2011年5月30日月曜日

ゲッサン19号(2010年12月号)


  • 『ハレルヤオーバードライブ』 (18話)小雨達のライブ当日の、ライブ前の悲喜こもごも話。 初ライブの日に小雨が自分を振った女の子と出会ってしまう展開はいいなあ。 でも小雨が自分でどうこう解決せずに、ハルや麗にフォローしてもらうのは主人公の魅力を弱めると思った。 ライブで見返す的な展開がありうるので、ここでは目立たせないのかも知れないけど、最近は漫画もアニメもここぞって時に女の子に助けてもらうものが多すぎると思う。 あと、台詞回しや大事な台詞を言う時のポーズなどが、悪目立ちしてる感じで読んでいて自分には恥ずかしかった。

  • 『QあんどA』 (19話)合宿の続き。 台風が去った後、庵堂弟と忍が、遊歩達が特訓している島へ行こうとして謎の島へ着いてしまうという話。 幽霊の兄が謎の島へ助けに行こうとして終わったけど、忍の初恋相手は違ってたとその手の発覚するのかな。 謎の島に恐竜の卵が出てきたりと、いつになく何でもありな展開でありつつも面白かったけど、どう収拾つけるんだろうか。 夢落ちじゃないと思うけど、恐竜の卵は模型か何かって落ちなのかそのまんまなのか気になる。

  • 『Waltz』 (14話)首折り男と帽子卿の戦い。 苺原が首折り男の所へ到着した時に、上から首折り男らしき人間が落ちてきておそらく死んだわけだけれども、これが本人なのかどうかっていうミスリード?は急展開で面白い。 ただ、苺原の勇気を出して街中でテンションを上げたノリはワンピースみたいで違和感があったのと、岩西が蝉の鼻を指で弾くとこらへんが苦手だった。 男同士の変なスキンシップを描きたがり過ぎる。

  • 『まねこい』 (37、38話)合宿旅行の続き。 伊勢神宮を観光した後で、旅館でお風呂に入ったり食事したりする話。 エッチな表現に品がなさ過ぎて引いた。 同じ作者で月刊スピリッツで連載してる作品の方が、青年誌なのにまだ品が良いって、扱いが逆だと思う。

    今回は、歴史研究会部員で普段無口な近藤さんのパーソナリティが浮き彫りにされて、そういう脇役の心の機微を描くのも良いけど、クラブ活動やメンバーにこんなに長く焦点を当てておたら、ホンチーの歌手になる夢話に戻るのは相当先になりそう。 それと、猫太郎とリアの存在がにぎやかし以上のものになってないし、猫太郎がリアの正体をハルに隠す理由が弱いと思う。

  • 『ばれてるよ!ジャンボリーヌ』 (3、4話)校長の銅像が紛失し学校で問題になったものの、犯人は城の内だった、という話。 他愛もない話なのに城の内と中嶋が騒ぎ過ぎだと思った。 というか、大きな頭に色んな物が入ったりしてるっていう人のネタが千原兄弟の昔のコントにもあるけど、それと比べると発想が大人しすぎる。 それと学校を舞台にしてるのに、他の生徒がいないも同じ扱いなのが気になる。

  • 『FULL SWING』 (7話)父親の病気でプロサッカー選手の道を諦め、父の船を使い漁師の修業をしている青年と、青年の前に久しぶりに現れた、現在浪人している元クラスメイトの女の子との将来の夢に関する話。 話自体は昔良くあったような取るに足らない話だけれども、自分にその道の才能があり回りも期待している将来の道と、自分が本当にやりたい事とのずれ、勘違い、をあっさり描いてて良かった。 この作者はアクションや熱血要素があると上手く行かない事が多いようだけど、なにげない日常の雰囲気作りが上手い。

  • 『とある飛空士への追憶』 (15話)目的地へ到着してから迎えが来るまでの間、シャルルとファナがこれからのことなどを話し合う、とい話。 シャルルと離れたくなくて未来にも希望を持っているファナと、身分の差や仲間のことを思ってファナの誘いを断るシャルルの対比が悪くなかった。 ギャグっぽく茶化した所はいまいちだったけど。 空中戦やバトルが無ければそれなりに面白い。 ファナは、フィアンセが現れた時に前の大人しい性格に戻って意見を上手く言えなくなったりするのだろうか。

  • 『アサギロ』 (19話)近藤が、沖田の刀を届けに来た土方の行中の大変さを見抜き、土方を侍と認め、沖田は姉夫婦の元へ行き、沖田家の家宝の竹光を自分の見栄のために譲ってもらう、という話。 土方、山南、近藤の会話がハッタリが効いていて面白い。 会話だけで土方と近藤が凄い人物のように思わされてワクワクしてくる。 沖田は相変わらず他人の気持ちに興味ない我の強い人物のままでただの狂言回しになってるけど、今後成長することはるのだろうか。

  • 『リンドバーグ』 (19話)シャークが、自分の怪我がある程度癒えてから、シャーク空賊団の有志で王都エスペランサへ向かうことを宣言する話。 事を起こす前の準備回って感じだった。 誘拐されたはずのティルダは空賊団に馴染んでるし、ニットは脇役ポジションに完全に収まってるなあ。 案外、ティルダはシャークとエスペランサの間に出来た子供だったりして。

  • 『ぼくらのカプトン』 (25~27話)27話の主将がゴールを決めた後の、「しょーいち」コールが妙に面白かった。 あと、今回の扉絵の、主将が電車内の扉そばで、たたずみながら外の景色を見ている絵が、本当にそんな人がいるという感じで良かった。

  • 『BULLET ARMORS』 (6話)前回登場したエイブロックと戦ってイオンが負け、セレナがイオンを看病する、という話。 バトルは見せ方を工夫して盛り上げてたけど、戦っている人物達の背負う物語が薄いので、バトルだけ盛り上げられてもいまいちピンと来なかった。 エイブロックの背景をもっと匂わせても良かったのでは。

  • 『よしとおさま!』 (19話)サビ丸がかつての師匠と対立することになり、任務に迷いを生じていると、里の長がサビ丸達様子を見に現れた、という話。 なんか、師匠とサビ丸とよしとおを三角関係のように描きそうな予感。 前回出てきたよしとおの妹はあっさりいなくなってたけど、今までの妹の性格の描き方からして、好きなサビ丸を心配してしばらく離れないと駄々をこねてもおかしくないと思うのだけどな。

  • 『アオイホノオ』 (31話)ホノオは何とか4回目の自動車免許の本試験に合格し、庵野達は、武田達に頼まれたSF大会のオープニングアニメーションの仕事をどうするかゴタゴタする、という話。 

    山師のような山賀と神経質な赤井との言い合いが面白かった。 ホノオはよく分からない理由で4回目の試験に受かったけど、そもそもホノオは途中から怒らない教官を選んで教えてもらっていて、その教官は怒らない代わりに教え方がいい加減に描かれてたのから、その後本試験に何度も落ちるのは、その教官にも原因があるような関連づけが作中でされてもおかしくなかったはず。 なのに、試験に落ちたのは運の悪いアクシデントや気負った上でのミスみたいな展開をしたので、結局関係ないのかよ!と思った。

    それと今回は、ホノオが部屋の壁を殴る時に、殴った時の擬音の書き文字の形が途中で変わる事が2度あるのだけど、なぜ途中で変えたのかが分からなかった。 最初何かのパロティとか意味があるのかと思ったけど、特に無いような気もするし、もしかしてこの作品はかなり行き当たりばったり描かれてるのかなあ。

  • 『ここが噂のエル・パラシオ』 (19話)忠輔がプロレスのルールを学ぶために買った本にはカール・ゴッチ似の幽霊が取り憑いていて、その幽霊がバニーの体に入って騒動を起こす、という話。 プロレスにルールブックはない、という事実を膨らましたのだと思うけど、結局忠輔がルールを学ぼうとする事が放置されてしまい、いつものようにドタバタしただけだったのが残念。 いい加減忠輔の記憶喪失を掘り下げて描いてほしい。

  • 『月の蛇』 (19話)捕まった翠華を飛虎が助けに来て、そこに青慈も加わる、という話。 翠華が、捕まって足を刺された後の行動が、諦めたり助けを待つばかりで、飛虎が助けに来て涙ぐんだりと、梁山泊をを滅ぼすという大きな目的のあるはずなのにただの受身な女の子過ぎて違和感があった。 前はもっと業を背負ってる感じが会ったような気がするのだけど。 段々元の性格の女性井戻ってきたという事なんだろうか。 それと自分の仕えている人間が捕まってるのに呑気な青慈の登場の仕方にも違和感があった。

  • 『楽神王』 (19話(最終話))最終決戦。 楽神王だけではマラーニモに勝てなくて、最後はルーチェの楽神も使った楽しい喜びの音楽の力でマラーニモを倒し、マラーニモを動かしていたムジカのわだかまりも解け、楽人と礼音はアルモーニカの力で元の世界へ戻った、という話。

    最終話は、楽神王がマラーニモを右手で突こうとして防がれ右腕を破損、マラーニモの口からの攻撃で避け損ねた楽神王の左足が破損、更にマラーニモの手の攻撃で楽神王は地面へ叩き付けられて色々破損、更に更にマラーニモが楽神王を手で潰そうとした時に、ヴェリタが助け、ヴェリタがマラーニモを足止めしてる間に、楽人達が楽しい演奏の準備をしてマラーニモを攻撃して倒す、というバトルの流れで、その中にヴェリタの大切な女性を殺された怒りや、礼音の内省やムジカの改心が織り込まれて、その後も別れやら何やらがあったりと、構成事態は面白そうな事をしているのだけど、何度も書いてるように、今回も絵が分かりづらかった。

    楽神がアップに描かれたコマは、それが楽神王なのかマラーニモなのかすぐに分からないし、マラーニモの指と肩に付いてる物が同じ形で指のアップの時にそれが指だと分かりづらい。 もっと一目で見分けられる造形にしたら良かったのにと思う。 それに背景を描かないし引きの構図がほとん無いので空間が分かりづらい。 今回は、4体合体してた楽神王からアルモーニカが抜けてるというのが分かりづらかったし、次連載がるのならその辺の見せ方が見やすく分かりやすくなていえばいいなと思った。

    登場人物に関しては、ヴェリタやその部下、シンダカートを裏切ったトラビアレなどが、思わせぶりに出てきた割りには途中から印象が薄かったし、前回出てきたシンダカートの評議会も、今回の最終話にはほとんど出てこないまま、その後の顛末はアルモーニカがセリフで説明しただけだったし、もっと生かして欲しかったなあ。

    個人的には、カルディネが自分の血と引き替えに楽神を強化する演奏をして戦った回がピークかな。 あと、突然ルーチェの側に女性が出てきて誰かと思ったら、ルーチェが演奏してる楽神フラウトの元の姿なのだな。 読み返したら16話にも出ててたけど、全く覚えていなかった。

  • 『妹先生 渚』 (7話)今回は18ページ。 問題児な生徒の母親の体調が悪くなり、その生徒が母の好きな胡蝶蘭を買って病院に届けに行く、という話。 前回、前々回の引きから、今回、渚と生徒の父親がもめるかと思いきや、渚は父親の息子への思いを知って引き下がるだけだったという肩すかし。 いやそれはそれとしても、その生徒の父親と渚の会話を回想として描いたり、生徒達が胡蝶蘭を買いに行ったり、生徒が渚に電話で頼ったり、の部分がいやにあっさり描いてるなと思った。 毎月ちゃんと30ページくらい描いていればもっとじっくりそれらも描けてたんんじゃないかなあ。 このエピソードの主役の生徒の事を慕っている女生徒の扱いもいまいち生かせてなかったし色々もったいない。

  • 『信長協奏曲』 (19話)竹中半兵衛・重矩兄弟が信長の仲間に加わったり、城に上杉謙信のくのいちが忍び込んでいたりしつつ、信長に扮したサブローがくのいちに盗まれた歴史の教科書を探しまわるという話。 今更な話だけど、やたら縁側のある部屋を舞台に話が展開され過ぎだと思った。 信長の部屋や客間ってあんな庭の側で大丈夫なんだろか。 入り組んだ城の内庭かも知れないけども。

    今回、明智光秀に扮する本物の信長の家族の話が出てきたけれども、その家族とサブローが会う話を今後期待したい。 検索で調べてみたら、明智の二番目の妻である煕子は、明智と同じく出自が不明の人物らしいので、この人もこの作品ではタイムスリップして来た人だったりして。 あと今回は上杉謙信に仕えるくのいちが出てきたけど、この設定は史実にはなく、戦国BASARAのオリジナル設定と同じのようだけれど影響されているのだろうか。

    ところで、この作品は基本的に巻末に掲載すると、編集長代理(現編集長?)が言っていたはずだけど、その方針はやめたんだろうか。

  • 『イボンヌと遊ぼう』 (20話)秋の落ち葉が降り積もった場所で、イボンヌ達いつものメンバーが、ふざけあったり焼き芋を食べたりする話。 今回は全編セリフ無しだったけど擬音は書かれているからか、かなり分かりやすく読めた。 前回の構成もそうだけど、実験的な方向に面白さの鉱脈を探っているのかな。 セリフがないせいか、いつもよりもドタバタ感が薄く、ほのぼのさがより出ていたように思った。 でも、この落ち葉の降り積もった場所が、山なのか公園なのかがよく分からなかったなあ。

  • 『いつかおまえとジルバを』 (27、28話)ジルバが兄にボスの座を狙われる話と、ジルバが幼児2人と戦う話。 ジルバと似た星の模様のある猫の存在をすっかり忘れていたのだけど、兄だったというエピソードは描かれてたっけかなあ? この兄の猫が独り相撲で失敗する話がテンポも良くて面白かった。 もう1本の方は、ペットで飼った鳥は死後も大切にして、死骸を猫に近寄らせさえしないのに、他方で鶏肉を食べる人間、という部分へのジルバのツッコミが「チキン食っとるー!!」では弱いと思った。 ここ数ヶ月続いていた『妹先生 渚』の次のページからの新人の読み切りは、今回掲載されていなくて、その代わりなのか『ジルバ』が今月号では二本立てだった。

  • 『マコトの王者』 (19話)大地の中のマコトは、帰郷した大阪で大地の彼女と会い、彼女を地元の後援会会長にさせる、そして天堂の中のマコトは、汚い手を使うボクサーと試合して勝つ、という話。 大地に彼女がいた設定って前からあったっけかなあ。 でも後付だとしても、違和感なくスームーズに話が収まっていた。 大地の彼女も、今回天堂の中のマコトと戦ったボクサーも、少し前の回から伏線張っていたらもっと盛り上がった気もするけど、これはこれで面白かった。

    大地の大人しい妹である友音が両膝でタクシーの後部座席に乗り込んだりとか、こういうちょっとした描写がいいんだよなあ。 天堂の中のマコトが試合に勝った後でフィアンセとトレーナーを呼んで、前回からの仲直りをアピールさせたりとかも。 で、最後の方でまた急展開があったけども、そろそろ話を締めにかかってるのだろうか。

  • 『忍びの国』 (19話)無門と大膳の戦いが一応決着。 織田勢が撤退。 クライマックスのはずだけどかなり面白くなかった。 伊賀に都合良い展開が面白くないし、強い人間にも死ぬ人間にも魅力を感じなかった。 なんだろうな、この漫画の強さや強い人物の描き方に魅力を感じない。 無門も強すぎてここで死んだかも?とかやられても、どうせ無門は死んだふりなのだろうとしか思えないし、信雄が無門に弓を引くまでが遅すぎてだれてしまった。


今月号は『第三世界の長井』が休載。
「ゲッサン編集部こぼれ話」に書かれている、石井あゆみが高校を一週間で退学する話は、漫画家の覚悟を語る例えとしては誤解を招くエピソードだと思う。 少年雑誌で書くなら中学や高校が作品の舞台になることが多いので、高校生活を体験する事は、つまらなく感じることも含めて財産になるし。 目的があるのなら退学もやむなしとは思うし、退学を全否定はしないけどちょっと漫画家の持ち上げ方が安易なのでは。

今月の巻末の「仕事場見たいし!」は、『BULLET ARMORS』を連載している森茶の仕事場。 面白くないわけじゃないけど、相変わらずお邪魔先の漫画家さんが、このレポ漫画を描いてる横山と編集のタナベのドタバタを描く踏み台になってるだけのような漫画だ。 森茶はそのうち漫画を描くのをやめそうな印象。

連載陣のちょっとしたイラスト付きコラムコーナーの「連載陣のしてみる日常。」が今月は載っていて、今回は、荒井智之、小川麻衣子、四位晴香が担当。 荒井智之は色んな種類のどんぐりを拾ったとの事だけど、今月号の『イボンヌ』の話にどんぐりを拾うエピソードがあるから漫画のネタや資料集めやった可能性もあるけど、漫画のほのぼのした感じから見て、普段から今でもどんぐり拾いとかをやっていそうな気がした。

やっと2010年分の感想が終了。 自分の感想は愚痴が多くて良くないなあ。

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