちつつ読まないとしんどいかも知れない。 現状では連載上でどうなってるかは分からないけど、キャラクターが増え世界も広がり周辺の雑事にページを割く事で、さらに面白さが失われてくのかなあ。 こじんまりした雰囲気が好きだったのだけど、それは自分勝手な偏愛というものかな。 あと、主人公の友人のハルオミって、脇役の中で妙に線の細い美形で妙に優しいけど、女性受け狙って作られたキャラのかなあ。 変に目立っているように思う。

『ドラゴンジャム』 (4話)偶然知り合ったTJら3人に、ストリートボールで完敗した主人公が、自分のバスケの原点に立ち返る話。 TJ達は凄腕のはずなのに、主人公達が同世代のライバルと戦った時のような迫力は無く圧倒的な力量差があるように見えなかったのが残念。 トリッキーなプレイを説明的に描いたせいでなのか試合が平板に見えたのと、そもそもこの作品の、試合中の空間の見せ方自体が上手くないのだと思う。 どうやら週間スピリッツ本誌に移籍したようだけど、サンデーで連載しても良かったのでは?という気がした。 でも隔週連載なのかな。

『逃亡弁護士 成田誠』 (5話)真犯人らしき人間の魔の手が伸びつつ、他方で、成田をかばった少年が死に、成田が逃亡を続ける、という話。 少年が、成田と間違えられて警官に撃たれて死んでしまったり、そんな状況でも成田は逃げるしかなかったりと、毎度の良い話で終わりじゃない感じが面白いけど、その場に複数いると分かってるのに警官が暗がりで照明も付けずに安易に発砲した事が大味過ぎないかと思った。 でも話は面白いので今後の展開が気になる。

『強制ヒーロー』 (11話)主人公達が、自分達と同じ警察っぽい仕事をやらされてる別の集団と競わされる話。 展開自体はありがちなパターンで分かりやすかったけど、セリフは説明だらけで読みづらかった。 登場人物達の気持ちが表情を一目見ただけですぐ分かるように描かれてるのとは対照的だな。

『ふわり!』 (10話)鳥人間コンテストで、主人公チームの飛行機が飛び立った途端水面ギリギリまで落ちてしまい、そこから頑張る話。 登場人物のほぼ全てに与えられた役割があって、
みんなその役割をきちんと演じているのだからみんなを描き分けられているという事なのかも知れないけれども、みんな感情表現が大げさかキザに見えてしまい、自分は読んでいて乗れなかったかな。 なんだろうな、登場人物達が本心とは違うことを言ったり演じているようなズレを感じてしまった。 それぞれの人物達の感情表現が、話の流れに上手く溶け込んででいないのかも?

『黒×羊』 (12話)翔と親しい仲だったらしい満璃子の弟を撃った後、忘れていた自身の正体を思い出しつつ、自分を探る満璃子を逆にストーキングする、という話。 それなりに面白いんだけど、相変わらず主人公の変装シーンが、まるで超能力か、見る人を催眠術にかけるかのように体形等も含め簡単に変わってしまうのが苦手だ。 変装の大味さが、作中のリアリティの基準を分からなくさせててるように思う。 勢いや強い外連味で矛盾や大味さをなし崩しにして展開するタイプの漫画ではないので、変身シーンをもっとどう変身してるのかぼやかして欲しいなあ。 あと登場人物がやたら女装ばかりするし、セリフにBLを要素入れたりしているのが不快。

『そんなんだからお前らは。』 (14話) 漫画家の連載終了にともない、アシスタントが解散する話。 急展開でテコ入れなのかこの漫画自体の連載終了なのか分からないけど、ほんのり
淋しい情緒があって、これまでの回に比べてちょっと良かった。


既に読んだ雑誌を時間を空けて改めて読み直すのはしんどかった。
この号で定期購読をやめたけど、今回も別に買わなくても良かったと思えるような微妙な誌面だったなあ。 それなりに面白く読める連載はあるけど雑誌の大きな柱がない感じ。 自分にとっては北崎拓の短期連載がこの雑誌を買う動機であり柱だったので、その連載終了後は余計に物足りなく感じてたのかも知れない。 というわけで月刊スピリッツの感想はこれでおしまい。

2011年4月15日金曜日

桜の花に寄せて。

こないだ川沿いを自転車に乗っていたら
全開ではなかったけど桜が綺麗に咲いていました。
家の近所にもしだれ桜が咲いていてそれも綺麗でした。

今日も前回行った川沿いの上流を散策したり
公園を幾つか回ってみたのですが、
葉桜が増えているものの咲き誇ってる桜も幾つかあって
見ながら歩き回ってすごく楽しく満足でした。

震災や津波、原発の事故など
色んな問題をこの国が抱えている状況で
自分が桜を見て美しいと思い、気持ちを少し楽に出来たのは
本当に幸運で、その幸運はたくさんの偶然と
たくさんの人の支え合いで成り立っていると感じます。

同時にこの時期にこういう散策をしていることに
罪悪感のようなモヤモヤしたものを感じてしまうのも否定できません。

募金の他に自分には何が出来るのか分からなくて
思いついたのは生きるのを諦めないことくらいです。
割り切れない思いを感じつつ生き続けるということ。
何があっても生き続ける事、希望を捨てないということ。
そういうことしか思いつけませんでした。

このことが他の人にとって役には立たない事かも知れない。
でも今回の災害や他の事象で死んでいった人達に対して
自分が諦めないで生き続けることが、
生きている者としての責任のように思えました。

これからさらに桜は咲き続けるだろうし
散ってしまってもまた来年多くの花が咲くでしょう。
その時にまた自分も桜を見られたらいいなと思うし
来年の今頃は震災復興が大きく前進してると信じたいです。

2011年3月17日木曜日

今東北地方で起こっている事に関して。

何を言うべきなのか分かりませんが
一人でも多くの命が助かることを願ってやみません。

そして日本や世界の国々から来て
救助をされている方、物資を運んでいる方
瓦礫を片付けている方や
原発事故の処理を命を賭けてされているみなさん
心から応援しています

新たな生存者がさらに発見されると信じています。
避難されている方達の健康が守られ
早く必要な物資が届きますように。