2010年3月8日月曜日

ゲッサン9号(2010年02月号)

信長協奏曲が表紙。
表紙は良いんだけど、表紙のど真ん中に
「ついに待望の表紙」とか書いてあったのは変だと思う。

  • 『信長協奏曲』(9話)信長になった少年がマイペースで行動することで、心配した臣下が勝手に戦の対応のフォローに動いてしまい、結果的に、敵側に信長の意図を誤解させ的の裏をかく形になった、という話。 前編になっているけど話のリズム的には今までと同じで、基本的に話のモチーフが前後編になっているって感じになっていた。
  • 『QあんどA』 (9話)前回学園物じゃないのではって書いたら今回学園物になってて焦った。 今回のサービスシーンの扱いで思ったんだけど『QあんどA』はあだちのいじわるな、というかひねくれた部分が強く出てる漫画なのかな。 相変わらず楽屋オチな所もあった。 
  • 『Waltz』 (4話)噛み切るシーンはいまいちだったけどシェパードが上手かった。 内容的には首折り男に間違われた高校生を結果的に助けるのが主人公ってのが自分的にはいまいち盛り上がれなかった。 女の殺し屋?が殺し屋に扮した高校生を間近で見たのに本人だと認めた(誤解した)けど、後でその理由が明かされないとちょっと納得がいかないかな。 あまりにも間抜けすぎるから。 
  • 『ハレルヤオーバードライブ!』 (8話)冒頭、読者がラプンツェルの話を知ってること前提でモノローグが進むけど、そこに違和感を感じるというか、読者が知ってること前提で語ってるのか、それとも最初に物語の簡単な説明をして、その後自分の考えを述べているけど、両方の文がくっつきすぎて分かりづらくなってるのか、その辺がよく分からなかった。 今回は、麗が一計を案じて金属理化学研究部が軽音楽部であることのをごまかすという話だったけど、ごまかし方が少年漫画にしても大ざっぱ過ぎて違和感の方が残った。 まあそもそもの主人公が音楽を始めるきっかけになったイカの形のギターもそうだけども。 あと麗の友人が麗家の代々の御庭番を務める家系だという設定も漫画としてありがちではるけど、こんなふうにどんどん何でもありみたいになって大丈夫なのだろうか。
  • 『とある飛空士への追憶』 (5話)主人公の記憶の中での少女の励まし方が、少女のちょっといた気まぐれにしか読めなかったので、それを「慈しみに溢れていた」と解釈する少年の気持ちが自分には大げさに思えたし分からなかった。 空中戦は、相変わらず飛行機や風景があっさりし過ぎていてオモチャのようだった。 話の展開が生きるか死ぬかのかなり差し迫った状況でも相変わらずチープな描き方をするのはかなり問題だと思うし、工夫がほとんど見られないのも気になる。 ただ、少女が少年を抱きしめたページだけは背景が悪くなかった。 他には少女の表情が他人の視線を意識しすぎたタレントみたいに思えた。
  • 『まねこい』 (17、18話)視点がが群像劇に移ろうとしてるけど、招き猫の設定が薄くなっていきそうな気配。 女の招き猫のリアをプッシュしてるけどそんなに魅力的なキャラとは思わないな。 猫太郎の存在感がどんどん薄くなってるがこれでいいのだろうか。
  • 『リンドバーグ』 (9話)作者がのっているように思えるくらい絵が生き生きしてた。 ただ、主人公ニットのここぞという時のセリフ「おれはおれの冒険を夢見てるから」という言葉に、表情も含めて気取ったようなものを感じてしまい自分には説得力を感じないので、その言葉に反応するシャークにもいまいちピンと来なかった。 そもそもここしばらくはニットはほとんど何もしてないでただの傍観者になっているので余計に言葉だけ理想の高い事を言われてもね、と思ってしまうのだよな。
  • 『アサギロ』 (9話)人を舐めた性格であり、山南の道場破りにまともに相手をしなかった天然理心流側である沖田が、「これが北辰一刀流のやり方ですか?」って言う事に違和感を感じた。 話的にはいよいよ起きたと山南の戦いで盛り上がりそうな気配。
  • 『ここが噂のエル・パラシオ』 (9話)色気のない絵柄なので、読者サービス的な入浴回をやってもお色気要素が増えた感じがしなかった。 例えば桜花のうなじやお尻などの描写に全く色気を見せる工夫を感じなかったので、それらを見た主人公の反応と読んでる自分との間でかなりズレがあった。 作者がプロレスが好きということなので、普通にスポ根物を描いてもらった方が良かったのでは。
  • 『アオイホノオ』 (21話)久々に面白くなったなって感じた。 トンコさんの、女の持つ底の知れない性格みたいの怖くて良かった。
  • 『よしとおさま!』 (9話)林間合宿でひどいい目に遭うって話だけど、林間合宿の設定に意味がないような収束の仕方なので、もうちょっと先生に怒られるとかそういう学校行事の要素を入れても良かったのでは。 可愛い女の子キャラが本当に1コマだけ申し訳程度に出てた。
  • 『忍びの国』 (9話)無門が苦手なので、無門に都合良く話が進むとあまり読んでいて楽しめない。 っていうか無門は強すぎて簡単に事を運ぶので人を殺しても緊張感とか感じられないのが物足りない。 信雄は作品中で功名心しかないような愚かな人物像だけれども、なんだか可哀想になってきた。
  • 『いつかおまえとジルバを』 (14、15話)新キャラのメスの捨て猫との交流話。 2話とも今までと違いほぼ猫だけで展開された話だけど、猫だけの方が面白いと思った。 でも14話はすぐ捨て猫を助け過ぎかも。
  • 『マコトの王者』 (9話)会長によって、天堂が弱い選手としか戦えないマッチメイクをされる事が明らかになる話と、天堂の弟が大地にボクシングを習いに来る話。 適度に面白いけど、当分マコト同士が戦わないんだろうなと思うと読んでいてだれてきた。 町村がやっと2人のマコトの中身が入れ替わってる事に疑い出したけど疑い出す展開を入れるのが遅いんじゃないかなあ。
  • 『イボンヌと遊ぼう!』 (10話)イボンヌが、主食であるたいやきを購入していた店の閉店でショックを受け、いつものメンバーが慰めたりたいやきを自作したりする話。 イボンヌを励ますための色んなのが相変わらずアイデアとして特に面白くないと思った。
  • 『権力の犬ポリスワン!』 (9話)交番に裸の人間が現れるという設定で丸々1話使ったけど、話としては今までで一番まとまってたと思う。 まあまあ面白かった。 巻末の作者のコメントは、あと2回で打ちきりという意味なのだろうか。
  • 『第三世界の長井』 (9話)変なタッチのキャラが変身したけど相変わらずずっと立ち話。
  • 『Smile』 (読切)いつも愛想笑いをしてその場をやり過ごしてた主人公が、クラスメイトの女の子に感化されて本当の気持ちをちょっと出してみる話。 全体的にキャラのリアクションが早いのでもうちょっと間が欲しいと思った。 あと絵の淡泊さで人間の繊細な機微を描く作風に勘違いしてしまうけどそういう方向の漫画家ではないのだろうなと思った。 もっとメリハリはっきりしてるというか。
  • 『楽神王』 (9話)作中に題名でもある楽神王という言葉が今後の展開を予感させる重要なキーワードとしてとうとう出てきた。 楽人の弟がたまたま出会った人の国での揉め事を止める話だったけど、ロボがデザインとしてキャラ立ちしていないので、アップになった時にどこの部位なのか相変わらずよく分からない。 展開としては楽人のシーンでありがちなただの馴れ合いみたいのがなくてそれなりに盛り上がったと思う。 
  • 『No.1海堂』 (7話)バスケットとは、本来、覇朱決闘という格闘技だった、という後付け設定が出てきて、今までのバスケでもなんでもない戦いが止揚された形になってしまったけど、最初から出しておくべき設定なのでは。 今回、とうとう姿を現した犬宮が下品で馬鹿っぽいキャラでなかなか面白かった。 でも主人公がほとんど空気で面白さが毎回敵キャラ頼りなのはいいんだろうか。 最終回かと思ったら取って付けたように話が続くようだ。
  • 『タイムメール』 (9話)派遣切りにあった青年が人生をやり直す話、だけれども、彼が過去の自分に送ったメールは、今までの人のように直接生き方を変えさせるたぐいの内容ではないのが変化球として悪くないと思ったし、過去の自分にメールを送ろうとして馬鹿らしくなる青年を自暴自棄と解釈するのに疑問は感じたものの、登場する女性の足の悪さという設定の上手い使い方などとても上手くまとまっていたと思う。  ただ最後の行のチョウの部分がくどいとおもった。 でも結局今回の主人公はでもこの青年の代わりに別の人が派遣切りにあうんだろうな。
  • 『ザ!!ビーチスターズ』 (9話)試合で宮内が説明セリフを喋りすぎだし試合が早く終わりすぎて優勝コンビだった選手の戦いの凄さがピンとこなかった。 展開が急ぎ足なのは1年で終わる決まりでもあるのだろうか。
  • 『怪、刺す』 (最終話(9話))実話物の得意技である投げっぱなしEND。 結局何も起きてないも同じなんだけど、あれはなんだったんだ?とかあのまま振り向かなければどうなってたんだろう?という気がかりを残して投げるのは良い感じだったと思う。 ゲッサン初の連載終了作品だったけど、人気が無かったのだろうか。
  • 『月の蛇』 (9話)青磁が凄腕だったというエピソードだけど、青磁の表情がいまいち強い感じに欠けるというか。 張順が逃げる仲間を切り捨てるコマは、ありがちな処理だけど切られて倒れる側の手ぐらいは見切れて入った方が分かりやすかった気がするし、張横の過去での殺し合いも、自分の間合いで勝つというエピソードらしいけど、絵を見ても間合い的なものがよく分からなかったし、細かい見せ方でちょっと引っかかる所があった。 あと、やっぱりアップや重要なシーン以外で気の抜けたような絵が目に付くようになった気がする。 

未読のゲッサンをかなり消化したので安心してたらまたあっという間に貯まってしまった。

巻末のページがなんか物足りないと思ったら、「ルーキー紹介してみる!!」が無かった。 新人の連載陣はもう全部インタビューし終えたのかな。 あと、編集部こぼれ話に、年末の謝恩会で毎回あだち充と高橋留美子がじっくり語り合う機会を設けているっていう話が、かつてサンデー読者だった自分には興味深かった。 

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