2009年8月21日金曜日

NARUTO『激突!』

Aパート始まってすぐに
ライ・クーダのようなスライドギターの局が流れるんだけど、
なるほど、これは『パリ・テキサス』なんだなと、
サスケのイタチを探すロードムービーなんだなと思った。

現在サスケは仲間を集めつつもイタチを探し回っているので
確かにこれはロードムービー的なものだと言えると思う。

しかも、木ノ葉を抜け、大蛇丸を倒しそのアジトも出ているので
サスケには変えるべき場所というものがないと言ってもいい。
どこへ行けば良いのか分からない、帰る場所もない、
でも目的だけはある。兄であるイタチを殺すという目的が。

話は変わるけれども、『パリ・テキサス』という映画は
ヴィム・ヴェンダース監督の撮ったロードムービーだ。
BGMはライ・クーダで、この映画のサントラも出ている。

この映画の主人公は、かつて自分が捨てた妻と子供、
そしてその子供を引き取って育てている弟夫婦に再会し、
離ればなれになった妻と子を引き合わせて
そして自分だけまた去るという粗筋だったと思う。

で、サスケの復讐譚と『パリ・テキサス』が
内容的に似ているというわけではないのだけど
サスケは家族を壊された側で、
『パリ・テキサス』では壊した側、
立場が逆になるけど、そう言う境遇の人間が
身内を捜すという部分だけは似てるかも知れない。

そしてアニメのこの回のを演出したのは
黒津安明で、これは都留稔幸のペンネームだ。

黒津安明という名は、見るからに
黒澤明と小津安二郎を会わせたような
ちょっと人を食った名前なのだけれども、
『パリ・テキサス』のヴィム・ヴェンダース監督は
小津監督の熱烈なファンであり、小津の映画のカメラマンである
厚田雄春にインタビューをしてそれを『東京画』という映画にしている。

そして今回のアニメのタイトルである『激突!』だけれど
スピルバーグ監督は『激突!』という名の映画を撮っていて
そして『激突!』には黒澤明監督の映画が引用されている。
『激突!』も一種のロードムービーで
突然大型トレーラに理由も分からず命を狙われる男の話だ。

『激突!』というタイトルとライ・クーダの曲
黒津安明という名前の演出家がが何も考えてないわけがない。
まぁBGMは音響の人が選んだのかも知れないけど。

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