2011年5月30日月曜日

ゲッサン19号(2010年12月号)


  • 『ハレルヤオーバードライブ』 (18話)小雨達のライブ当日の、ライブ前の悲喜こもごも話。 初ライブの日に小雨が自分を振った女の子と出会ってしまう展開はいいなあ。 でも小雨が自分でどうこう解決せずに、ハルや麗にフォローしてもらうのは主人公の魅力を弱めると思った。 ライブで見返す的な展開がありうるので、ここでは目立たせないのかも知れないけど、最近は漫画もアニメもここぞって時に女の子に助けてもらうものが多すぎると思う。 あと、台詞回しや大事な台詞を言う時のポーズなどが、悪目立ちしてる感じで読んでいて自分には恥ずかしかった。

  • 『QあんどA』 (19話)合宿の続き。 台風が去った後、庵堂弟と忍が、遊歩達が特訓している島へ行こうとして謎の島へ着いてしまうという話。 幽霊の兄が謎の島へ助けに行こうとして終わったけど、忍の初恋相手は違ってたとその手の発覚するのかな。 謎の島に恐竜の卵が出てきたりと、いつになく何でもありな展開でありつつも面白かったけど、どう収拾つけるんだろうか。 夢落ちじゃないと思うけど、恐竜の卵は模型か何かって落ちなのかそのまんまなのか気になる。

  • 『Waltz』 (14話)首折り男と帽子卿の戦い。 苺原が首折り男の所へ到着した時に、上から首折り男らしき人間が落ちてきておそらく死んだわけだけれども、これが本人なのかどうかっていうミスリード?は急展開で面白い。 ただ、苺原の勇気を出して街中でテンションを上げたノリはワンピースみたいで違和感があったのと、岩西が蝉の鼻を指で弾くとこらへんが苦手だった。 男同士の変なスキンシップを描きたがり過ぎる。

  • 『まねこい』 (37、38話)合宿旅行の続き。 伊勢神宮を観光した後で、旅館でお風呂に入ったり食事したりする話。 エッチな表現に品がなさ過ぎて引いた。 同じ作者で月刊スピリッツで連載してる作品の方が、青年誌なのにまだ品が良いって、扱いが逆だと思う。

    今回は、歴史研究会部員で普段無口な近藤さんのパーソナリティが浮き彫りにされて、そういう脇役の心の機微を描くのも良いけど、クラブ活動やメンバーにこんなに長く焦点を当てておたら、ホンチーの歌手になる夢話に戻るのは相当先になりそう。 それと、猫太郎とリアの存在がにぎやかし以上のものになってないし、猫太郎がリアの正体をハルに隠す理由が弱いと思う。

  • 『ばれてるよ!ジャンボリーヌ』 (3、4話)校長の銅像が紛失し学校で問題になったものの、犯人は城の内だった、という話。 他愛もない話なのに城の内と中嶋が騒ぎ過ぎだと思った。 というか、大きな頭に色んな物が入ったりしてるっていう人のネタが千原兄弟の昔のコントにもあるけど、それと比べると発想が大人しすぎる。 それと学校を舞台にしてるのに、他の生徒がいないも同じ扱いなのが気になる。

  • 『FULL SWING』 (7話)父親の病気でプロサッカー選手の道を諦め、父の船を使い漁師の修業をしている青年と、青年の前に久しぶりに現れた、現在浪人している元クラスメイトの女の子との将来の夢に関する話。 話自体は昔良くあったような取るに足らない話だけれども、自分にその道の才能があり回りも期待している将来の道と、自分が本当にやりたい事とのずれ、勘違い、をあっさり描いてて良かった。 この作者はアクションや熱血要素があると上手く行かない事が多いようだけど、なにげない日常の雰囲気作りが上手い。

  • 『とある飛空士への追憶』 (15話)目的地へ到着してから迎えが来るまでの間、シャルルとファナがこれからのことなどを話し合う、とい話。 シャルルと離れたくなくて未来にも希望を持っているファナと、身分の差や仲間のことを思ってファナの誘いを断るシャルルの対比が悪くなかった。 ギャグっぽく茶化した所はいまいちだったけど。 空中戦やバトルが無ければそれなりに面白い。 ファナは、フィアンセが現れた時に前の大人しい性格に戻って意見を上手く言えなくなったりするのだろうか。

  • 『アサギロ』 (19話)近藤が、沖田の刀を届けに来た土方の行中の大変さを見抜き、土方を侍と認め、沖田は姉夫婦の元へ行き、沖田家の家宝の竹光を自分の見栄のために譲ってもらう、という話。 土方、山南、近藤の会話がハッタリが効いていて面白い。 会話だけで土方と近藤が凄い人物のように思わされてワクワクしてくる。 沖田は相変わらず他人の気持ちに興味ない我の強い人物のままでただの狂言回しになってるけど、今後成長することはるのだろうか。

  • 『リンドバーグ』 (19話)シャークが、自分の怪我がある程度癒えてから、シャーク空賊団の有志で王都エスペランサへ向かうことを宣言する話。 事を起こす前の準備回って感じだった。 誘拐されたはずのティルダは空賊団に馴染んでるし、ニットは脇役ポジションに完全に収まってるなあ。 案外、ティルダはシャークとエスペランサの間に出来た子供だったりして。

  • 『ぼくらのカプトン』 (25~27話)27話の主将がゴールを決めた後の、「しょーいち」コールが妙に面白かった。 あと、今回の扉絵の、主将が電車内の扉そばで、たたずみながら外の景色を見ている絵が、本当にそんな人がいるという感じで良かった。

  • 『BULLET ARMORS』 (6話)前回登場したエイブロックと戦ってイオンが負け、セレナがイオンを看病する、という話。 バトルは見せ方を工夫して盛り上げてたけど、戦っている人物達の背負う物語が薄いので、バトルだけ盛り上げられてもいまいちピンと来なかった。 エイブロックの背景をもっと匂わせても良かったのでは。

  • 『よしとおさま!』 (19話)サビ丸がかつての師匠と対立することになり、任務に迷いを生じていると、里の長がサビ丸達様子を見に現れた、という話。 なんか、師匠とサビ丸とよしとおを三角関係のように描きそうな予感。 前回出てきたよしとおの妹はあっさりいなくなってたけど、今までの妹の性格の描き方からして、好きなサビ丸を心配してしばらく離れないと駄々をこねてもおかしくないと思うのだけどな。

  • 『アオイホノオ』 (31話)ホノオは何とか4回目の自動車免許の本試験に合格し、庵野達は、武田達に頼まれたSF大会のオープニングアニメーションの仕事をどうするかゴタゴタする、という話。 

    山師のような山賀と神経質な赤井との言い合いが面白かった。 ホノオはよく分からない理由で4回目の試験に受かったけど、そもそもホノオは途中から怒らない教官を選んで教えてもらっていて、その教官は怒らない代わりに教え方がいい加減に描かれてたのから、その後本試験に何度も落ちるのは、その教官にも原因があるような関連づけが作中でされてもおかしくなかったはず。 なのに、試験に落ちたのは運の悪いアクシデントや気負った上でのミスみたいな展開をしたので、結局関係ないのかよ!と思った。

    それと今回は、ホノオが部屋の壁を殴る時に、殴った時の擬音の書き文字の形が途中で変わる事が2度あるのだけど、なぜ途中で変えたのかが分からなかった。 最初何かのパロティとか意味があるのかと思ったけど、特に無いような気もするし、もしかしてこの作品はかなり行き当たりばったり描かれてるのかなあ。

  • 『ここが噂のエル・パラシオ』 (19話)忠輔がプロレスのルールを学ぶために買った本にはカール・ゴッチ似の幽霊が取り憑いていて、その幽霊がバニーの体に入って騒動を起こす、という話。 プロレスにルールブックはない、という事実を膨らましたのだと思うけど、結局忠輔がルールを学ぼうとする事が放置されてしまい、いつものようにドタバタしただけだったのが残念。 いい加減忠輔の記憶喪失を掘り下げて描いてほしい。

  • 『月の蛇』 (19話)捕まった翠華を飛虎が助けに来て、そこに青慈も加わる、という話。 翠華が、捕まって足を刺された後の行動が、諦めたり助けを待つばかりで、飛虎が助けに来て涙ぐんだりと、梁山泊をを滅ぼすという大きな目的のあるはずなのにただの受身な女の子過ぎて違和感があった。 前はもっと業を背負ってる感じが会ったような気がするのだけど。 段々元の性格の女性井戻ってきたという事なんだろうか。 それと自分の仕えている人間が捕まってるのに呑気な青慈の登場の仕方にも違和感があった。

  • 『楽神王』 (19話(最終話))最終決戦。 楽神王だけではマラーニモに勝てなくて、最後はルーチェの楽神も使った楽しい喜びの音楽の力でマラーニモを倒し、マラーニモを動かしていたムジカのわだかまりも解け、楽人と礼音はアルモーニカの力で元の世界へ戻った、という話。

    最終話は、楽神王がマラーニモを右手で突こうとして防がれ右腕を破損、マラーニモの口からの攻撃で避け損ねた楽神王の左足が破損、更にマラーニモの手の攻撃で楽神王は地面へ叩き付けられて色々破損、更に更にマラーニモが楽神王を手で潰そうとした時に、ヴェリタが助け、ヴェリタがマラーニモを足止めしてる間に、楽人達が楽しい演奏の準備をしてマラーニモを攻撃して倒す、というバトルの流れで、その中にヴェリタの大切な女性を殺された怒りや、礼音の内省やムジカの改心が織り込まれて、その後も別れやら何やらがあったりと、構成事態は面白そうな事をしているのだけど、何度も書いてるように、今回も絵が分かりづらかった。

    楽神がアップに描かれたコマは、それが楽神王なのかマラーニモなのかすぐに分からないし、マラーニモの指と肩に付いてる物が同じ形で指のアップの時にそれが指だと分かりづらい。 もっと一目で見分けられる造形にしたら良かったのにと思う。 それに背景を描かないし引きの構図がほとん無いので空間が分かりづらい。 今回は、4体合体してた楽神王からアルモーニカが抜けてるというのが分かりづらかったし、次連載がるのならその辺の見せ方が見やすく分かりやすくなていえばいいなと思った。

    登場人物に関しては、ヴェリタやその部下、シンダカートを裏切ったトラビアレなどが、思わせぶりに出てきた割りには途中から印象が薄かったし、前回出てきたシンダカートの評議会も、今回の最終話にはほとんど出てこないまま、その後の顛末はアルモーニカがセリフで説明しただけだったし、もっと生かして欲しかったなあ。

    個人的には、カルディネが自分の血と引き替えに楽神を強化する演奏をして戦った回がピークかな。 あと、突然ルーチェの側に女性が出てきて誰かと思ったら、ルーチェが演奏してる楽神フラウトの元の姿なのだな。 読み返したら16話にも出ててたけど、全く覚えていなかった。

  • 『妹先生 渚』 (7話)今回は18ページ。 問題児な生徒の母親の体調が悪くなり、その生徒が母の好きな胡蝶蘭を買って病院に届けに行く、という話。 前回、前々回の引きから、今回、渚と生徒の父親がもめるかと思いきや、渚は父親の息子への思いを知って引き下がるだけだったという肩すかし。 いやそれはそれとしても、その生徒の父親と渚の会話を回想として描いたり、生徒達が胡蝶蘭を買いに行ったり、生徒が渚に電話で頼ったり、の部分がいやにあっさり描いてるなと思った。 毎月ちゃんと30ページくらい描いていればもっとじっくりそれらも描けてたんんじゃないかなあ。 このエピソードの主役の生徒の事を慕っている女生徒の扱いもいまいち生かせてなかったし色々もったいない。

  • 『信長協奏曲』 (19話)竹中半兵衛・重矩兄弟が信長の仲間に加わったり、城に上杉謙信のくのいちが忍び込んでいたりしつつ、信長に扮したサブローがくのいちに盗まれた歴史の教科書を探しまわるという話。 今更な話だけど、やたら縁側のある部屋を舞台に話が展開され過ぎだと思った。 信長の部屋や客間ってあんな庭の側で大丈夫なんだろか。 入り組んだ城の内庭かも知れないけども。

    今回、明智光秀に扮する本物の信長の家族の話が出てきたけれども、その家族とサブローが会う話を今後期待したい。 検索で調べてみたら、明智の二番目の妻である煕子は、明智と同じく出自が不明の人物らしいので、この人もこの作品ではタイムスリップして来た人だったりして。 あと今回は上杉謙信に仕えるくのいちが出てきたけど、この設定は史実にはなく、戦国BASARAのオリジナル設定と同じのようだけれど影響されているのだろうか。

    ところで、この作品は基本的に巻末に掲載すると、編集長代理(現編集長?)が言っていたはずだけど、その方針はやめたんだろうか。

  • 『イボンヌと遊ぼう』 (20話)秋の落ち葉が降り積もった場所で、イボンヌ達いつものメンバーが、ふざけあったり焼き芋を食べたりする話。 今回は全編セリフ無しだったけど擬音は書かれているからか、かなり分かりやすく読めた。 前回の構成もそうだけど、実験的な方向に面白さの鉱脈を探っているのかな。 セリフがないせいか、いつもよりもドタバタ感が薄く、ほのぼのさがより出ていたように思った。 でも、この落ち葉の降り積もった場所が、山なのか公園なのかがよく分からなかったなあ。

  • 『いつかおまえとジルバを』 (27、28話)ジルバが兄にボスの座を狙われる話と、ジルバが幼児2人と戦う話。 ジルバと似た星の模様のある猫の存在をすっかり忘れていたのだけど、兄だったというエピソードは描かれてたっけかなあ? この兄の猫が独り相撲で失敗する話がテンポも良くて面白かった。 もう1本の方は、ペットで飼った鳥は死後も大切にして、死骸を猫に近寄らせさえしないのに、他方で鶏肉を食べる人間、という部分へのジルバのツッコミが「チキン食っとるー!!」では弱いと思った。 ここ数ヶ月続いていた『妹先生 渚』の次のページからの新人の読み切りは、今回掲載されていなくて、その代わりなのか『ジルバ』が今月号では二本立てだった。

  • 『マコトの王者』 (19話)大地の中のマコトは、帰郷した大阪で大地の彼女と会い、彼女を地元の後援会会長にさせる、そして天堂の中のマコトは、汚い手を使うボクサーと試合して勝つ、という話。 大地に彼女がいた設定って前からあったっけかなあ。 でも後付だとしても、違和感なくスームーズに話が収まっていた。 大地の彼女も、今回天堂の中のマコトと戦ったボクサーも、少し前の回から伏線張っていたらもっと盛り上がった気もするけど、これはこれで面白かった。

    大地の大人しい妹である友音が両膝でタクシーの後部座席に乗り込んだりとか、こういうちょっとした描写がいいんだよなあ。 天堂の中のマコトが試合に勝った後でフィアンセとトレーナーを呼んで、前回からの仲直りをアピールさせたりとかも。 で、最後の方でまた急展開があったけども、そろそろ話を締めにかかってるのだろうか。

  • 『忍びの国』 (19話)無門と大膳の戦いが一応決着。 織田勢が撤退。 クライマックスのはずだけどかなり面白くなかった。 伊賀に都合良い展開が面白くないし、強い人間にも死ぬ人間にも魅力を感じなかった。 なんだろうな、この漫画の強さや強い人物の描き方に魅力を感じない。 無門も強すぎてここで死んだかも?とかやられても、どうせ無門は死んだふりなのだろうとしか思えないし、信雄が無門に弓を引くまでが遅すぎてだれてしまった。


今月号は『第三世界の長井』が休載。
「ゲッサン編集部こぼれ話」に書かれている、石井あゆみが高校を一週間で退学する話は、漫画家の覚悟を語る例えとしては誤解を招くエピソードだと思う。 少年雑誌で書くなら中学や高校が作品の舞台になることが多いので、高校生活を体験する事は、つまらなく感じることも含めて財産になるし。 目的があるのなら退学もやむなしとは思うし、退学を全否定はしないけどちょっと漫画家の持ち上げ方が安易なのでは。

今月の巻末の「仕事場見たいし!」は、『BULLET ARMORS』を連載している森茶の仕事場。 面白くないわけじゃないけど、相変わらずお邪魔先の漫画家さんが、このレポ漫画を描いてる横山と編集のタナベのドタバタを描く踏み台になってるだけのような漫画だ。 森茶はそのうち漫画を描くのをやめそうな印象。

連載陣のちょっとしたイラスト付きコラムコーナーの「連載陣のしてみる日常。」が今月は載っていて、今回は、荒井智之、小川麻衣子、四位晴香が担当。 荒井智之は色んな種類のどんぐりを拾ったとの事だけど、今月号の『イボンヌ』の話にどんぐりを拾うエピソードがあるから漫画のネタや資料集めやった可能性もあるけど、漫画のほのぼのした感じから見て、普段から今でもどんぐり拾いとかをやっていそうな気がした。

やっと2010年分の感想が終了。 自分の感想は愚痴が多くて良くないなあ。

2011年5月21日土曜日

ゲッサン18号(2010年11月号)

  • 『アイドルA』 (5話)休載したヤングサンデーに不定期連載されていた、1話完結形式の漫画との事。 人気アイドルが、自分とそっくりの幼なじみの男の子に扮して野球選手となり、アイドルと二足のわらじを履いて頑張る漫画。 ヒロイン側にとってかなり都合の良い設定になっているけど、男の子の方が自分の夢ややりたいことを見つけた時に2人の関係は終わるのかな? 『QあんどA』よりこちらの方を連載して欲しいなあと思ってしまった。 失礼な話、久しぶりにあだち充の漫画を読んで満足したっていう感じだ。

  • 『ハレルヤオーバードライブ!』 (17話)小雨のギターが壊れたので、まもなくあるライブのために、部室にある曰く付きのギターを借りようとするが、ハルが貸してくれない、という話。 今回背の高い新キャラ部員登場。 新キャラの楽器店の娘もいるのに、小雨が借りられる予備のギターが1つしかないというのに違和感があった。 他の楽器担当でも使わなくなったギターの1つくらいあってもおかしくないし。 あと、ハルはあっさりギターを渡しすぎと思うし、話がとんとん拍子に進みすぎて、何か物足りないなあ。 主人公が葛藤しなさ過ぎと思う。

  • 『とある飛空士への追憶』 (14話)ファナが敵機を撃ったおかげで助かった話。 今回、シャルルが敵を褒めたり、敬意を表して挨拶したりしていたけど、先月号での過信やミスがかなり印象悪いものだったので、あの事は反省してないのか、と感じてしまった。 シャルルの性格が前回と断絶してるというか、シャルルが物事を以前の考えと繋げて考えずに、その時々の思いつきだけで生きてるみたいに見えてしまう。

  • 『ここが噂のエル・パラシオ』 (18話)エル・パラシオのみんなで海へ行く話。 ほとんどファンサービスみたいな回で、忠輔が、桜花にオイルを塗ったり溺れたのを助けたりして2人の親密度が増すのだけど、2人の関係に対して陽向が反応するように描かれないので、これまでの陽向の嫉妬描写はなんだったのかと思った。

  • 『Waltz』 (13話)首折り男に助けられた苺原が、蝉に連れられ逃亡してる途中で帽子男に遭遇し、再び一人で逃亡することになった苺原の携帯に首折り男から連絡が来る、という話。

    どんどん話が錯綜してるけど、首折りは苺原とは完全に別人だった。 醜態ばかりさらしていた苺原に挽回のチャンスが来そうな気配。 今回蝉が、帽子男に拉致された一般女性の顔を殴ったけど、あれ必要なシーンだったかなあ。 この漫画はストーリー展開自体は面白いけど主人公の蝉には自分は魅力を感じない。

  • 『バレてるよ!ジャンボリーヌ』 (2話)頭の大きな城の内が今度はパーマをかけて登校して、また中嶋が目立てないという話。 1話よりは面白かった。 城の内と生活指導の先生との、城の内が甘えるような関係の描き方はいかにも女性が描いた漫画って感じだ。

  • 『QあんどA』 (18話)主要登場人物達が合宿に行ったら台風に見舞われた、という話。 行き当たりばったりな話の進ませ方で、かつ、予想されうる展開はことごとく裏切るという、なかなかシニカルな仕立て。 庵堂弟だけは遊歩の裸を見てしまって続く。

  • 『FULL SWING』 (6話)前回登場した元暴走族の青年が、上京して板前の修業をしながら、隣に住むアニメのキャッらクターデザイナー志望の女の子と親交を深める話。

    アニメーターではなくいきなりキャラクターデザインの仕事をしようとしていたり、メイド喫茶で働いて、業界の人間と接点を作ろうとしてる事にかなり違和感を感じた。 女の子が川に向かって泣き叫んだりするのも、原作者のせいか、展開として古いと思ったけれども、駄目な状態から諦めずに頑張っていくという話の締め方は良かった。 前回のエピソードの方が面白かったかな。

  • 『まねこい』 (35、36話)合宿に行く新幹線の中で、ホンチーがみんなのために作ってきた料理を、ホンチーが料理下手なのを隠すためにハルが一人で食べようとする話と、伊勢神宮に行く途中で、手を洗う時の作法を学んだり、奈波が、階段でパンチラを撮ろうとする旅行客からホンチーを守ったりする話。 ホンチーがみんなのためにごはんを用意するのを見越してハルも料理を作ってきたり、奈波がパンチラ撮影からホンチーを守って、その奈波をハルが助けたり、その迷惑客をリアや猫太郎が懲らしめたり、という出来事の連鎖や細かい気遣い合いが読んでいて面白かった。

    ただ、音痴にしても、料理下手にしても、それを隠そうとするというのは、弱点を反省して改良するチャンスを奪ってるとも言えるので、前回隠し事をすることに罪悪感を感じている事が描写されたホンチーと、隠し事をしようとするハルとの意識のズレが、問題として表面化するのだろうかが気になる。 ちなみに、35話の表紙の女性は近藤なのか、髪を下ろした富永先生なのか分からなかった。

    何となく、人間化したリアや猫太郎みたいなのを主軸にした北崎拓的なシリアス要素の強い恋愛漫画も読んでみたい気がした。

  • 『モリタイシサイン会レポート』 横山裕二による、モリタイシのサイン会レポ漫画。 このレポートはこの作者にしては珍しく面白かった。 ブラックな要素を入れた方が面白くなるタイプなのかな。 巻末の「仕事場見たいし!」もこれくらい面白ければいいのに

  • 『リンドバーグ』 (18話)シャークがティルダを人質にしてエスペランサの前から逃げる話。 生意気なティルダも強権を振るう姉のいるせいでか可愛らしくおしとやかになってて、本来はこっちが素なのではと思わせる。 でも散々強気に描かれてきたのにシャークに抱えられてる間もずっと大人しいのには都合が良すぎる気もする。 絵心優先の人かと思ったけど、群像劇が面白いなあ。 シャークを芯にニットを脇に話が展開されてると凄く面白い。

  • 『イボンヌと遊ぼう!』 (19話)イボンヌ先生が授業で使っていた指し棒を無くしてしまったので、みんなで、前回お披露目されたイボンヌの謎の住居を探索しつつ指し棒を探す、という話。 学校生活がネタ切れになってきたので今度からイボンヌの部屋をメインに話を作るのかなあ、という感じ。 謎の部屋を通してイボンヌの謎に迫ったりもしそう。

    個人的に隠し部屋とか好きなせいもあってか、今回の話は面白かった。 探してる最中に見つかるものは特に他愛もないものばかりったけど、物探しが途中からファッションショートとか別の目的にすり替わっていったり、マコだけ物探しの展開が分岐して、2つの組の行動が平行して描かれるのが今までのこの漫画とノリが違ってて意外で良かった。 最後には2つの分岐が一つに戻るかと思ったら別れたままで2つエンディングがあるみたいになってるのも面白いと。 既にギャグ漫画でさえないけど、ほんわかしたまま突き進んでいって欲しい。

  • 『BULLET ARMERS』 (5話)新キャラのブリーダーとイオンが戦う話。 今回から"壊し屋"にベイカー、"トレマ使い"にブリーダーとルビを振ったりせずに、ブリーダー、トレマ、のカタカナのみで統一したようだけど、そもそも前も書いたけど、この用語自体がすぐ意味に直結できる言葉を使ってないので分かりづらい。 こういう言葉遣いを通してしまう編集には疑問を感じる。 

    で、内容については小気味良くバトルが展開されたなって以上の印象は残らなかった。 ただ、新キャラの少年が意識のまだあったベイカーを撃とうとする事に関してだけれども、少年がその助かったベイカーに対して言った「まだ残ってやがったか」というセリフと、他の倒れてるベイカー達も生きているという状態は、この少年のトレマの攻撃力を曖昧にして緊張感を削いでると思う。 

    撃たれた他がみんな死んで一人だけ生き残っているというのなら、その1人だけ生かしたら、また仲間を連れて襲いに来るから殺さないと危険だと思うけど、他もみんな生きてるのなら、意識のある残り1人だけまた気を失わせても意味がないと思うし、何よりも「まだ残ってやがったか」は「まだ生き残ってやがったか」という言葉から生死を曖昧にするために変えられたセリフに思えるのだ。

    この少年は、自分の攻撃から意識のあるブリーダーを守ろうとするイオンに対して、甘さが命取りになるんだという話をするわけだけど、こういうシビアな考えをする人間が、ブリーダーを死なない程度に攻撃するとは思えないし、やったらキャラがぶれてしまう。 だから、こういう考えの少年なのに、彼が攻撃したブリーダーがみんな生きているというのは、作品とは関係のない子供に殺人を犯させない雑誌側の規制かも知れないけど、なら、殺さない理由にちゃんと作品内で説得力を持たせて欲しいのだ。 機械や通信機器を破壊すれば当分追ってこれらないとか、殺しはしないけど再起不能にする特殊な弾であるとか。 意志を持つ機械が人を襲い、既にたくさんの人が簡単に死んでしまう世界観なのだから、少年達のバトルでの生死の扱いも曖昧にしないで欲しなあと思う。

  • 『アオイホノオ』 (30話)ホノオが車の本試験にまた落ちる話。 ホノオの妄想で試験が大げさになるんだけども、話を薄く伸ばしてるだけのようで楽しめなかった。

  • 『ぼくらのカプトン』 (22~24話)主将の妹って初登場だったかな。 この漫画は強面の主将が実はただの俗物だっていうのが面白さの肝だと思うけど、ここの所、主将がイメージアップされないのでただの面倒な奴に成り下がって漫画自体の印象も悪くなってる気がする。

  • 『アサギロ』 (18話)土方と野盗のお頭との戦いの他方、沖田はふて腐れて道を歩いていた、という話。 野盗の頭が賢い奴で、土方との戦いが凄く面白かった。

    自分が斬った野盗達が立ち上がり、まだ生きていた事に驚いた土方を見て人を殺した経験が浅いと見抜き、土方が剣で脛を狙った事から侍じゃないと判断する、というお頭の洞察を通して読者に土方の人となりを教えつつ、血糊がついた刀では切れ味が鈍るという事実を加えてフィクショナルな話のリアリティを補強するというのが作中で無理なく描かれていて凄いなと思った。 沖田の刀の意味を、山南達と土方の2人を合流させる事で次回まとめて教えるのかな?こういうのもご都合主義ながら上手いと思う。

  • 『マコトの王者』 (18話)大地の中のマコトが地元の大阪へ戻って、元暴走族の仲間と再会しつつ妹と仲直りして、天堂の中のマコトは、関係がおかしくなった天堂とフィアンセやトレーナーの仲を改善しようと動く話。 今回はどちらも人間関係を良くしようとしてて面白かった。 相変わらず大地のお転婆な妹が子供っぽい感じが出てて良いと思う。 しかし前にも書いたけどなぜ2つに分けてコミックス化したかなあ。 どっちも外伝みたいなものだから片方だけ読むと作品の力が弱くなる気がする。 前回出てきた感じの悪い大地の親戚は、今回大阪が舞台になってからまだ出ていないので次回以降に波乱がありそう。

  • 『妹先生 渚』 (6話)引き続き、渚の生徒とその父親との確執の話で、その少年の複雑な家庭環境が、さらに少し明かされた話。 前回終わり際にあった、渚と少年の父親との対決は次回に持ち越し。 今回は8ページ。 スランプなのかなあ。

  • 『透明人間になった日』 (読切)父親が、息子の誕生日に透明になれる薬をプレゼントする話。 ゲッサン2010年7月号に『夢のつづき。』という短編が掲載された、田岡りきの短編。 父親のちょっとしたセリフがオチへの伏線になってたのがビックリした。 4コマ漫画みたいなオチだし、終わってから先の先が気になってしまう所もあるけど、8ページで良くまとまっていたと思う。 この人も連載で読んでみたいなあ。

  • 『よしとおさま!』 (18話)よしとお達の学校が学園祭の最中に新たな刺客が登場。 しかもその刺客はサビ丸の師匠だった、という話。 またサビ丸が苦しんで同情を誘うような展開。 久しぶりによしとおの妹が出てきたけれども、やはり絵がアッサリしすぎて魅力がどこかないなあと思う。 前も書いたと思うけども。 可愛いけど何か足りない。

  • 『忍びの国』 (18話)信雄が無門に殺されそうになった時に大膳が助けに現れる、という話。 前回、無門が大膳との戦いを中断して、信雄を殺しに行き、今回はその無門に大膳が追いついて信雄を守るたのだけれども、大膳は、無門が信雄の元へ行っている間に何人もの忍びを相手に戦ってるのに追いつくのが早過ぎる。 それと、無門も大膳も強すぎて戦いに魅力を感じない。

  • 『いつかおまえとジルバを』 (26話)ジルバ達が墓場でおかしな運動会の予行演習をしてると、捨て猫のマリーも参加したがるという話。 マリーがジルバを好きになってるけど、この設定っていつからだっけか記憶にない。 ジルバと人間の関係を描くより猫同士の話の方が面白いかも。 

  • 『月の蛇』 (18話)飛虎が王進の弟子と戦い、翠華は顔に火傷のある男に捕まってしまう、という話。 王進の弟子だった男が使った奥義は九天夢幻という技で、九という名のつく通りに漫画でも実際に9回の連続攻撃を、擬音も含めて表現しているのが描写が細かくて良いなとは思ったけど、8回突いて9回目に斬りつけるその、最後の斬りつけるタイミングが、相手の防御がどういう形態になった時に斬りつけるのか分かればもっと良かったのに。 あと、飛虎の勝ち方は力業で勝ったようにしか見えないのも残念だった。 捕まってピンチの翠華は、出かけている青慈が助けるのだろうな。

  • 『第三世界の長井』 (17話)今回は長井が心の声で少ししゃべった以外は言葉を発しなかったせいか、今までよりは読みやすかった。 けど、自意識過剰なヒーローや宇宙人がイロモノとして扱われるっていう大枠の展開が、相変わらず、たとえば長井の変な線のタッチや、読みづらい台詞回しや、時々出てくる覚える必要があるのか分からないやたら多い漫画の設定その他のせいで、全然集中して楽しめない。 何度も書いてる気がするけどもっとネタを減らして整頓して欲しい。

  • 『楽神王』 (18話)楽人達が協力して奏でた音楽と楽神王の力で巨大な楽神を倒した後、シンダカートの本拠地であるコペルキオへ行き、封印が解けたマラーニモと戦う、という話。 マラーニモの顔がエヴァンゲリオンの初号機っぽかったな。 楽人と礼音が安易に仲直りして以降はただ話を進めてるだけのように思えてしまって面白くないなあ。 次回マラーニモの奏者が現れて恨み辛みを吐きそうなので少しだけ期待。

  • 『信長協奏曲』 (18話)サブローが、足利義昭を将軍にするための朝廷との折衝を、本物の信長にしてもらった後、岐阜城に戻る話。 明智に扮した本物の信長が最後まで良い人なのか野心を剥き出しにするのかが、今後気になるポイントかな。 前は本物の信長がサブローの身代わりに、というか本来の信長に戻って死ぬかと思ったけど、明智も3日後に殺されなくてはいけないので、サブローは本能寺でタイムスリップして現代に戻り、本物の信長は明智のまま死ぬって感じなのだろうか。


ゲッサンは掲載順に最初から読んでいるのだけど、この号は、最初の『アイドルA』がそれなりに面白かったせいもあってか、楽に読み進めることが出来た。 あと今月号は「ぼくの!わたしの!もぐもぐ一週間。」の2回目が掲載されていた。 今回は森茶が担当。

別冊付録のお祝い漫画等の感想は書かないけど、面子的には物足りない気もしつつ、北見けんいちや、武論尊など、ベテラン陣の描いたものがあたたかい感じで良かった。 しかし、小学館はゲッサン以外であだち充40周年記念をちゃんとやったのだろうか。

2011年5月19日木曜日

ゲッサン17号(2010年10月号)

  • 『ばれてるよ!ジャンボリーヌ』 (1話)ゲッサンルーキー、かんばまゆこの新連載。 転校生の中嶋が、転校をきっかけに学校で目立とうと思ったらもっと目立つ転校生がいた、という話。 主人公の頭が大きいという設定はすぐネタが尽きそうなんだけども大丈夫なのかなあ。 その謎の転校生である城ノ内が、1話目からカツラが大きいとかファッションが独特とか、なんか喧嘩に強いとかキャラ設定多いのと、説明的な長めのセリフも多いのが気になった。 詰め込みすぎで読み切りみたい。 自分が期待していたほどには面白みがなくて残念だった。 今後に期待。

  • 『QあんどA』 (17話)遊歩の兄が新人ホラー大賞に入選したり、陸上部の監督達が、合宿で女湯を覗く計画を断念して水着合宿に切り替えたり、庵堂弟や遊歩の周辺が騒がしくなりそうな気配で続くって感じの話。

  • 久しぶりにこの作品を読んでみて、兄が入選したのは審査委員長の老人と同じ病院に入院していた庵堂弟の裏工作ではないのか?と遊歩が疑い庵堂宅へ事実を問い詰めに来た、と見せかけて、庵堂弟にお礼のケーキを持ってきた、と思いきや、退院祝いのケーキを持ってきただけだった、とか、大内と小笠原が仲良く買い物へ行くように見せかけて途中で邪魔が入ったり、そういうちょっとした意外な展開の連鎖が、あだち漫画の面白さの一つなのだなと思った。

  • 『BULLET ARMORS』 (4話)壊し屋から逃げてきたイオンとセレナは、レッズを探す過程で強そうな壊し屋と新たなトレマ使いに出会う、という話。 イオン達が空から落ちてきたのが焼却炉か何かの煙突の中なんだけど、その煙突の中に落ちたのが絵で分かりづらかったし、イオンが家の屋上を飛び移るのに失敗してバレットの力で助かるんだけど、絵的に届かない向こうの壁にバレットの力で届いたのではなく、別に自分の手でも届きそうに見えたりと、絵による状況説明が分かりづらい所があるのが気になった。 ただ、絵自体はペンで描くのに多少慣れたのか雑さが減ったし、キャラクターの線は全体的に太めに見やすくなっていた。 新キャラ登場で、彼がイオンの仲間になるかライバルになりそうな予感。

  • 『よしとおさま!』 (17話)留年しそうなサビ丸に勉強をさせる話。 男同士の耳打ちを変にアップに描いたり、サビ丸のすね方などが、露骨にBLくさく見えて苦手だった。 少年誌で男の友情を恋愛っぽくするのは、何度か描いてると思うけど良いと思えないなあ。 BL的なものが好きな層を読者に増やしても少年誌の復興にはならないだろうし、そう言う趣向の読者も、与えられるのではなく自発的に妄想するものなのでは。

  • 『Waltz』 (12話)苺原は大藪に言われたことを守れず外出して殺されそうになり、蝉達はチクタクを出し抜こうと動き出す、という話。 苺原が死にかけてる時に、その殺し屋の首が何者かに捻られたから、やはり苺原が首折りで二重人格者だったのかな?と思わせる展開だった。 そんなに盛り上がる回ではなかったけど、犬を連れた殺し屋の本性の表し方とか、大きなコマの使い方が上手くてハッタリが小気味良かった。

  • 『とある飛空士への追憶』 (13話)空中戦の続き。 シャルルの、強い敵機へのちょっとした侮りと自分の作戦への過信から絶体絶命のピンチに陥って次号へ続く。 ただ、侮りや過信といっても最善の策は尽くしてたわけで、残念ながら相手がその上を行ったという話なのだけど、シャルルの反応が、ちょっと自分を過信したようなリアクションだったり、ファナを飛行機の重りにしか思ってない失礼な考えだったりがあって、いくらピンチに陥らせるためとはいえ、シャルルの株の下げ過ぎなのでは。

    特にファナとは、今までシャルルと気遣ったり気遣われたりの関係を描いてきてたわけで、なのにここに来て、ファナへのぞんざいな反応が出てきた引っかかった。 パニックでそう考えたって感じでもないし。 どうせ次回はファナの機転で逆転するんだろうけど、そうなってもこんなピンチの起こし方ではシャルルの印象は悪いままではないかなあ。 原作通りかは分からないけど、今まで積み上げた物を駄目にしたような回だったと思う。 そして、相変わらず空中戦は空間が分かりづらかった。

  • 『ハレルヤオーバードライブ!』 (16話)小雨達のバンド名を決める話。 小雨と冬夜が言い合いしてる時のそれぞれの表情が、絵は綺麗だけど言い合いしてるような感情剥き出しな顔には見えなかったな。 あと小雨とハルの距離が簡単に縮まりすぎだと思う。

  • 『まねこい』 (33話、34話)ホンチーも合宿に行ける事になったけど、ホンチーは父親に隠し事をしてるのを気に病んでいて、それをハル達が励ますという話と、猫太郎とリアも結局一緒に合宿に付きそう事になる話。 久しぶりに読むとなんだかゴチャゴチャした感じがした。 話の流れと、その流れの中での登場人物達の喜怒哀楽がなんか噛み合ってないというか。 あとリアのエッチなファンサービスが、あざとい割りには魅力がなくて意味ない気がした。 ハルのホンチーへの励ましの言葉は、長くしゃべった割りに全く説得力がなかったなあ。 ホンチーは今回は可愛かった。

  • 『アサギロ』 (17話)沖田は刀を無くした事を近藤に咎められ、見つけるまで道場へ戻ることを許されなくなり、刀を沖田へ返そうとする土方は盗賊の頭に見つかってしまう、という話。 身勝手な沖田がとうとう近藤に殴られたり、土方がピンチになったりと一応面白かった。

  • 『FULL SWING』 (5話)前回女の子に振られた青年が、介護をしている老婦人の仲介で、暴走族上がりの少女と付き合うようになる話。 話の展開自体は、少女が以前喧嘩したレディースが男連れで仕返しに来たのを青年が体を張って止めたら、青年の元暴走族の友人が助けに来るという、 ありがち且つ古い展開なのだけど、無言で立ってるキャラクターの何とも言えない雰囲気とか味わいがあって良いと思う。

    女は不良っぽい男に惹かれるという老婦人の言葉で始まり、青年の前に不良少女が現れることで、男は派手じゃない家庭的な女に惹かれるという対比を暗示しつつ、この2人の男女は人柄で惹かれあうのだという構成が上手いなと思ったけど、もし、この漫画家が自分で話を作ったなら、もっと違った、ソフトな喧嘩の仲裁や解決をさせそう。 でも、青年が出会ったばかり少女のことをどう思ってたかとか、2人の内面をほとんど描かずくっつけたのは良いような悪いような、なんか不思議な感じがした。

  • 『イボンヌと遊ぼう!』 (17話)学校のミューズ像の影にある秘密の扉の先にはイボンヌの部屋があって、みんなでそこへお邪魔するという話。 レッサーパンダのクッキーの失敗作の形の描き方が相変わらず面白い方向の変さではなかったな。 この漫画家も顔がハンコのように画一化しがちなので、もう少し表情にバリエーションがあったらいいなと思う。 しかし、他愛もないほのぼのした雰囲気だけども、今回、消えたミューズ像はどこかへ結局消えたままという謎の投げっぱなしの豪快さよ。

  • 『アオイホノオ』 (29話)喫茶店で、庵野・山賀と武田・沢村組が出会う話。 ほとんどガイナックス物語といった所。 武田と山賀の反りの合わない同士の関係の描き方が面白かった。

  • 『忍びの国』 (17話)戦いの最中、無門はお国に言われて大膳との戦いをやめ信雄を探しに行き、他方で平兵衛は父と再会するが、父は平兵衛に助けを求めつつも左京亮に殺される、という話。 やっと平兵衛が話の中に加わりだしたけど、父を恨んでるはずなのに自分で手を下さず傍観するだけという、目立つ脇役でしかない扱いが悲しい。

  • 『ここが噂のエル・パラシオ』 (17話)子供好きな万里子は、自分の作ったお菓子を食べてもらいたくて、夏休みに子供達をジムへ招待するのだけども、自分はプロレスのヒール役で、子供が怖がるといけないから、用事を作ってその場からは消えるのだった、という話。

    今回の話は、子供がプロレスの約束事を分からないという事をうまく生かしてるのだけれども、忠輔が万里子を無理強いして子供達の元へ連れて行こうとするのなら、万里子が断固固辞するか、 子供達が万里子を怖がるのを忠輔の機転でどうにかするでないと、話として締まらないんじゃないだろうかと思った。 結局万里子が現れると、予想通りに子供が怖がって、原因を作った忠輔がそれをどうすることも出来ない考え無し、という悪い印象だけが残ってしまったし。 それに、子供達がお菓子をたくさん食べていたことを知って万里子は喜んで話を締めていたけど、お菓子を食べてもらったのは初めてではないのだから、怖がられたのと同じでただの再確認だし。

  • 『月の蛇』 (17話)梁山泊から2人の刺客が送り込まれ、別行動をすることになった飛虎と翠華の前にそれぞれ現れる、という話。 飛虎は勝手に梁山泊の所へ行こうとするし、翠華は一人で酒場で飲んでるしで、梁山泊に喧嘩を売ってるのに危機管理が全然なってないような展開はちょっと杜撰な感じがした。 飛虎も翠華もどっちもまぬけに見えてしまう。 あと、飛虎の顔が妙に甘いマスクに見えたけど前からだったっけかな。 翠華の顔がどことなく細野不二彦キャラっぽい。

  • 『妹先生 渚』 (5話)生徒と父親との確執に介入した渚が、確執の原因がその生徒の母親にありそうだと気づく話。 1話からずっとだけれど、自分には渚の熱血が浮いてるように思えるのに、作中ではそれなりに馴染んで機能してるのが違和感の理由だな。 どこか中途半端というか急ぎすぎというか、話の進み方に散漫な印象を受ける回だった。

    今回も、この作品は月刊誌なのに16ページと、ゲッサン連載のストーリー物品としては少なく、後のページにまたもや新人の読み切りがあった。 もちろん今までと同じく巻末の目次に読み切りが載っていないので、今回の読み切りも代替原稿のようなイレギュラーなものと思われる。 作者に量産できない事情があるのかスランプなのか気になる。

  • 『愛のことだま』 (読切)ゲッサンにたびたび掲載されているルーキー、瀬戸ミクモの短編。 女の子に振られ続ける青年が、やっぱり振られてしまう話。 1アイデアでやり通すのは面白いと思ったし、オチの勘違いもひねりが弱いけどまあまあかなあ。 でも、主人公がなぜ告白するのか、本当に付き合いたいと思ってるのか、告白した相手に本当に好きな女性はいたのか、みたいな根本がおざなりにされてるのはいいのだろうか。 まあ8ページだし、内面をすっかり切り捨てたのが逆に潔いとも思うけれども。

  • 『コートチェンジ』 (読切)以前ゲッサンに『僕らを染めたバーミリオン』という、ちょっとした淡い恋心を描いた漫画が掲載された雪丸の短編。 この漫画家の新作待っていました。 

    今回は、バスケ部の2人のちょっとした友情と別れを描いた話で、前回も卒業と別れの話を夕暮れを舞台に描いていたし、設定がほとんど同じなのが気になったけど思い入れでもあるのかな? 夕暮れ漫画家として頑張るのだろうか。 

    2人がバスケをしながら、会話だけで過去とこれからの話を無理なく描き切っているので構成力がある人だなと思ったけど、キイロの最後の泣き顔が妙に可愛らしくて、こういう顔は男同士の間で見せないと思うし、ちょっと気味が悪かったかな。 それ以前に、泣き顔のアップは押しつける感じがあるので苦手だった。 でもやはりこの漫画家は良いと思う。

  • 『いつかおまえとジルバを』 (25話)ネコミミ娘が神社でバイトを始めたが、悪霊に取り憑かれてしまい、なのに本人はそれに気づいてないという話。 猫には霊が見えるみたいなしばしば聞く話を膨らませたのだと思うけど、相変わらず日常の延長じゃなく思いつきで話を作った感があるなあという感じの漫画だった。

  • 『ぼくらのカプトン』 (19、20、21話)主人公である主将の顔がやたらデフォルメされたり顔芸やったりしてたけど、この漫画って、主将だけは何があっても表情をあまり変えないのがギャグ漫画としてのキモじゃなかったっけか。 他の回がどうだったかいまいち思い出せないけど。 今回は絵のタッチを変えたり色々やっていたけど、そのことで面白さがUPしたって風には思えなかったかな。

  • 『リンドバーグ』 (17話)女王エスペランサとシャークが対峙する中、エスペランサの話でニットの父親が生存してそうだと分かったり、ティルダは姉の前では気弱でリンドバーグを大切に思っていたりなどが分かった話。 

    こんなに面白かったっけ?と読み進めてる途中でニットが主人公なのだったと思い出した。 ニットやプラモをが脇役になってた方が面白いなあ。 というか、いつからかは知らないけど少年を主人公にして、その少年を煩わしく感じさせるような漫画が結構多いように思う。 で、エスペランサは満を持して作中に出てきた割りには、服装がゴチャゴチャし過ぎてたり魅力ある人物には見えなかったなあ。 衣装チェンジした時にまた印象が大きく変わりそう。 ティルダはシャークに惚れそうな気配。

  • 『第三世界の長井』 (16話)今回は7ページ。 冒頭の「たった一つの命を捨てられていた。(気づいたのは昨日)」っていうフレーズは、似たものを何かの詩集で読んだことがあった気がするので、何かの詩のパロディではないかと思うのだけど、思い出せなかった。 相変わらず言葉のチョイスにこだわりを持ってるようだけど、ややっこしいだけにしか思えないなあ。

  • 『マコトの王者』 (17話)天堂の中に入ったマコトが、ボクシングスタイルを、がむしゃらなスタイルから技術的な方向に変えたり、大地の中のマコトは、大地達を見捨てた親戚が金の匂いを嗅ぎつけ大地達の前へ現れ一悶着起こす、という話。 天堂の中のマコトはボクシングを成長させ、大地の中のマコトは人間関係を成長させるっってのは今までもそうだっけかな。 スパーリングや親戚とのいざこざは大波乱の前の小波乱って感じ。 次回は大地家が大阪へ帰郷するようなのでどうなるか楽しみ。

  • 『楽神王』 (17話)シンダカートの巨大な楽神と戦うべく、ついに楽人が楽神王を呼び寄せたが、楽神王とは、アルモーニカを含めた4体の楽神が合体した姿だった、という話。

    まず、絵で何が起きてるのか全然分からない。 敵の猛攻に遭ってるのも分からないし、敵の巨大な楽神が楽人達へ近づいてるのも、楽人達の楽神4体が合体して楽神王になったのも、説明セリフがないと全然分からないというのは良くないと思う。 絵による状況説明や臨場感の表現が雑すぎるのではないかなあ。 擬音が付いてないコマはとことん無くて、合体など、何が起きてるか分かりづらいのはその擬音が無いコマのせいでもあると思う。 擬音がない事でコマは見やすくなってるけど、本末転倒というか。

    ついに、タイトルにもなっている楽神王が出てきたけど、いまいち盛り上がらない感じ。 楽神王が、4体合体してなったり、既存の楽神の中に楽神王になる楽神があったり、意外性はあっただけども、その意外性が話の盛り上げ役として生きてないのがもったいなかった。

  • 『信長協奏曲』 (17話)信長が上洛前に足利義昭と会ったり、上洛途中で浅井長政や長政へ嫁いだお市に会ったり、南近江の六角義治を退けたりする話。 展開は駆け足だったけど、お市が魅力的に描かれて何より。 本当の信長である明智の目線で織田の躍進が語られ出して、今後話の軸が明智になることもあるのかなと思った。


----別冊付録 ゲッサンルーキーズ読切 Special FILE----

  • 『ヒトミちゃんのめざまし』 かんばまゆこの作品。 一人暮らしをする女の子の家に人間目覚まし時計がやってくる話。 二度寝する話だけ面白かった。

  • 『博士の愛した人造人間』 佐伯幸之助作。 博士が娘欲しさに人造人間を作ったら、出来上がった娘は、自分が戦うために作られたと勘違いしていて、というコメディ。 絵はこなれてるからアシスタント経験がある人なんだろうか。 アホ毛とかツインテールとかメイド服とか、散々使い倒されてる記号が使われてるのが、またこの手の漫画かって感じなのだけど、これらを使わなくても成立する内容だと思うし、普通に作ったらキャラが弱いと思い追加でもしたのかな。 「やんよ」って言葉遣いもそうだし。

    以前掲載された短編の『レバー』もそうだけど、博士なり人造人間なりの設定が緩いと思う。 たとえば、メアリーは最後まで人間と変わらない行動をするので、体の線以外にも人造人間らしさみたいなものがないと人造人間という設定にした意味がないと思うし。

  • 『LIAR MAN』 雪丸作。 最後があっさりし過ぎてもう1ページくらい欲しかったけど、やはりこの漫画家は情感の表現が上手いと思う。 ゲッサンルーキーの中では一番才能あるんじゃないかな。 彼女にウソをつき続けて虚しくなっていたり、試合の重要な場面で自分が代打に指名されて不安になっていたりする主人公の気持ちが上手く表現されていたと思う。 

    でも、主人公に対して嫌な感じの後輩の性格は、クライマックスで主人公と関わるわけでもないし、ここまで悪くキャラを立たせなくても良い気がした。 もしかしたらなんか削ったエピソードがあるのかも知れないけれども。

    ただ、1つ引っかかるのは、この短編も、今月号の本編に載った短編や前に掲載された短編でも、みんな何かが終わる話、切羽詰まったシチュエーションで、話が盛り上がりやすい設定な所だな。 『LIAR MAN』は高校球児の最後の夏の話だし。 こういう設定のを取っ払った時に、それでも盛り上がるような話を作れるのかが気になる。 個人的にはゲッサンで早めに連載を始める事を期待しています。

  • 『ヴァラドラ』 梅内創太作。 吸血鬼と人狼の血を引き、吸血鬼の王の心臓によって生きながらえた双子の物語。 片方が暴走タイプで、暴走してピンチになったらもう片方が助けに来るっていうありがちのパターンでだったけど、テオが助けに来るまでは敵とやり合う時のコマの割りが小気味良くて面白かった。 来て2人で戦うようになってからは、2人とも余裕で舐めた態度だったし、敵との力の均衡が崩れて戦いに緊張感が無くなったのが物足りなかった。

    個人的には、やさ男風味の双子のルックスは苦手だし、主人公の服装も主人公達として地味と思ったけども設定は結構面白いし、この新人もちょっと気になった。

    ところで、ニコが、自分を爪が自由に出し入れできるって言ってるけど、拳から出てるから、あれは骨ではあっても爪ではないのではないかな まあ吸血鬼か人狼は拳に爪がある設定なのかも知れない。 ちなみに、作者を検索したら、クラブサンデーに『パストドリーマー』という作品がUPされていたので読んだのだけども、その漫画も双子の物語だった。


「ルーキー紹介してみる!」が、出張版として巻末から独立し、雑誌の真ん中より前辺りに掲載されていて、今回は新連載を始めたかんばまゆこのインタビューだった。 質問に全部ふざけて答えているので、そういうのもアリとは思うけど、どういう人物か知りたい自分にとっては読んでいて面倒だった。 ただ、この企画はこれからも続けて欲しい。

今回の巻末の「仕事場見たいし!」は、あだち充一行の甲子園観戦ツアーの話なんだけど、内容はほとんどが作者である横山裕二の恨み節で、観戦内容は次回へ続くようだった。 面白くないわけではないけど、正直この内容では6ページもいらないと思う。 ってか、先月号から巻末で始まった「ぼくの!わたしの!もぐもぐ一週間。」ってコーナーがいきなり休載だった。

あと、この号を読んでる途中で『いつか空から』が不定期シリーズ連載だと前号に書いてあった事に気づいたっていうか、今月号は『いつか空から』は休載なのだけれども、雑誌の不定期連載というものが、自分は基本的に好きではないので、こういう連載の仕方はやめて欲しいと思った。 人気漫画家の不定期連載が多いのも、単行本派が増えたり雑誌不振の原因になる一つではないのかなあ。 不定期連載が無いのもゲッサンの魅力の一つだったので、この雑誌を購読し続ける理由の一つが消えた。

というわけで、ゲッサンを久しぶりに読んだわけだけれども、読むのがしんどかった。 しばらく雑誌を全作品通して読んでいなかったせいもあってか、読むエンジンがかかってない状態で無理矢理読んでいるような気の重い感じ。 少なくともこの号には購読を続けたくなる魅力は弱かったように思う。 まあ雑誌自体は現時点で2011年5月号まで購入済みなのだけれども。 ただ、別冊付録の新人とか、期待してるし頑張って欲しいと思う。

2011年5月18日水曜日

Bloggerのデザインを少し弄った。

少し前にも弄ってたのだけど、
今回もスタイルシートの

outer-wrapper、sidebar-wrapper
をまた少し広げて、.post h3 内の
記事のタイトルの下を10PX広げて
本文の記事から少し離したり
右のサイドバーを右に寄せようと思って、
sidebarにmargin-left:70px;
を加えてみた。



ところで、Bloggerのデザイン設定には、大分前にテンプレートデザイナーというものが出来て、デザインを見ながら分かりやすく変えられる機能が出来て、良さげだし自分も使おうと思っていたんだけども、これができて以降、どうもBloggerのブログで、ブラウザのスクリプトをオフにしていると記事が見られないブログが増えたようで、もしかしたらテンプレートデザイナーで作るとそうなってしまうのかな?と思って結局便利そうな機能を使わないまま今に至っている。

といっても、スクリプトオフにしていたら今でもサイドバーの日付の▼をクリックしてラベルを開いたり、検索欄が開かないのが不便だったりはするのだけども、ただ、前はそんな落ちることもなかったのに、IEでbloggerを見ると、そのスクリプトをONにしないと記事が見られないブログを、スクリプトをONにした時に表示が途中で中止されてエラーになる事が増えたのが凄く困る。 ちなみにゲッサンの公式サイトもそのせいで落ちてしまい、スクリプトをOFFにした状態でブログを見るのがやっとな状態だ。 IE以外を使おうという事かも知れない。



ちなみに今回すっかり忘れたタグ等を確認するのに参照させていただいたサイト。 ありがたいです。

TAG index
http://www.tagindex.com/index.html
css プロパティの値
http://xn--yck7ccu3lc7455coj5arwgo74a.jp/px.html

2011年5月6日金曜日

ゲッサン16号(2010年09月号)

  • 『まねこい』 (31、32話)ハルの幼なじみである有井の機転で、冨永先生が拒否し続けていたハル達の部活旅行の引率を引き受ける、という話。 話の収まり方は悪くなかったし、主人公が自分の努力で何とかしようとするのはいいけど、こういうハルがピンチの時に猫太郎に助けてもらいつつ反省や成長をするっていうパターンが完全に捨てられているなあ。 これならこの作品に猫太郎はもういらないも同じじゃないか。 あと、旅行に行くか行かないかで話を何号も引っ張りすぎと思った。 毎度2話連載の漫画で4ヶ月もかけてやる話とは思えなかったし。

    この部活旅行に行く話では、新キャラの登場と有井の掘り下げをやっていたけれども、旅行の折衝を引き伸ばさないと描けないのはどうかと思う。 ってかもう世間では夏休み終わるし。 ところで、巻末の目次ページに載っているホンチーの画はかなり可愛いんだけど、これって本編からの転載なのかな。 だとしたらかなり前の連載と思うけど、ヒロインなんだし今の本編でもああいう風に可愛く描けばいいのにと思う。 『今日のあすかショー』は月スピの再録なので感想は省略。

  • 『QあんどA』 (16話)幽霊である庵堂兄の策略で、遊歩の兄がホラー大賞に入選したり、遊歩達が合宿で露天風呂を覗かれずに済んだりと、弟の入院が延長した以外は都合良く話が進んだ回。 毎度の事だけど、庵堂弟は話の中心にいるのに脇役同然で全然活躍してないよなあ。

  • 『いつか空から』 (2話)前回、両親から自分が宇宙人とのハーフで、悪い宇宙人と戦え、と言われた主人公が、友達のピンチを助けようとしたら、なぜか自分が若い頃の母親に変身してしまい、逆に友人達に助けてもらうはめになった、という話。 今回は結構面白かった。 宇宙人が侵略や危害を加えに地球へくるのではなくいたずらをしにくる事とか、今現在の姿ではなく若い頃の母親に変身してしまうのは、年齢をイメージしないと自分と同じ年齢の人間になってしまうからだとか、そういう設定のひねり方がちょっと良かった。 ただ、セリフで「軽い」って言葉を使い過ぎだと思った。 前回全然無かったのに。

  • 『FULL SWING』 (4話)介護施設で働く陽子といい加減な生活を送る彼氏が、陽子の職場の青年を通して仲直りするという話。 月並みな話なんだけど、作品の間っていうのか、雰囲気が悪くなかった。 この漫画家は登場人物にうっすら影を感じさせるのが味だと思うけど、それが今回上手く言った感じ。 もう少し仕事や同棲に生活感があれば更に良かったかも。

  • 『信長協奏曲』 (16話)信長の妹の市が浅井長政との縁談を嫌がっていたのを、顔と正体を隠したそっくりさんじゃない本当の兄である信長の助言によって受け入れるという話。 自由奔放な市が凄く魅力的で良かったんだけど、サブローは信長の天下統一のために他人を道具としか思ってないような感じがあってちょっと引っかかった。 他人の心の機微に対しても悪い意味で大ざっぱというか、史実通りに話を進めるために信長に扮したサブローの株を下げてしまった感じがする。 それにしても市は美人に描けてるとは思えないのに本当に魅力的に受け取れて凄いと思う。

  • 『とある飛空士への追憶』 (12話)戦闘機が14対1で圧倒的にシャルル達の不利だったにもかかわらず、敵のエースが仲間を下がらせ1対1の勝負を挑んで来たので何とかなりそうかも?、という話。 今回も敵がシャルルを絶賛していた。 面白いんだけど、漫画が面白いと言うよりもセリフ?が面白いという感じ。 今回は戦闘機がかなりマシに描けてたけど本人が描いたのだろうか。

  • 『ハレルヤオーバードライブ!』 (15話)タンポポがメタりかに入部したり、部長を好きになったりした過去のいきさつ話。 女の子達が可愛く描かれてたけど、キャラクターデザインのせいもあってか全体的に登場人物の表情の変化がハンコ顔気味で単調に感じた。

  • 『Waltz』 (11話)苺原が首折り男に、匿われた家から一週間外出するなと言われた後で、自分を学校で虐めていた相手から誘いの電話がかかってきたり、他方、蝉は殺し屋の仕事の続行を決意したり、チクタクに首折り男の殺害依頼をした帽子卿は異常犯罪者で新たに女性を襲ってしまう、という色々交錯した回。 いやあ漫画としては面白いんだけど、何度も書いてるけど蝉のリアクションが苦手だ。 男に対して女性的な反応をさせるのが読んでいて気持ちよくないのだよな。 それにしても首折り男は本当に良い人?かも知れなかったり、色々重層的に話が展開して先が気になって良い感じだ。 関係ないけど、こういう登場人物達が別々の場所で同時展開するような構成を『まねこい』でも読みたい。

  • 『妹先生 渚』 (4話)夏休み中に、渚のクラスの日高が大人に対して反抗的だった理由が明らかになる話。 相変わらず登場人物達の感情表現がちょっとオーバーに騒がしく感じてしまい、作品を読むのに集中しづらい感じなのが勿体ないかも。 今回もページ数が少ないけど先々月あったような話の進み方に対する違和感は感じなかった。

  • 『GOVERNMENTS』 (読切)賞金稼ぎ?の話。 例によって、『妹先生渚』が今月も22ページでその後にこの短編があった。 もちろん、ゲッサン14号と同じく巻末の目次にこの漫画は載って
    いないので、『妹先生 渚』の少ページ分の穴埋め掲載かと思われる。 今回も、編集長代理の読み切りへの紹介文は無し。 

    8ページにしては纏まってたかなあ。 ただ全ページを使って主要人物2人のパーソナリティを説明していて、その説明と物語の進行を上手く絡めてたのは良いけど、賞金稼ぎ?の2人の行動がスムーズに運びすぎて緊張かがほぼ無かったのが気になった。 画はこなれた感じで安定してるんだけど、画も物語も既視感を感じてしまい特に印象には残らなかったかな。 新人なのでもう少し新鮮味が欲しかったというか。 そのうち連載化しそうな感じがしたけどどうなるんだろうか。

  • 『BULLET ARMORS』 (3話)イオンが新しい街へやってきて、トレマ掃討作戦に巻き込まれたり、旅をするトレマ使いのセレナに出会う話。 壊し屋に襲われたり色々な事が起こるのだけどなんかピンと来なかった。 相変わらず背景を描かなすぎだったりキャラを雑に描いてる所があったり成長途中という感じ。 これからジャンプ漫画みたいに仲間がどんどん増えそうな予感。

  • 『アオイホノオ』 (28話)ホノオが本免許試験をしている頃、庵野・山賀・赤井達は山賀の妹の来訪と、SF大会からの仕事の依頼とでバタバタし出した、という話。 ホノオのエピソードを簡潔にして庵野達のエピソードをじっくり描けばいいのに。 自動車免許編は自分的にかなりだれてきた。

  • 『よしとおさま!』 (16話)戦後の孤児のような生活をするよしとおと一緒にサビ丸が暮らしだしてからよしとおの記憶が消されるまでの記憶を、現在のよしとおが思い出し、目覚めるとまた忘れてしまった、という話。 先月のサビ丸の冷たい表情に関係したような展開はなくて、あれはなんだったのかと肩すかしを食らった気持ちだけど、今のサビ丸がよしとおの事を本心ではどう思っているかは今後の持ち越しなのかな。 サビ丸に同情させようという方向は自分的に好きじゃないなあ。

  • 『ぼくらのカプトン』 (16~18話)まず16話は、雨に濡れた女子高生のブラが透けているのを見たくて、主将が雨の日にわざわざ自転車で通学した、という設定が、これ歩いても見れるしんぜあえて自転車なのか分からなかったし、17話の、後輩が部活に呼び出されたら主将以外誰も来てなかったってのは何回やってるんだって話で、しかも、くり返しの面白さがあるわけでもないし、18話の、綺麗な女の子の飲みかけのジュースを飲みたいって話でマネージャーの飲みかけをみんな嫌がるのはオチのひねりは良いと思ったけど、読者に女子マネージャーがクラブの男子に恋愛感情を持ってるというミスリードが弱いしで、全体的にいまいちだった。 もしかして自転車なのは、ブラが透けてる女性とを捜し回るためなのだろうか?

  • 『アサギロ』 (16話)土方が3人の野盗のうち1人を殺したら、その野盗はもっと大人数の集団の一味だったという事が発覚して、集団で仕返しに来られた土方は逃げるのだけど、野盗の親玉が凶悪な人間で捕まったら本格的にやばそうだという事で続く、な話。

    話は面白いけど野盗との斬り合いがいまいち迫力無くて残念。 刀の構え方や斬り方は、勢いで自分の足を斬らないようなポーズだったように思うけど、事実に基づいて作画してるのかな? 
    それにしても、斬られた仲間の手から血を浴びるように飲んだりとか、野盗の頭が残忍だったりとか、脇役をこんな残酷さで妙に目立たせて作品のバランスは大丈夫なんだろうかと思ってしまった。

    ところで、作者が巻末のコメント欄で、そのコメントの締めきりを愚痴っていた。 色んな雑誌で時々漫画家がコメント欄に対する愚痴を書いているけど、それは読者には関係ないんで内々で処理して欲しい。

  • 『いつかおまえとジルバを』 (24話)猫一行が海へ行く話。 なんだけど、地球は丸いかどうか長老とジルバが言い合うだけなので、もっと海にちなんだネタがあっても良かった気がした。 猫達が海へ行った感じがしないっていうか、海から連想して出来上がっただけのような話っていうか。

  • 『ここが噂のエル・パラシオ』 (16話)陽向が忠輔と桜花の関係に気を病んでいたせいで、練習中に怪我をしてしまい、でも立ち直る、という話。 長々落ち込まれても困るけど立ち直るのが簡単すぎると思った。 話として何も盛り上がらない立ち直り方だったし。 素人の忠輔なりにプロレスを勉強してるっていう事と陽向の立ち直りを、もっと関連付けられてたらいいのに。 ところで、今月の扉絵のカラーだけを見ると、まるで面白そうな漫画に思えてくる不思議。

  • 『マコトの王者』 (16話)大地に入ったマコトがベルトを奪取し、天堂に入ったマコトの練習中にハッパをかけに来る話。 コンパクトに纏めるには仕方ないのかも知れないけど、マコトの勝ち方があっさりし過ぎだし、大地の妹達との関係をもうちょっと描いて欲しかったかなあ。 天堂に入ったマコトの方は、練習シーンのブラジャーネタが、読んでいておもしろいと思えなかった。

  • 『忍びの国』 (16話)天膳が平楽寺に攻め込み、お国に危機が迫った直前に無門が助けに来る、という話。 大きな話の流れとは別に、今回の話のキモは、お国が自分の弱さを知り夫となるべき無門の強さを知る、という所なんだけど、お国は簡単に助けられてしまうし、無門に都合良く運び過ぎなのが展開のいまいちさになってると思う。 何度も書いてるけど、無門が無敵過ぎるのでハラハラしないし。 あと兄弟の死をきっかけに伊賀から寝返った忍がやっと出てきたけど、脇役扱い過ぎて悲しい。 ゲッサンのサイトのコメントで、作者が4巻で完結と書いていたので、全20話くらいになるのかな?

  • 『イボンヌと遊ぼう!』 (17話)怖がった事のないはじめのために、みんなでお化け屋敷をして怖がらせようとする話。 ありがちな話をありがちにこなしてしまったって感じ。 イボンヌの仲良しグループを見てると、面白いことをする才能のない人達が一生懸命面白いことをしようとして毎回失敗するような切なさを感じてしまう。

     今回の話と関係ないけど、この漫画がほのぼのしてるのは、男女のグループ内に恋愛要素が入ってこないからなのかなあと思った。 今まで読んできてイボンヌが先生である必要性は無いと思えるのだけど、もしイボンヌも生徒だったとすると、別の明らかに大人の先生が出てきたり、はじめとイボンヌの関係に恋愛めいた要素が出てきたりして作品やグループの雰囲気が変わるのかな。 いや変わらない気もする。

  • 『楽神王』 (16話)楽人が連れてこられた異世界で、音楽に何があったかや、シンダカートがどんな暗躍をしていたかが語られて、そんな最中に礼音の助言もあって、楽人が楽神王を呼び出すことを決意するという話。 毎回だけど、顔が歪んだり目鼻立ちのバランスが良くないんで
    もうちょっと丁寧に描いて欲しいと思う。 あと、ヴェリタの部下が久々に出たと思ったら、ドメーニカの超巨大楽神の攻撃で辺り一体ごと消し去られてしまったのだけれども、楽人達のいる場所の風景が全然描かれていないので、部下達がどの方向からやって来たのかや、超巨大楽神がその場所のどれくらいの広範囲を攻撃したかという攻撃力の凄さなどがよく分からなくて困ってしまった。 背景を略した顔のアップやバストくらいまでのコマが多過ぎるし。 それにヴェリタがパルーソに簡単に文句言われたり、今までの重く恐ろしいキャラ作りは何だったのかと言わんばかりの安っぽいキャラ化してしまって悲しかった。 相変わらずドメーニカ側には人の気配がしないし、話や話の流れ自体は面白いと思うけど、絵としての見せ方がかなり物足りなかった。

  • 『月の蛇』 (16話)若い頃の飛虎が、王進の下で腕を磨く最中、蛇矛にまつわる物語が明かされる、という話。 飛虎の過去編終了。 蛇矛にまつわる言い伝えの中の、強さを求める2人に蛇矛が与えられた事の意味がよく分からなかったけど、後のエピソードで明かされるのだろうか。 強さに見合う武器が無くていつも武器がすぐ壊れてたとかなら分かるのだけども。

  • 『第三世界の長井』 (15話)実写画像を出してきたけど、少しも面白さに繋がっていない気がする。 作者の父親とかなのだろうか。 今回も言葉尻を色々いじってて読みづらかった。

  • 『リンドバーグ』 (16話)シャークが交戦し、ニットがゴールに差し掛かったその時、巨大飛空船と共に女王エスペランサ登場、という話。

    こんなに漫画のコマ運び上手かったっけ?ってくらい良かった。 前回と比べたらゴチャゴチャせずに見やすくなった気がする。 でも遠景ぎみのコマになった時に主要キャラなのか脇キャラなのか分かりにくかったり戦闘時の空間が分からなかったりは相変わらずで残念。 あとティルダの顔のバランスがおかしいのが美形キャラだけにもったいなかった。 今回もシャーク側をメインに話が進んだけど、エスペランサが現れて、シャークがエスペランサの下を去った理由が次回明かされたりするのかな?


ゲッサンルーキーとして何度か短編読み切りを掲載されていたかんばまゆこが次号から新連載とのことだけど、かんばまゆこはルーキーの中では画がかなり下手なものの、一番独創的な漫画を描いていたし、ギャグ漫画としてそれなりに面白かったので妥当な連載決定だと思う。

今月から巻末で、「ぼくの!わたしの!もぐもぐ一週間。」という、漫画家の一週間の食事事情を簡潔に描いた1ページ連載が始まった。 ゲッサン10号に一度だけ掲載された画家のレシピを紹介する「ちょっと腹ごしらえ。」のコーナーは再開される事がなかったけど、それの別アレンジ版みたいな連載だろうか。 まあ、自炊しない人や、オリジナル料理の無い漫画家ばかりだと、レシピを紹介する連載は成立しないだろうし、一種の日記形式なら連載として成立しやすいのかな。 でも内容はただの簡単な食事日記なので読んでいて特に面白いとは思えなかった。


というわけで、ゲッサンの感想も再開。
この号の感想は、ちょっと記憶が曖昧だけども、大分前にメモをし終えていたので、改めてこの号のゲッサンを一から読み直しはしなかったけど、次号からまた新しく読み始めるので、半年以上の空白が何か感想に影響を与えるかも知れない。 まあ感想を書くのは義務とは違うのだけども。

2011年5月5日木曜日

月刊スピリッツ13号(2010年10月号)

漫画に関して、だけではないけど久しぶりの更新です。
月スピの感想はこの号で購読中止にしたのでこの雑誌に関してはこれが最後の更新になります。

この号は、当時発売されたのを買って早い目に読み終えていたのだけど、感想のメモを取る前に、漫画の内容や、どの作品の感想を書こうと思っていたか忘れてしまったので、改めて漫画だけ読み直しました。 しかも、久しぶりに月スピを読んだせいか、月スピを連続して読んでいた頃とは連載漫画との距離感が変わったようで少し不思議な読みごこちに。 でも単に漫画の内容を忘れつつあるので違和感があるだけかも知れない。 しかし10月号の感想を今頃UPするのはやはり遅いなと思う。 発売されたその時期にしか書けない何かもあると思うし。

『今日のあすかショー』 (14話)あすかが辛いラーメンを食べる話。 
今回も好奇心旺盛でエッチな視線をものともしないけどウブ、という今までのパターン通りにあすかを描いていた。

『青みゆく雪』 (5話)青と雪子がなんだかんだで付き合う事になる話。 
男向け漫画誌の恋愛漫画=ウブな男女の恋愛って事から逆算して中国からの留学生を主人公に据えたのではと今更思ったのだけど、作品自体に嫌味な感じはない。

『ミル』 (13話)最後の最後に鼻ピンクが猫の姿でハルオミの前に現れ学園祭話が終了。 
改めて読むと、線が固いし、キャラクターの表情と、そのキャラの気持ちやセリフがいまいち噛み合ってない感じシーンが結構あるなあと思った。 今回の話自体もこの回単体では特に面白いといえないし、初期の面白さの感覚を持ちつつ読まないとしんどいかも知れない。 現状では連載上でどうなってるかは分からないけど、キャラクターが増え世界も広がり周辺の雑事にページを割く事で、さらに面白さが失われてくのかなあ。 こじんまりした雰囲気が好きだったのだけど、それは自分勝手な偏愛というものかな。 あと、主人公の友人のハルオミって、脇役の中で妙に線の細い美形で妙に優しいけど、女性受け狙って作られたキャラのかなあ。 変に目立っているように思う。

『ドラゴンジャム』 (4話)偶然知り合ったTJら3人に、ストリートボールで完敗した主人公が、自分のバスケの原点に立ち返る話。 TJ達は凄腕のはずなのに、主人公達が同世代のライバルと戦った時のような迫力は無く圧倒的な力量差があるように見えなかったのが残念。 トリッキーなプレイを説明的に描いたせいでなのか試合が平板に見えたのと、そもそもこの作品の、試合中の空間の見せ方自体が上手くないのだと思う。 どうやら週間スピリッツ本誌に移籍したようだけど、サンデーで連載しても良かったのでは?という気がした。 でも隔週連載なのかな。

『逃亡弁護士 成田誠』 (5話)真犯人らしき人間の魔の手が伸びつつ、他方で、成田をかばった少年が死に、成田が逃亡を続ける、という話。 少年が、成田と間違えられて警官に撃たれて死んでしまったり、そんな状況でも成田は逃げるしかなかったりと、毎度の良い話で終わりじゃない感じが面白いけど、その場に複数いると分かってるのに警官が暗がりで照明も付けずに安易に発砲した事が大味過ぎないかと思った。 でも話は面白いので今後の展開が気になる。

『強制ヒーロー』 (11話)主人公達が、自分達と同じ警察っぽい仕事をやらされてる別の集団と競わされる話。 展開自体はありがちなパターンで分かりやすかったけど、セリフは説明だらけで読みづらかった。 登場人物達の気持ちが表情を一目見ただけですぐ分かるように描かれてるのとは対照的だな。

『ふわり!』 (10話)鳥人間コンテストで、主人公チームの飛行機が飛び立った途端水面ギリギリまで落ちてしまい、そこから頑張る話。 登場人物のほぼ全てに与えられた役割があって、
みんなその役割をきちんと演じているのだからみんなを描き分けられているという事なのかも知れないけれども、みんな感情表現が大げさかキザに見えてしまい、自分は読んでいて乗れなかったかな。 なんだろうな、登場人物達が本心とは違うことを言ったり演じているようなズレを感じてしまった。 それぞれの人物達の感情表現が、話の流れに上手く溶け込んででいないのかも?

『黒×羊』 (12話)翔と親しい仲だったらしい満璃子の弟を撃った後、忘れていた自身の正体を思い出しつつ、自分を探る満璃子を逆にストーキングする、という話。 それなりに面白いんだけど、相変わらず主人公の変装シーンが、まるで超能力か、見る人を催眠術にかけるかのように体形等も含め簡単に変わってしまうのが苦手だ。 変装の大味さが、作中のリアリティの基準を分からなくさせててるように思う。 勢いや強い外連味で矛盾や大味さをなし崩しにして展開するタイプの漫画ではないので、変身シーンをもっとどう変身してるのかぼやかして欲しいなあ。 あと登場人物がやたら女装ばかりするし、セリフにBLを要素入れたりしているのが不快。

『そんなんだからお前らは。』 (14話) 漫画家の連載終了にともない、アシスタントが解散する話。 急展開でテコ入れなのかこの漫画自体の連載終了なのか分からないけど、ほんのり
淋しい情緒があって、これまでの回に比べてちょっと良かった。


既に読んだ雑誌を時間を空けて改めて読み直すのはしんどかった。
この号で定期購読をやめたけど、今回も別に買わなくても良かったと思えるような微妙な誌面だったなあ。 それなりに面白く読める連載はあるけど雑誌の大きな柱がない感じ。 自分にとっては北崎拓の短期連載がこの雑誌を買う動機であり柱だったので、その連載終了後は余計に物足りなく感じてたのかも知れない。 というわけで月刊スピリッツの感想はこれでおしまい。