2011年8月30日火曜日

ゲッサン21号(2011年02月号)

  • 『忍びの国』 (21話)無門が伊賀の里へ戻り謀反を起こそうとすると、止めようとしたお国が死んでしまい、その死に衝撃を受けた無門はお国の遺体を抱いて消えた、という話。  前回も書いたけど、このタイミングで無門が伊賀に対立するのが今更過ぎてピンと来ないし、お国も忍や無門の力を理解せず争いに飛び込んで無駄死にしたなという印象。 お国は無門が帰って来た時には既に自殺してるか、伊賀の評定衆に殺されてるかと思ったら違っていたし、無門も伊賀勢と殺し合うかと思ったら何もせずじまいで肩すかしだった。 次回最終回との事。

  • 『QあんどA』 (21話)昔、溺れた遊歩を助けたのが庵堂兄ではなく庵堂弟だったというのが発覚する話。  やっと主人公である庵堂弟に水泳が上手いという長所が出てきた。 遊歩を助けた過去と合わせてこれで主人公らしくなってきたかも。 でも考えてみたら、『タッチ』でも主人公の達也は特に取り得のないような生活をしばらく送っていたんだっけかな。 ボクシングやり出した時期やスイングが速くてバットにボールが当たらないエピソードがどれくらいの話数で出てきたかが思い出せない。

    で、遊歩が昔庵堂兄に助けられたってエピソードだけれど、いつ出てきてたかと思って6話くらいまで調べたら庵堂兄に影響されて陸上始めたって話はあったけど、助けられたエピソードが載ってなかったし今回初出なのかな?  前に読んだ気がするのだけども。 それにしても『QあんどA』の1話を読み返したら凄く面白かった。

  • 『FULL SWING』 (9話)モデルの仕事をしてる女性が、ふとした切っ掛けで知り合った子連れの男と付き合うことになる話。  主役の二人は、まだ付き合う前の惹かれあってる段階のレベルに見えるのに、付き合いをやめるとか一緒に住むとか言い出して、急な話運びに感じられた。 特に子連れの男の方の、ヒロインに対する心の動きが描かれないので、「あなたを好きになればなるほど」というセリフにも説得力を感じなかったな。

    あと、今回のヒロインが、この男を好きになる切っ掛けになるシーンを印象的に見せるための表現とは思うけど、「これ以上自分を嫌いになりたくない」的な月並みなセリフを言いつつ大ゴマで顔がアップになるのは読んでいて恥ずかしかった。 次回の主人子は今回出てきた、子連れの男と一緒に借金を背負った人と予想。 ちなみに今回のヒロインは、前回にも出てきていたのに前話を読み返すまですっかり忘れてた。

  • 『とある飛空士への追憶』 (17話)シャルルがファナの乗る飛空船の所へ戻ってきて、機体を使ってシャルルなりの別れの挨拶をする話。  遠景の飛行機の絵がやはりおもちゃ見えるくらいチープだし、背景や登場人物の服など描き込みが足りてないしで絵的な説得力が弱いように思った。 重要な話で群衆の描き方とか、ディテールの弱点がモロに出た感じ。 シャルルの最後のアクロバット飛行も空間的に空をどう飛んでるのか全然分からないし魅力的にも見えなかったのが残念。

    カラーページや数カットのコマで、飛行機のパースが上手かったり光源を生かした処理がされていた絵があったけど、あれは何かをモデルに描いただろうか。 ファナの感情の変化も上手く表現できてないと思う。 
    前回が良すぎただけにもったいない回だった。

  • 『Waltz』 (16話)蝉に助けられた岩西が、フロイラインの社長を人質に車で逃走しつつ社長に取引を持ちかける、という話。  前回省略された、蝉が縛られた椅子からどう脱出したかが描かれていた。 岩西と社長の駆け引きがなんだかピリッとしなくて、車で道路を逆走した時にも絵に緊迫感を感じなかったな。 今回は岩西に付けられた「蝉」という名前を蝉が受け入れるというのが肝の話だったけど、蝉の岩西への甘えたような態度がまた出てきて苦手だった。

    ところで、切断された岩西の指が手術で戻りそうな気配だけども、IKKIで連載されていた松本次郎の『フリージア』でも、叶が指を撃たれて欠損した後で義指を付けて見た目分からないような展開になってたし、噂でたまに聞くように小学館では指の欠損はNGなのだろうか。 『Waltz』では切断された手自体を描いていないし。

  • 『ばれてるよ!ジャンボリーヌ』 (7、8話)城ノ内の妹が初登場したりする話。  妹も重いカツラを被っていたわけだけど、髪型推しはも初回の時点で十分面白からずだったし、ギャグもさらに緩くなってるようだし読むのがしんどかったな。 学園ギャグ物としても上手く行ってないように思う。 登場人物達全員に魅力がないと思う。

  • 『アオイホノオ』 (33話)クリスマスの苦い想い出を交えつつ、ホノオが大学の課題を教授に怒られる話。  他人が求めているものとホノオのやる事とにズレがある、という事だけ分かれば良いような話だった。 周りの人間の身勝手で理不尽な様が描かれたのは面白かったのでもっと掘り下げて欲しかった。 ところで作品内容とは関係ないが、小学館は雑誌の柱で、やたら有名人の~さんが絶賛とか宣伝したがる所が煩わしい。

  • 『まねこい』 (41、42話)歴史研究会の合宿の続きで、みんなで海水浴に浜辺へ来たら不良にナンパされそうになる話。  猫太郎の不倫話や今回出てきた海老蔵似な新キャラの暴力と、この漫画のモラルの基準がどこにあるのか相変わらず分からないな。 別に残酷な話や情念的な話でも良いんだけど作中の表現に統一感が感じられないのが読んでいて引っかかるわけで。 ラブコメって感じが全然しない。 相変わらず脇のキャラやエピソードに時間を割いて肝心のハルとホンチーの印象が薄いのが残念。

  • 『BULLET ARMORS』 (8話)イオンとセレナがブリーダーだというのがバレて、ベイカー達に命を狙われ逃げまくる話。  やっぱりベイカーやブリーダーって言葉だけでは何なのかピンとこないから言葉の選択ミスだと思う。 バトルでのアクションは相変わらず工夫して描いていてそれなりに良いけど、登場人物達に魅力を感じないので、読んでいて展開に興味を持ちづらかった。

  • 『アサギロ』 (21話)人質にされた土方の知人2人を助けるために土方と沖田が2人で敵地へ乗り込む話。  沖田は近藤に指名されて助太刀になったわけだけど、持ってる刀が竹光だとバレるのがアッサリしすぎていたな。 沖田が貰った刀の意味を知る時もアッサリしそうでなんか嫌だ。 今回は緊迫した状況なのに土方がギャグ漫画のように表情をころころ変えすぎだったのに違和感を感じた。 カラーの抑えた色合いが綺麗で好きだなあ。

  • 『ハレルヤオーバードライブ!』 (20話)麗に助けられて何とか最後の曲は良い感じに演奏できた小雨達が、ハル達先輩のバンドとの圧倒的な力量差を実感する、という話。  ハル達のバンドが何が凄いのか、迫力がある以外よく分からなかった。 この作品は演奏技術や精神状態の話は出てくるけど曲自体の善し悪しって語られてない気がする。 あと動物を迫力の比喩として出すのは稚拙な感じがして今も違和感がある。

  • 『ぼくらのカプトン』 (31~33話)31、32話の敵チームを偵察する話は、珍しくサッカーを掘り下げてて少し面白かったけど、33話のどっちがエロいかってい妄想話は、妄想が安易で良くなかった。

  • 『リンドバーグ』 (21話)前回登場した黒薔薇七銃士隊のキリオがシャーク達への攻撃を開始する話。  前回書いたように、キリオに魅力を感じないので、そのせいか、キリオが中心になった今回の話はピンとこなかった。 キリオ達の空中戦も、アップで描くから相変わらずどういう空間でどう動いてみたいな事がよく分からなかったし。 

  • 『よしとおさま!』 (21話)よしとおの妹の葵に忍の里から女の付き人がやって来る話。  今回はよしとおもサビ丸も回想でしか出てこなかったけど、男性読者向けのテコ入れなのだろうか。 前にも書いたと思うけど、この作者の描く女性は、色気や女性キャラとしての魅力がどこか足りてないと思う。 今回も、所々、葵や新キャラの付き人シロ子が男の女装に見えて仕方なかった。 葵がサビ丸の事ばかり考えていて、命を狙われている母違いの兄のことを大して気にかけてないのは作者がよしとおに興味がないからじゃないかと思うけど、話を広げてると言うことはこの漫画はまだまだ続くと言うことか。

  • 『男前だぜ猫番長!』 (読切)二頭身キャラへ変身できる兄弟が喧嘩をする話。  話も設定も緩くてただアクションが描きたかったので描きました的な漫画。 幾ら8ページしかないっていっても描くものをバトルに絞りすぎだと思う。 絵はこなれていてそれなりに上手いけど、これといった新しい何かは感じられなかったかなあ。 最後のオチもいくらでも取り替え可能で何とでも言えるし。 ゲッサンは『No.1海堂』や『BULLET ARMORS』とか、この手の内容が緩くてアクションにだけ力を入れるような漫画をプッシュし続けるのだろうか。

  • 『妹先生 渚』 (8話)日高達が剣道部に入部することになったのだが、剣道部はとある部員のせいで廃部同然になっていた、という話。  日高達がやられた相手に渚が剣道で立ち向かうという形は、この漫画の第1話を踏襲しているし、、光路郎の作品内への直接的な介入も含めて仕切り直しというか、本編第1話、という感じでもあるのだろうか。 渚のリアクションが相変わらず見ていて恥ずかしかったし、剣道部の問題は後付けなんだと思うけど、問題児を今まで放置していたというのは渚らしくない気がした。 今回は32ページで、この作品の後ろではなく前のページに新人の短編読み切りが掲載されていたし、目次にもちゃんと載っていた。

  • 『イボンヌと遊ぼう!』 (22話)アルパカが寒がっている夢を見たイボンヌは、気になって校庭のアルパカ小屋へ行き本当に寒がっていたのを知り、電源の来てないその小屋で、色んな方法を使って電気を起こし、電気ストーブで部屋を暖めようとする話。  今回はイボンヌと久々の校長先生しか登場しておらず、再びセリフがほとんどない状態で作品が展開されていた。 いつもの仲間がいないせいか中途半端なギャグみたいなものもなくホンワカして良い感じだったけど、電気ストーブにこだわりすぎ。 あと、今回に限ったことではないけど、イボンヌの顔がいつのまにかハンコ絵みたいな同じような固い顔ではなく表情豊かになっていて良いなと思った。

  • 『マコトの王者』 (21話)天堂の中に入った大地マコトが、前王者であるジョーンズと、大地の中に入った天堂マコトとの試合を賭けて戦う話。  ほぼ試合シーンだけのエピソードだったけど、いつもと違い、試合の迫力や緊張感が足りなかったかなあ。 読んだ時の自分の体調や精神状態のせいかも知れないけど、天堂の中に入った大地マコトがピリッとしない試合をしていた、という意図的な表現とは違う鈍さを感じた。

    あと、試合はどんどん進んで行くけど、読んでいてちょっとついていけなかった。 今回作中にこの作品のタイトルである「マコトの王者」という言葉が出てきたけれども、これは作中では初登場かな? 前回も話が性急な感じがしたし、そろそろ作品の終わりが来てているのだろうか。 終了が早まったとか? とにかくこの作品は基本的には地味ながらも良作なので丁寧に描ききって欲しいと思う。

  • 『いつかお前とジルバを』 (30話)ネコミミ娘がバイトしてる神社にジルバが行って、色々ふざけたことをする話。  猫の集団がそばにいるのにネコミミ娘は気づかないで関わらないまま話が終わってしまった。 みんなで最後にウサギの顔になるという、中途半端にほのぼのしたオチとも言えないオチは『イボンヌ』みたいな感じだけども、この漫画に関しては『イボンヌ』と違ってちょっとイライラしてしまうのはなぜだろう。

  • 『ここが噂のエル・パラシオ』 (21話)アズミがエル・パラシオにベルトを取りに来たのは、自分の企画したリーグ戦に桜花を参戦させるための罠だった、という話。  シリアスな展開にはなったけど、正直言って、この作品の話自体が面白いと言えないし、登場人物達にもあまり魅力がないから微妙な謎を引っ張られても、興味が持続せずに、読み続けるのを面倒に感じてしまう。 何が謎なのか覚え続けるのが面倒。 リーグ戦をやると言うことは、まだまだ話は続くと言うことだろうか。

  • 『第三世界の長井』 (19話)数話前に久々に出てきた謎の女は謎のままなにもしないで消えてしまった。 こう書いてるとシュールで面白いような気もするけど、読んでる限りでは面白くはないのだよな。 今回は、長井が変身した時に頭に付いてる丸いものは、生体部品でありそれ独自でしゃべることが出来るということが分かるのだけど、結局おしゃべりな脇役が増えただけで余計分かりづらくなりそう。 誰が出ても何をやっても結局会話だけで話が展開するからラジオドラマみたいだ。 今回は全体的に面白くなりそうでなれなかった感じ。

  • 『月の蛇』 (21話)梁山泊の総統がはっきりと姿を現し残忍な一面を見せる傍ら、怪我をした飛虎の療養のために翠華の許嫁の屋敷に匿われた一行だったが、飛虎が目覚めると、屋敷に仕える老人から、旅は終わりで翠華にはもう逢えないと告げられたのだった。  今回は翠華の許嫁が現れたり、青磁が翠華の復讐を諦めさせ梁山泊から手を引くよう命じられていた事が発覚したりと面白かった。 翠華がここ数回妙に恋愛モードになっていたのは、許嫁との間で気持ちを揺らす展開にするためだったのだな。 飛虎と梁山泊との戦いを読むよりも面白かったかも。 この許婚は梁山泊と裏で繋がってたりして。

  • 『信長協奏曲』 (21話)信長に扮するサブローと足利義昭との関係がさらにおかしくなる話。  サブローのマイペースさが鼻についてきた感じ。 今回改めて思ったけど、誰かが信長に扮するサブローにお願いをする→あっさりOKを出す→お願いした者がワンテンポ遅れて驚く、というパターンを作中で使いすぎてると思う。


この号はなぜか読むのに凄く時間がかかってしまった。
巻末の「ゲッサンしてみる。」のコーナーは、「仕事場見たいし!」しか無かった。 このレポ漫画はここの所増ページが続いてるけど増ページせずに他のコーナーを載せて欲しい。

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