2010年1月25日月曜日

ゲッサン8号(2010年01月号)

  • 『信長協奏曲』 (8話)思いつきで今日の将軍へ会いに行ったり、帰り道に本能寺を通りかかって信長が死ぬ話をしたり、かなり大味な展開だったけど、今回はかなり面白かった。 良い意味で少年漫画っぽい大味さだったと思う。 今までの連載で一番面白かったんじゃないかなあ。 といか今回は20人くらいで上洛したのでかなり大人数を描いていた。 今回だけじゃないけれど、この漫画は登場人物の表情が良い。 表現豊かという意味じゃなくて、そのシーンや心情にバッチリ合う表情をしてるのが良い。
  • 『QあんどA』 (8話) 幽霊の兄が成仏していない理由が分かる回。 こういう人の情を押しつけがましくない形で見せるのがあだち充は上手いなあ。 物語の核が分かった回ではあるけど、それ以外はこれまでの通り話がほぼ進まない。 この漫画は学園物ではないのかも知れない。 メインの舞台が自宅とヒロインの自宅の中だし。
  • 『まねこい』 (15、16話)今回は2話共ハルではなく、もう一人の恋愛のサポートをしてもらっている奈波を中心に話が進んでいた。 ハルが友達の影口をした生徒達に勇気を出して注意したり、奈波がハルを好きになった理由や家庭事情が少し垣間見えたりなど、面白くはあったんだけど、このまま奈波目線の話が増えていくのもなんだかなあ。 ところでトイレの説明コマで「女子トイレ」 って文字のパネルを描いてたけど、最近の漫画はトイレの説明にスカートを履いた記号を使ったりはしなくなってるのだろうか。 
  • 『アサギロ』 (8話)山南敬助の内面を千葉栄次郎に散々語らせておいて、あっさり玄武館を辞めて沖田の所へ道場破りに行くっていう、登場人物の割合的に、ほぼ山南回と言って良い話だったけど、沖田と山南の剣士としての資質の違いが面白かった。  変わり者しかいない試衛館へ行ってからでは、登場人物の中では常識人である山南の内面を解説する役が今の所いないので行く前に解説役を出して語らせるっていうのはそりゃそうだよなと思った。 沖田と対決する前に、沖田と別の侍の道場破りの戦いを挟んだのも盛り上がりとして良い構成だったと思う。
  • 『アオイホノオ』 (20話)恋もアニメも漫画も上手くいかない主人公が、それなりに知識を持ってたり充実した生活をしてる学生達の中でもがく、っていうのがありがちだけど良かった。 でもなんか、熱血とギャグと史実(とフィクション)のバランスが崩れていてギャグが冴えないような気がしている最近の数話なのだった。
  • 『Walts』 (3話)主人公の殺しのターゲットの「首折り男」が行方不明でそっくりないじめられっ子が身代わりにさせられるという、これからの展開が面白くなる事以外考えられないような話なんだけど、やっぱり男の描き方が苦手だなあ。 身代わりにされる高校生のなよなよさ加減が女性向けななよなよさって感じがして。
  • 『イボンヌと遊ぼう!』 (9話)休日に学校へ行って雪で遊ぶ話。 起と結は一応あるのだけど、雪を使って遊んでるエピソードで、話の起伏といえるものはほとんど無くて、でもそれがなんか心地良い感じだった。 女の子だけでセリフもほとんど無くただ遊んでるコマが続くのがほんわかしていて良い。 無理にギャグ要素を入れずに、こういう出来事を淡々とコマにした方がしっくりいってる気がする。 ただ、マコがかき氷のシロップにこだわってるのが面白いと思えないしくどいと思った。 まあそういうネタを無理にでも入れないとマコが空気になるのかも知れないけどそうしないと立たないキャラでもない気もするし。
  • 『よしとおさま!』 (8話)サビ丸の幼なじみ2人(当然どちらも男)がやってきて、よしとおにサビ丸を大事にしてるかと尋ねる話。 お前のために強くなったと言われても、自主的にそうしていたのを恩義せがましいと思うし、押しかけられた側であるよしとおは感心して聞いてる場合じゃないと思う。 結局、男同士をじゃれ合わせてキャラ萌えさせる漫画以上のものではない様に思う。  ゲッサンの漫画力って何だろう。
  • 『とある飛空士への追憶』 (4話)とうとう敵機との航空戦が始まってしまう回。 やはり飛行機の描写のあっさり感は、画として弱いし、海や雲の表現もかなり良くないと思う。 まだまだキャラクターしか描けなさそうな人に航空戦のある原作を描かせたのはミスキャストなのでは。 編集の人は松本零士や新谷かおるなど飛行機や航空戦のある漫画を資料代わりに読ませたりしていないのだろうか。 話は面白いし、コマ運びも感情の流れが上手く出ているのでメカやアクション関連の弱さが勿体ない。
  • 『ハレルヤオーバードライブ!』 (7話)前回登場した美名神が、初めてなのに上手くベースを弾けて小雨にも褒められるのだけれども、小雨がギターを弾くエピソードやシーンよりも演奏する喜びが出ていたと思う。 あといくら脇役メイン話といっても主人公の存在が薄くなり過ぎだと思った。
  • 『ここが噂のエル・パラシオ』 (8話)主人公のデフォルメ表現が心なしかいつもより多めだった。 女子プロ一家の母役の万里子が、気にしている事を桜花に言われてしまい商店街でバトルをするのだけど、相変わらずドタバタやっているけど熱を感じない。 そもそも話のオチである。路上に置くタイプの看板が、なぜ空から降って来たのかがよく分からなかった。 万里子が銃で撃っても上にはそんなに空中には上がらないだろうし、誰かが投げたにしてもそういう描写が一切ないし。
  • 『リンドバーグ』 (8話)早撃ちヤングとシャークの言い合いが面白いと思えなかった。 それ以前に、今回は空中戦が描かれているのだけど。敵味方の違いや空の飛んでる位置関係が全然分からなくて困ってしまった。 1コマ1コマは見栄えが良いんだけど、通して見たら全然リンドバーグ同士などの距離や位置が分からなくて、原因はアップが多いせいでもあると思うけど、位置関係を説明的に見せるというのはハッタリではカバーできない地味な表現だからではないだろうかと思った。 あと、シャークは絵面は魅力があるんだけど人物像としてはいまいち良さが分からないなあ。それとやっぱり翼竜とかじゃなくて恐竜みたいのに翼を取り付けて空を飛ぶっていうビジュアルに未だになじめない。
  • 『マコトの王者』 (8話)今回は大地マコトの2人の妹を通して、大地マコトの妹バカな所や二人のマコトの性格の違いを描いた話。 なかなか面白かったけど、2人の妹のエピソードとしてはよくありがちな意地悪されてたり進学で悩んだり的な話だったしもっと他になかったんだろうかと思った。
  • 『BULLET ARMer』  (読切)森茶の読み切り3作品目。 今までのよりは面白かったと思うけどペンで描き慣れてないせいか、エフェクトとキャラの上着の違いが分かりづらいような所があった。 でもこの漫画の新しさってどこかにあるかなあ。 で、「レッズ・シンスタント」というネーミングは名前っぽくないし違和感があった。
  • 『いつかおまえとジルバを』 (12、13話)今回は、2話とも今までとは逆に、主人公の猫が女の子に興味を持たれる話で、今までよりも主人公の猫と人間との関係が密に描かれてて面白かった。 ただ、今までのパターンから今回変化球で来たので、次号で最終回になっててもおかしくない感じ。 ってか珍しく話が次回に続く終わり方だった。
  • 『忍の国』 (8話)無門がメインになる話はやっぱり苦手だ。 しかも嫌いじゃないはずの無門の妻も苦手になってきた。 おそらく無門の魅力は、普段は飄々としていながら最強の忍、でありつつも妻には頭が上がらない、っていう所なのだろうけど、設定はともかくも、実際の作中の無門を見ていると、強いけど、それよりもキザで気取ってるような印象が強くて、顔つきも妙に化粧してるような感じだし、その辺が自分には見ていてイラってするのだよな。 あと相変わらず話の中でコミカル要素を入れるポイントがおかしいように思う。 真面目な話をしてる時に茶々入れられて興が削がれるような、そういう入れ方に自分には思える。 人殺しという業を背負ってるにしては軽すぎる気もするし。
  • 『権力の犬ポリスワン!』 (8話)今までレギュラーだった田之宮と令子が全く出てなくて、今回は、新キャラと犬の警察だけで話が進んでいた。 完全にネタ切れだと思う。 なぜなら新キャラと犬の警察を出会わせて、またなぜ犬が警察でしゃべるのか、みたいなことを繰り返しているから。 というか、そもそもネタ切れ以前にネタを溜めるほど情報集めも何もしてないんじゃないかと思う。 しゃべる警察犬ってキャラしか考えてなさそう、と思えるくらいに、全体を考えずに付け足し付け足しで話を繋げただけのような内容になっている。 それを毎号読んでいるのであった。
  • 『タイムメール』 (8話)老婆が孫の事故死を機に自殺しようとする話。 事故死を阻止するために、孫の代わりに自分が電車で会いに行く所までは面白かったけど、その後、東京についてホームで迷って老婆自身が死ぬっていう展開には、ちょっとこじつけ感があったかな。 電車の音で気づく以前に、駅のアナウンスで電車が入るのが分かる可能性が高いし、駅の天井や壁には大きな文字で、矢印や出口の案内のプレートもあるはずなので、それを無視して出口を探すために線路をのぞき込むというのは、老人にしても話が緩すぎないだろうか。  それにしても孫は結果的に助かるけど老婆は結局自殺したのも同じだと思う。 あと前回の感想で未来のメールである証拠がスポーツの試合結果ばかりだと書いたけど、今回の無量小路の出す証拠は違っていた。 けど前回感想を書いた時には、既に今回の号を買って持っていたので、まるで証拠が違うのを知ってて前回の感想を書いたみたいな感じがして恥ずかしい気持ちになってしまった。 だけど、個人の内面にまで踏み込んだ個人情報は、無量小路がその人を過去をなぜかしら知ってる特殊な人間である証拠にはなっても、未来にメールを送れる事の証拠にはなりえないのではないだろうか。
  • 『楽神王』 (8話)大人数の敵と戦うためだけに無理矢理一気に仲間が増えたって感じの展開だった。 前々回から出てきたフェローもいまいち魅力に乏しいし、今回初登場の沢山のキャラもギルドの妖しいトラビアレ以外魅力がないし、そのトラビアレも名前が覚えづらいし、トラビアレの言ってる事は既に読者が知ってる事のくり返しだけだしで、なんだかなあと思った。 後半、楽人が演奏を教える所くらいからは面白かったけど、全体的にはここ3回に渡っていまいちだったと思う。 しかも兄弟対決が思ったより早いなと思わせた途端に3話別の話が入って引き伸ばされたのも同じような扱いだし、「激突の時は近い」とか書かれてももう遅いよ!としか思えなかった。 弟のいる国が攻めてくると分かった時の盛り上がりは既に冷め切ってしまっているわけで。
  • 『ザ!!ビーチスターズ』 (8話)空間の見せ方が相変わらず上手いけど、エフェクトを大きく描きすぎてるせいか、接近戦でのスパイクやブロックの時に、ボールの弾道とか、どの手が当たったかとかが分かりづらかった。 
  • 『怪、刺す』 (8話)下向いてると、視界に女の素足が見えたっていうシチュエーションは、鶴田法男監督が『リング0』でも真似してた吸血鬼ドラキュラ(だったかな)の有名なシーンそのものっていうか、怪奇映画のパターンじゃないのかと思うけど、それなりに面白かった。 ただ最後の見開きは横にして読むのが面倒だった。
  • 『第三世界の長井』 (8話)相変わらずゴチャゴチャし過ぎだけど最後の2ページだけ面白かった。 
  • 『No.1海堂』 (6話)炎が泥や岩にしか見えなかった。 あと「ビド」って擬音は、物音の擬音と間違えるし、驚いた擬音としてやはりおかしいし分かりづらいと思う。 
  • 『月の蛇』 (8話)肉弾戦が、どういう動きをしたのかちょっと分かりづらい気がした。 あと、前回も所々感じたことだけど、コマによってはゆるい絵になってるものが散見されるようになった気がする。 ただ話は面白さが継続していると思う。


「ゲッサンしてみる」の今月のイラストが四位晴香だったのだけど、制服の女子高生?の足に色気がないというか、太腿が男みたいな感じがしたのが気になった。 まさか女装してる男のつもりで描いたりしてないよなあ。 あと、あれ、信長読んだっけ?と思ったら一番前に載ってたのだったな。 雑誌の読み終わり際にはすっかり忘れてしまってた。

なんというか、充実してるんだかしてないんだかよく分からない今月号だった。 今月売ってる2月号はまだ買っていないので急いで買わなければ。 持ってるゲッサンはこれで全部読み終えたけど、もうすぐ2月だし、また最新号が発売されるので大変だ。 とりあえず一年は頑張らねば。

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